ヲタ夫は朝からそわそわしていた。
その日は「春の川崎オーディション」が開催される日。
この「春の川崎オーディション」とは、松雪泰子・市原隼人・北川景子らが所属してる
芸能事務所が主催するオーディション。
明日の芸能人を目指す人たちが集まるイベントである。
そう。
もちろん、ヲタ夫も芸能界を目指してオーディションを受ける
・・・・・・・・・・・・・わけではない。
このオーディションに
ヲタ夫が大好きな「クリィミーパフェ」と「ももいろクローバー」も
登場するということで見に行きたいというのだ。
朝からなにやら落ち着かない様子のヲタ夫。
実はアイドル以上に気になることがあったのだ。
ヲタ夫「今日のイベント、明日菜チョップさんも来るかなぁ・・・。」
明日菜チョップさん?とは???
はて、また聞いたことがない単語が出てきたぞ?という方のために説明すると、
明日菜チョップさんというのは、アイドルではなく、
ブログを通して仲良くなったアイドルオタクさん、のことである。
だれ、それ?
はい、皆さんの言いたいことはわかります。
でもね、
でも・・・
この、明日菜チョップさんという方、ちょっとすごいのだ。
説明しよう!!
明日菜チョップさんとは・・・!!
モーニング娘。等のハロプロ系アイドルから、AKB48やアイドリング、
その他まだまだ無名のアイドルまでアイドルオタクとして幅広いジャンルをカバーし、
(それ、節操ないだけじゃないの?)
アイドルとの握手を年間300回以上こなし
(1日平均 0.8回!!ほぼ毎日握手している計算?!)
下手な地下アイドルよりもよっぽど握手をしていると評判。
(ヲタなのに、アイドル超えちゃった?!)
人は彼を「握手マイスター」と呼ぶ。
(なんかカッコイイな、やってることはカッコよくないけど。)
会社には毎月「今月の握手予定表」なるものを提出。
(そんな人を雇っている会社がすごい!)
握手中心に仕事の予定が決まり、握手中心の人生。
(ある意味、壮絶な人生?)
3度のメシよりも握手が好きと豪語し
(いや、ご飯はちゃんと食べようよ。)
その割には、太っているという。
(それ、矛盾してませんか?)
会社で一言「握り」とつぶやけば、
同僚に「明日はどのアイドルと握手ですか?」と聞かれ
(握りって普通、寿司だよね?)
飲み会でアイドルについて語れば「どれだけ飲んだの?」と呆れられる。
(ちなみに下戸で1滴も飲めないらしい。)
握手のためなら、どんな過酷な環境でも何時間でも待てる肉体を持ち
(すごい体と忍耐力・・・)
むしろ過酷な状況で並ばされることを好む。
(それって、ただのM体質?)
友人からは「握手妖怪」というあだ名をつけられ
(それ、友人なの?そんなあだ名つける人たちは友人と呼べるの?)
アイドルイベントでは最前列で振りコピもコールもせず、静かに笑顔で観覧。
(マナーがいいけど、考えてみると結局キモイ人?)
そんな自らの姿を「変態紳士」と呼ぶ。
(変態と紳士・・・どれだけ相反する2語なんだろう。)
タンスの中身は私服よりも、ヲタTの割合がはるかに多く、
(泥棒が入っても、タンスを開けたら逃げ出しますね・・・)
部屋の中にはアイドルCDが入ったダンボールがうず高く詰まれているという。
(CDショップが開ける規模だとか。)
そんなキモヲタなのだ!
(キモヲタって言い切ったー!!)
そう、キモヲタなのだ。
(なぜか2回言ったー!!)
今までブログを通して、やりとりをしていたものの、実際にお会いしたことはなく
そんな憧れのキモヲタに一度はお会いしたいと切願していたヲタ夫。
(キモヲタに憧れるって・・・?)
今回、そんな明日菜チョップさんもこのイベントに行っているという情報をつかみ、
このチャンスに一目だけでも!と、朝からそわそわしていたのである。
ヲタ夫「明日菜チョップさん、このDVD持ってるかなぁー。」
一枚のDVDを握り締めてつぶやくヲタ夫。
そのDVDとは、前回大騒ぎして手に入れた割には
最後まで売れ残っていた限定100枚のももクロDVD。
1枚のDVDを胸に、恋する乙女のようにまだ見ぬキモヲタを想うヲタ夫。
私「さあねぇ?本人にメールで聞いてみたら?」
早速、明日菜チョップさんにメールをするヲタ夫。
しばらくすると返信が。
ヲタ夫「持ってないって!是非見たいって!現地で会いましょうだって!」
キモヲタの返信になんだかとっても嬉しそうだ。
早速1枚のDVDを手に、いそいそとスタ☆フェスへ出かける準備をするヲタ夫。
なんだろう、このまだ見ぬ初恋の君に会うような、いそいそ感は。
準備がすっかり整ったヲタ夫。
しかし、玄関を出るときになって、急に怖気づき始める。
ヲタ夫「ところでさ・・・
明日菜チョップさんって、どんな人なんだろう?」
私「いや、だからアイドル大好きなキモヲタなんじゃないの?」
ヲタ夫「いや、だから、キモヲタってさ・・・
どれぐらいキモヲタ?(=◇=;)」
私「すまん、キモヲタのレベル具合がわかんないし。」
キモヲタに『キモヲタ レベル1』とか『キモヲタ タイプ1』とかあるのか?
ヲタ夫「だって、考えてみて?!
明日菜チョップさんは、自分で自分のことをキモヲタって言うぐらいなんだよ?
もう、どんだけキモヲタなんだろう。」
いや、まあ、それはそうだね。
・・・というよりも・・・
夫婦二人で、まだ見たこともない人をキモヲタ呼ばわりしすぎです。
ここから、夫婦でまだ見ぬ明日菜チョップさんの妄想が始まる。
ヲタ夫「こんなんだったら、いいけど・・・。」
いいのかよ!?
こんなんでいいのかよ?!
ヲタ夫「友達から”握手妖怪”って言われるぐらいだから、
こんなんかも・・・。」
私「♪辛いさーだめを生・き・る!!
って、そのままパクリじゃん!?」
ヲタ夫「あ、でも、そっか。
妖怪人間の手って確かこんな感じだし。
これじゃあ握手できないから、これではないな。」
(そういう問題か?)
ヲタ夫「じゃあ、意表をついて、
こんなんかも・・・。」
私「えっと・・・
なぜ”なまはげ”?」
ヲタ夫「”ヲタなまはげ”は、
握手していない子を探して彷徨うなまはげです。」
そんな『なまはげ』はイヤだ!!( ゚Д゚)
ヲタ夫「自分を”変態紳士”って言うぐらいだから、
こんな感じかも?」
これは紳士ではなくて、ただの変態では?
ヲタ夫「じゃあ、総称して、これだ!!」
(わかるあなたは私たちと同じJ世代!)
うん。
この場合、家から一歩出たらつかまるね。
深夜に公園で騒いでなくても公然わいせつ罪だね。
CMも打ち切りになって、スポンサーも離れていくから気をつけて!!
ありとあらゆるタイプのヲタを想定したものの、
こればっかりは想定を重ねたところでどうしようもなさそうだ。
意を決したように玄関の扉に手をかけるヲタ夫。
ヲタ夫「と・・・とにかく!!
どんな未知との遭遇でも、俺、がんばるから!!」
ヲタ夫はそういい残し、「春の川崎オーディション」へ旅立っていったのであった・・・。
波乱の幕開け?
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もう1ヶ月以上前の出来事です。
絵が苦手で、書くのを後回しにして今に至りました。