一人で雨にうたれる。

この辛さ君はわからなくていい。

きっと壊れてしまうから。

君の手を握る。

雨が止んだ気がした。

僕は壊れてしまいそうだ。
日傘をさした男が太陽を掴んでしまった。


世界は静寂と闇に襲われる。


世界は黒い雨が降るようになった。


男にとっては全く無関係な事だ。


暗闇の中で男は一人笑う。


そんな些細な行動も僕達には関係のない事だ。


もっともこの男の行動は無意味に等しいのだ。


何があっても未来を見なければならない僕達には。


今の現状は他愛もないことなのだから。
町外れにある家に夫婦は住んでいる。

どうやら女は先は長くないみたいだ。

自分の事は自分がよくわかる。

恐らくは今夜…。

男の手を取りながらそう言う。

男は今にも崩れそうだった。

いや…もう崩れているのかもしれない。

男はいつも俯いている。

そして今も。

笑いながら女が言った。

私は死んでもきっとまた私になるわ。

同じ景色を見て。

同じ花を愛して。

同じ食べ物を好きになる。







そしてまた同じ恋をする。



少しの間、我慢してね。


そう言い長い夢を見に深い眠りについた。


男は立ち上がる。

不思議と下を向かない。

下を向いていたら君に気づけないだろ。

君が僕に気づけないだろ。

君と同じ景色を見れないだろ。

そして窓際にはいつも通り君の好きな花を置こう。

君が道に迷わないように。

君はこの匂いに誘われてまた僕の元に来る。

そしてまた馴れ馴れしく他人だった僕にその花って名前何て言うの?なんて言うんだ。

同じ笑顔で。



同じこの部屋の窓を見上げながらね。