WorldWar2Wrecks | 海底に眠る戦争遺産を追う

WorldWar2Wrecks | 海底に眠る戦争遺産を追う

水中写真家『戸村裕行』が、世界各地の海中に眠る第二次世界大戦(大東亜戦争・太平洋戦争)中の艦船や航空機などを潜り、自ら撮影し、ご紹介します。

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ミクロネシア連邦チューク州

特設潜水母艦「りおで志”ゃねろ丸」

 

 

 

 ウマン島(日本名:冬島)の東約600m、水深約36mに今回ご紹介する「りおで志”ゃねろ丸」 は横倒しになって眠っている。先日お会いしたレックダイビングの第一人者が「初めての船の場合、まず入る場所はその船を特定するのに必要である多くの情報の集まるエンジンルーム」と仰っていたのだが、まさにこの船の見所はそこである。 「りおで志”ゃねろ丸」は大阪商船の「ぶゑのすあいれ す丸」級の二番船として昭和5年に竣工した南米航路用貨客船(移民船)であったが、昭和15年に特設運送船として徴用され、さらに昭和16年には特設潜水母艦に改装された。特設潜水母艦への改装は日米戦をにらんだ「大鯨」等の空母改装による大型潜水母艦の不足を補うためであり「りおで志”ゃねろ丸」他の特設艦艇の存在が空母「龍鳳」などの誕生を可能としたと見ることもできるだろう。

 

 

 

「この船に多く見られる収納されたままの酒瓶「大日本ブルワリー」や「赤玉ポートワイン」などと瓶に記載されてる。高温 多湿な潜水艦勤務は将兵に消耗を強いるものであり、高カロリー食による健康維持などが研究されていた。写真の酒類も嗜好品であると同時に栄養補給といった目的をもって搭載されていたものだろう。」

 

 

 

⚓️2014年

月刊「丸」10月号

海底のレクイエム

特設潜水母艦「りおで志”ゃねろ丸」より

誌面解説:小高正稔氏

 

当時の「りおで志”ゃねろ丸」の写真

 

 

Name:Rio de Janeiro Maru

Location:Chuuk State

 (also known as Truk) | Micronesia

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Photo by 戸村裕行(Hiroyuki Tomura)

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ミクロネシア連邦チューク州

特設航空機運搬艦「富士川丸」

 

 

 

 エテン島(日本名: 竹島)の南、水深35mに正立に鎮座しているこの船は、水深などからダイビングの初心者などにも潜り易く、チュークを代表する沈船として名高い。特設航空機運搬艦という目的で使用されていた為か、船の中を探索してみると、たくさんの航空機(零戦や九六式)の部品などを見る事ができる。また、 船橋の通路部分は映画「タイタニック」の撮影でも参考に使われたそうだ。「富士川丸」の様な特設航空機運搬艦は航空戦隊に配備され、その航空戦隊に所属する航空隊の人員、資機材、航空機の輸送運搬に従事した。10隻あった特設航空機運搬艦のどれもが商船を徴傭し改装したものだった。 

 

 

 

「富士川丸は昭和15年12月に海軍に徴傭され特設航空機運搬艦として艤装を行なった後に、第11航空艦隊第22航空戦隊所属として南東方面で人員、機材、航空機の輸送運搬に活躍している。」

 

 

 

⚓️2014年

月刊「丸」9月号

海底のレクイエム

『特設航空機運搬艦「富士川丸」より

誌面解説:小高正稔氏・宮崎賢治氏

 

当時の「富士川丸」の写真

引用:雑誌「船の科学」1984年11月号(船舶技術協会)

「日本商船隊の懐古 No.64」山田早苗氏提供

 

Name:Fujikawa Maru

Location:Chuuk State

 (also known as Truk) | Micronesia

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ミクロネシア連邦チューク州

トラック島の睦月型駆逐艦「文月」

 

 

 ミクロネシア連邦、チューク州。かつての大戦に詳しい方であればトラック諸島という名前の方が聞き慣れているだろう。広大な珊瑚礁に囲まれたその地にはかつて、日本海軍の一大拠点が築かれていた。1944年2月17日、18日に大規模なアメリカ軍の空襲を受け、壊滅的な被害を受ける事になる。現在のウエノ島(日本名:春島)の西の沖約10km、水深約36mに眠っている「文月」商船を改造した支援艦などが多く沈むこのトラックにおいて、数少ない駆逐艦の一つである。

 

 

「12cm単装砲や三連装魚雷発射管、装填演習砲などは未だ健在。駆逐艦らしいスマートなフォルムは、トラックに眠る他の艦船とは一線を画しているのではないだろうか。」

 

 

 

⚓️2014年

月刊「丸」8月別冊

日本の駆逐艦オール大百科

『トラック島の睦月型駆逐艦文月』より

誌面解説:小高正稔氏

(水中写真は2016年のもの)

 

当時の「文月」の写真

 

Type:Mutsuki-class destroyers

IJN Destroyer “ Fumizuki ”

Location:Chuuk State

 (also known as Truk) | Micronesia

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ミクロネシア連邦・チューク州

トラック諸島の「天山」

 

 

 ミクロネシア連邦チューク州。過去の大戦の知識がある方であれば、トラック諸島と言う方がピンと来るかもしれない。そのチュークの国際空港があるウエノ島(日本名:春島)を拠点とするダイビングサービスの桟橋よりボートで約25〜30分、エテン島(日本名:竹島)の北東約300〜400m、水深36mの地点にこの天山は眠っている。この場所は島のマングローブ域に近い場所である為に波あたりが少なく水底は泥質で透視度度は常に悪い状態だそう。しかしこの日は案内を してくれたガイドさん曰く「今までに何度も来て いるが、その中で最も透明度が良い」と言う日に撮影をすることが出来た。どのような形でこの場所に沈んだのかは不明だが、機体は写真をご覧いただくとわかるように損傷が少なく原型を留めている。 チュークには数々の航空機が眠っているが、その中でも最も美しい状態で見る事ができるのがこの天山だろう。

 

 

「機体に大きな破損がみられず風防が開放されていること、ファウラーフラップが降りており、発動機の故障などで不時着水した機体ではないだろうか。」

 

 

 

⚓️2014年

月刊「丸」8月号

海底のレクイエム ①

『トラック諸島の天山』より

誌面解説:宮崎賢治氏

(水中写真は2017年撮影のもの)

 

当時の「天山」の写真

 

Type:Nakajima B6N “Tenzan”

Allied reporting name of ”Jill”

Location:Chuuk State

(also known as Truk) | Micronesia

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インドネシア・ニューギニア島

チェンデラワシ湾の海底に眠る「飛燕」

 

 

 ニューギニア島の西端に位置するインドネシア・マノクワリから出港し、チェンデラワシ湾を南下するダイビングクルーズ船に乗船した。 数日間ダイビングをしながら湾内にある様々なダイ ビングポイントを巡る旅だが、そのポイントのひとつでこの「飛燕」は静かに眠っていた。この飛燕はチェンデラワシ湾内にあるリッポンと呼ばれる島のリーフ、水深8〜12mと比較的浅い場所にある。現地ではこの機体を日本のものと知ってなのか「ゼロ・ポイント」と呼んでいた。墜落したものか、はたまた廃棄されたものかは不明だが、異国の海中でこうして静かに眠る姿に何かを感じずにはいられなかった。

 

 

「現地では零戦と呼ばれていたが、機体内部の3つのレバーが飛燕の決め手となる。残念ながら現地からの情報で銘板はもう無くなってしまったとのことだ。」

 

 

⚓️2014年

月刊「丸」2月号

海底のレクイエム

『海底に眠る飛燕』より

誌面解説:宮崎賢治氏

 

当時の「飛燕」の写真

 

Type:Kawasaki Ki-61 "Hien"

Allied reporting name of ”Tony”

Location:Cenderawasih Bay | Indonesia

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