それは、ある日送られてきた1通のプチメから始まった出来事だった。
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○○ニュースの山田と申します。
当番組にて『オタク夫婦』の特集を考えております。
つきましては、のりこさんと旦那様に取材をさせていただきたいのですが
まずはお話だけでもお伺いさせていただけないでしょうか。
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○○ニュース?!
って、あの夕方にやっているニュース番組?!
テ・・・テレビ局からの取材なんて・・・
なんか・・・なんだかすごいわっ
私「ねぇねぇ!!聞いて、聞いて!!」
さっそくヲタ夫へ報告。
ヲタ夫「えぇー?!取材?!
テレビ?!本当に!?
それは、
もちろん、
AKBには会えるの?!
ももクロには会えるの?!」
オイ。
メールの文面をよく見ろ。
そんなこと一言も書いておらんだろう。
ヲタ夫「え?何?会えないの?
オタク夫婦の生活の取材?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
そんな取材・・・・ツマンネ。」
別にあなたを面白がらせる必要もありませんよ?
しかし・・・テレビの取材か・・・
よく考えてみると、いろいろと気になるところもある。
私「夕方のニュースの特集ってアレだよね・・・。
スーパーの詰め放題で袋に人参を100本近く詰めたりとか、
(見るたびに、そんなに詰めてどうやって使い切るの?と思うのは私だけ?)
節約の達人と言われる主婦が
『エリンギを煮てアワビ煮風に…』って節約料理を作ったりとか、
(見るたびに、いやそれ絶対アワビに見えな・・・ry、って思ってしまうのは私だけ?)
リストラに会った人がハローワークで必死に求人探したりとか
(見ていることがいたたまれなくなってチャンネルを変えてしまうのは私だけ?)
そういうコーナーだよね。」
ヲタ夫「たぶん・・・っていうか、絶対それだよね。」
うー・・・・ん。
自分があそこに映像として映るのはどうなんだろう・・・?
そして・・・
この男の、ヲタ夫の、アイドルを見た時の
あの・・・あの薄気味悪いニヤケ顔を
テレビという名の電波に乗せるのは・・・
どうなんだろう?!( ̄Д ̄;;
そんな私の心配をよそに、なにやらうれしそうなヲタ夫。
ヲタ夫「まあ、とりあえず
AKBに・・・ももクロに、会えるのなら受けてもいいよって返信しといて。」
えっと・・・
なぜ 上から目線?
私「やだよ!私は別に会いたくないもん。
自分で言ってよ!!」
そんな私にニヤリと言葉を返すヲタ夫。
ヲタ夫「そんなこと言って・・・意地張っちゃって。
こんなところでツンデレ発揮してもいいことないよ?」
すまん。そんなもの発揮した覚えはない。
ヲタ夫「ちゃんと主義主張は伝えておかないと。
のりこだってAKBやももクロに会えないのは困るでしょ?」
いんや。全然。
というか、逆に会ったら、どの子がなんて名前かもわからずに困るような気すら・・・。
そして、取材を受けるにあたって、もうひとつ心配なことがある。
私「私たち夫婦って・・・テレビに映る程、面白いのかな?」
このブログを以前から読んでくださっている方はご存じでしょうが、
私たち夫婦は、意外と普通の生活を送っている普通の夫婦。
ヲタ夫は、根っからのヲタ気質ではあるものの、
見た目にそこまでのインパクトはない。
ちょいキモおやじぐらいだ。
そして、ブログには夫婦の会話をおもしろおかしく書き綴ってはいるものの
テレビカメラを向けられた時、そんな会話ができるとは思えないし、
絵面的にもそれほどインパクトがある映像が撮れるとは思えない。
秋葉原の町を歩けば、もっとすごいオタクなどいっぱいいるだろうし、
もっと労力やお金をかけているAKB48の追っかけなど万といるだろう。
そんな私たちを撮る価値などあるのだろうか?
私「とりあえず、私たちは意外と普通の夫婦だということを伝えて
それでも取材をしたいのか、特集をしたいのかということをメールしてみるよ。」
PCの前でさっそく返事を書こうとすると
ヲタ夫「ストーップ!!」
大声で遮るヲタ夫。
私「何?返信しちゃだめなの?」
ヲタ夫「ふつうなら、オタクにしましょうホトトギス。」
え?
どこの信長?
何の野望?
ヲタ夫「そんなこと書いたら、
取材を受けられなくなっちゃうかもしれないじゃないか!!」
私「いや、だって、ちゃんと伝えるべきことは伝えておかないと。」
ヲタ夫「駄目だよ!!
だって取材を受ければAKBやももクロに会えるかもしれないんだよ?」
いや、だから
会えるとは限らない・・・というか、会える確立は限りなく低いってば。
ヲタ夫「それに、取材上で会えなくても
麻里子様が俺がテレビに映っているのを見るかもしれないじゃないかっ!!
だとしたら・・・認知してもらえる、一世一代のチャンス!!」
夕方のニュースの特集なんか
アイドルは多分、絶対見てないと思うけどね・・・。
ヲタ夫「あ、でもこの映像を麻里子様が見たら
オレが結婚してることがバレてしまう!!」
結婚しているのを隠して不倫をしている男の悩みのようだね・・・
ヲタ夫「そしたらきっと麻里子様、悲しむよぉー。」
いや、悲しまないと思うよぉー。
ヲタ夫「うーん・・・。
その特集にはオレ一人じゃだめなの?」
オタク夫婦の特集だといっているのに・・
根本から覆す発言だな、オイ。
私「いや、オタク夫婦の特集だから。
あなた一人じゃテーマと違うでしょ。
でもさー・・・だいたいもっとインパクトがあるオタク夫婦って多分たくさんいるよー。
今回はさ・・・。」
お断りしようよ、と続けようとした私の言葉をさえぎるヲタ夫。
ヲタ夫「じゃあ、まずさ。
インパクトのある映像が撮れるように
この家をオタクハウスにするところから始めようよ!」
オタクハウス?
ヲタ夫「まず、部屋の中・・・いや、
家の外装にもアイドルのポスターを張り巡らせよう!!」
ひと足早い衆議院選みたいだわぁ。
ヲタ夫「家のドアに”アイドル研究室”って書いた紙を張ろう。」
大学の人気のないサークルみたいだねぇ。
ヲタ夫「テレビ局の人が来たときに出すお茶のコースターをアイドルDVDで代用したり、
『スイーツ食べますか?パフェならありますよ。』と言いながらクリィミーパフェのCDを出してみたり・・・
いや、これは楽しそうだ!。」
少し引き気味の私とノリノリのヲタ夫。
ヲタ夫の妄想は無視して、
『私達夫婦は取材を受けるほどオタクじゃない。それほど面白い映像が取れるとは思えない』
ということをそのままお伝えするメールを送り
相手の審判を仰ぐ。
数日後、返信が送られてきた。
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○○ニュースの山田です。
のりこさんのブログに目を付けたのは
実は当番組のディレクターです。
まずは、お話だけでもいかがでしょうか。
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・・・うーん。
まだ疑問点は残るものの
お話するだけなら、問題あるまい。
そして、その結果、面白い映像が取れないと判断されれば
あちらから断ってくるだろうし。
ということで、
まずはお話だけという算段で
取材を受ける運びになったヲタ夫一家なのでだった。
実はGW前の話。
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次の更新、いつになるだろう。