いじめ、というと大げさである。とはいっても、ボスざるみたいな女の子に意地悪をされて
不愉快な気持ちでここ1,2年いた9歳の娘は常にその女の子が嫌いであった。
私もその意地の悪い女の子の話を聞き、あいつは性悪だ!だから気にすんな、とも言ってやって慰めたりもしたものだが、
9歳児からすると、彼女に好かれたいという気持ちのほうが強い。
日によって、そのボスざる(ここではQueen Beeと言おう)は気分が変わる。
あるときは優しく9歳児を招き入れ、ある時は突き放す。
たった14人しか1学年にいない女子なのに、その14人をしきっているのはこのQueen Beeなのである。
そのQueen Beeは、白人の女の子であるが、キンダーガーテンの時から、あなた、どこのパーティに行くんですか?といったような超ドレッシーなドレスにヘアバンド、もしくはリボンをつけて学校にきていた。幼稚園児の時からそうであった。かたや我が子は
親がドレッシーな女の子らしい服を着せたくても、一切着てくれなかった。
当時はFrozenの真っ盛りであり、アナやエルサのついたピンクや水色の服を着せたくても、家では来てくれていたものの、学校に着ていくなんて断固ありえない、といった有様で、つねにズボン、そしてTシャツ。そう、ただそれだけ。。かたや自分でいうのもなんだが、私はそれなりに東京にいた時からおしゃれが好きだったので、それなりに、太った中年体系ではあるものの、それをマイナスからプラスにはならなくてもゼロにすべく、おしゃれで体系を隠しているわけであるが、母親のそういった健気な努力というのは、当時の娘には伝わらず、他者からみると、なぜお母さんはきちんとした身なりをしているのに、娘さんはあーも適当な恰好をしているんだろう、と思われてもおかしくなかったほどである。
それくらい今となっては9歳の娘はオシャレというのもに一切興味がなかった。あったとしても、私の指示は絶対に聞いてくれなかった。彼女は彼女なりのおしゃれというのがあり、母親の意見なんてどーでもよかったわけである。まぁ、そのおかげか、
正直言って、彼女がおしゃれしている、という感覚を私も持った覚えがない。というのも、娘は非常にシンプルなテイストが好きで、私からすると、おしゃれだと思えなかったからである。
一方でそのQueen Beeは、シナモンロールのパジャマをパジャマで―に着て着たり、1年生の時からイヤリングをつけたり、ネールサロンごっこをして嫌なダサい女の子はそのネールサロンごっこで遊ばせなかったりなど、ある意味で超女らしい、ミーンガールであった。
さて、ある時、9歳時がどういうわけか、私が指示したように服を着てくれたことが2,3週間前にあった。白いシャツに白いズボンといういで立ちであり、そこへ頂戴したお下がりがすっごくかわいかったので、そのおさがりジャケットを着ていったところ、あるこれまたTier1のミーンガールに可愛いと褒められたらしい。しかも、なんと、ちょっと気になっている男の子が一緒においかけっこして遊んでくれるようになったらしい。
私は母として一番の娘の見方である。その男の子が9歳の娘とおいかけっこして遊ぶようになったのは、あなたのこと好きだからじゃないの?というと9歳児の娘は至極嬉しそうであった。
女の社会は厳しい。私自身女子高で育ったのでわかるが、おしゃれな女の子はTop Tierに属す。それか上位レベル。ださい女の子というのはカーストの最下位。ぶすでも、おしゃれが上手であったりすると、上の下か中の上に属す。
9歳の娘は常に女子からおそらくダサいとみなされていたのか、不人気であった。Queen Beeとその取り巻きに遊ぼう、と声をかけても、あたしたち何にもしてないの、とそのQueen Beeに言われて、悲しいと白状してきたこともあった。Queen Beeが9歳児の娘を押して追い出そうとしたこともあった。お友達に遊ぼうといっても仲間に入れてもらえない、というのは日常茶飯事であった過去が1,2年あったため、彼女は男の子に好かれるととっても嬉しかったらしい。女子にもてなくても、男子にもてればいいか、というのが私の考えであり、9歳児は、だれそれ君が私にCrushしている、だということを色々教えてくれてはいたが、最近少しおしゃれしただけである男の子とおいかけっこしていたことが、そのQueen Beeに、我が子である9歳児の存在をまざまざとみせつけるきっかけになったらしい。
なんと、9歳児が、おしゃれをした(ただリボンを頭につけただけ)、スカートをはいた(寒かったのでタイツをはかせた)、イヤリングをつけた(私は9歳でイヤリングつけるのは正直嫌だし、ませてるから嫌い。でもアメリカの女子はマセガキが多いので、あいつらに対抗するために、イヤリングを買って与えてやりつけさせた)ただそれだけで、そのQueen Beeの態度がガラッと変わったのである。
すくなくてもイジメなくなった。対等に遊ばせてもらえるようになった。
やれやれ、くっだらないことである。本当にあさはかな女である。
今まで馬鹿にして、仲間外れにしていた女の子が、やれリボンをつけた、おしゃれして、シナモンロールのキャラクターの服を着ていた、たったそれだけのことでガラッと態度を変えて今となっては娘に対して優しくしているわけである。
超のつくミーンガールである。娘は、そのミーンガールからApprovalを得ようと昔はしていたのに、今となっては対等に遊んでいるそうで、最近は学校の不平不満をあまり言わなくなった。
うすっぺらい友情ではあるが、リボンをつけた(3個で10ドル)、Stitchの服をかった(15ドルくらい)っていう小金で
いじめが解決されるのであれば、親としてもありがたいところ。
最近では毎日私の朝のファッションチェックが入る。にしても、娘も2年前からずっともっと女の子らしいカッコしてったら?というのに一切聞いてくれなかったわけではあるので、ある意味自業自得ともいえる。
母親はうざいかもしれない。でも、母親は子供を気遣うから、助言をしているわけである。親のいうことを聞かない子供は
損するのであろう、と思うに至った。