今回はイギリスでの就職について書いていこうと思います。
実は私はイギリスでは就職活動をしていません。なので職を探すという意味ではなく採用活動を多くしているのでその経験をもとにどのように採用に至るのかを書いていこうと思います。
採用といっても業界によって全く違うと思うので今回は下記条件の場合当てはまるとご理解ください。
- エンジニアリング職
- 採用はMaster以上
という部分限定です。
かなり分野という意味では狭い例ですが、どのような形で就職活動が進むのかという面で伝えられることがあるのかなと思っています。
まず申し込みの方法ですが、基本的にいくつか種類があります。
私の場合は主に3種類の採用方法があるなと感じています。
- Graduate採用
- 経験者採用
- 知り合い紹介採用
まず1つ目、大学の卒業生採用ですが、私の知っている採用はイギリスの中でも少し特殊気味かなと思います。
まず大学からの卒業生の採用は基本的にInternとして働いた人の中から採用する場合が非常に多いです。
なのでInternをしてその中で実際に仕事をしてマネージャーの意見を擦り合わせてJob Offerを出すというパターンが多いかなと思います。
基本的にInternの申し込みは多いです。毎年履歴書が100通以上届く感じです。この中からOfferを出しお互いにマッチングをして採用に至ります。
Internのポジションで働いていて実際にどのように仕事をしているかを見ています。その後卒業のタイミングでJob Offerを出すか決めます。大学にもよるのですが、Master等のプロジェクトは企業の課題を修士のプログラムにしている場合があり大学の教授と成績を決めるプロセス等もあります。
最終的に他社にいく事もあるのでなんともですが、基本的にはマッチングをInternでしているイメージです。
なので大学(大学、修士)-> Intern -> 新卒採用という流れになります。
GrauduateのパスはMasterまででPhDの就職に関しては経験者採用に入るイメージです。
次は2番の経験者採用です。
この場合WebとLinkedInにジョブポストがされます。ここに基本的に応募してくれる人、または社内にヘッドハンターがいるのでその人が直接声をかけるパターンがあります。
最終的に採用に至る場合は1:1という感じで応募してくれる方半分、ヘッドハンターで半分というイメージです。
この後面談を重ねて行き採用するか決定します。
次は3番の知り合い採用です。
この3番は決まる可能性が極めて高いです。やはり社員は何が必要かわかるので選考がスムーズに進む可能性が高いです。大学の研究室の知り合いだとか、前職の知り合いだとかのパターンが多いです。
最後にVisaの要件がどのように影響するかという面です。イギリスは英語の国なので海外から来ている人もたくさんいます。
その中でVisaの手伝いをしても雇う魅力があるかがやはり重要になります。
- Retension
Retensionはおそらく会社の定着度みたいな意味でしょうか。やはり留学生にとって当然イギリスは母国とは違う環境です。採用する場合活躍して長期で定着して欲しいと願うのが会社の本音です。この意味でイギリス人の方が優先採用になるのは自然な流れです。辛い事があってもイギリスに根ざして頑張ってくれる人が多いので。5年頑張って育てたら離職して母国に帰ってしまう事があるのは最終的に損失になります。なのでVisaサポートが必要な候補の方は5カ年、10か年計画を今の段階でどう考えているかという事をよく聞きます。当然聞くと長くいるつもり等の返事は来るのですが、行間を読む面談になる事が多いです。交友関係はどうなのだとかそういった雑談からその返事に裏付けがどの程度あるのか等を探っています。
このモチベーションの中でもVisaサポートをしてでも採用をしようと思えるのはやはり下記理由です。
- Competence - 技術的に優れているかどうか
主にPhD採用の場合がこれにあたります。PhD採用の場合はこの人じゃないとできないなという場合が多いです。短期でも成果を上げてくれると思わせてくれる人はいます。この場合は採用の候補に強く上がります。やはりOnly Oneになれる方々はPhDの人が多く、ビザサポートをしても採用しようという事になります。
最後の締めくくりで日本との違いという面を。
日本では私自身Masterの新卒採用だったのでよくわかるのですが、Masterまでの採用はあまり日本と差はないと思います。規模が違うくらいでしょうか。東証一部(プライム?)上場会社だと100-1000人規模で採用!みたいな事がありますが、それはあまりないのかなぁと思います。イギリスに大きい会社が少ないからという部分もあると思いますが。この規模の違いを除けば採用する側の目線としては同じだなと思います。
イギリスならではというかヨーロッパもそうだと思いますが、PhDの扱いが唯一違うのかなと思います。日本でPhDというとやはり就職に不利という流れが確かにあると思います。アカデミック寄りの人材と捉える傾向があると思っています。日本だと会社に入ってから育てるという文化があるのでエンジニアリングだとMaster卒が圧倒的に多いです。私が日本でのエンジニアリングの会社でしたが、8割Masterの卒業生でした。なので部課長の人もMaster卒が基本的に多い印象です。
しかしイギリスではこの様相が変わってPhDの比率が多いです。私のチームもそうですが、PhDで仕事をしている人が結構います。ヨーロッパ各地に顧客がいるので私の観測範囲でいうと部課長の人がPhDの場合が非常に多い印象を受けます。こういう面から見てPhDはイギリスでは全く不利にならない、むしろプラスに働く印象です。
上記で書いてきましたが、学歴は新卒という部分で影響しますが、経験者採用になると学歴はむしろ全く影響しません。本人の資質と経験が全てになってきます。
上記私の経験を誰の参考になるんだ感はありますが実際の経験を踏まえて書いてみました。