20代のころ、エジプトからヨルダンに1泊2日の旅行に行きました。


一人でタクシーを雇い、インディ・ジョーンズの映画で有名なペトラ遺跡や


首都のアンマン郊外を訪れました。


断崖絶壁の間をラクダで進み、突然景色が広がった先に、


バラ色のペトラ遺跡が見えた時には、感動で胸が震えました。


タクシーで死海(塩分濃度30%の湖。入ると体が浮きます)の近くまで来た時、


ポツリと、「入りたいな。でも水着持ってきてないから無理か・・・」と言うと、


タクシーの運転手さんが、「ちょっと待っていろ」と言ってどこかに行ってしまいました。


しばらくすると、どこで手に入れたのか、女性用の水着を持ってきてくれました目


「(誰のだろう~ガーン)」と不安に思いながらも、運転手さんの好意を無駄にするのが申し訳なくて、その水着を着て死海に浮きました(笑)


短い旅行でしたが、存分に楽しんだので、大満足で運転手さんにお礼を言うと、


翌日も空港まで乗せてくれると言います。


翌朝、チェックアウトに時間がかかり、運転手さんとの待ち合わせから30分ほど遅れてしまいました。


それでも時間通りに空港に着き、事前に約束した通りの金額を支払おうとすると、


運転手さんの形相が急に険しくなり、


「あんたが30分遅刻した間に、アメリカ人観光客からもっと高額で雇うと言われたのに、あんたのために断ったったんだ。もっと払え!」と言ってきました。


ヨルダン通貨は全く残っていなくて、残りの現金はエジプトに着いた時のタクシー用のエジプトポンドがギリギリしかありませんでした。


運転手さんは「そのエジプトポンドをよこせ」と言い出したので、私も腹が立ち、言い合いになってしまいました。


結局、無理に荷物を持って、逃げました。


飛行機の時間が迫っていたので、搭乗窓口で空港税を払おうとクレジットカードを出すと、係の人が現金でしか払えないと言います。


いくら現金がないと言っても、全く取り合ってくれません。


先程の運転手さんとのトラブルの直後だったし、飛行機の離陸時間は迫っているし、すっかり動揺してしまい、


私は泣きだしてまいました(恥)


すると後ろから英語で、


「もう何も心配しなくていいよ。僕に全部まかせてくれ」という声が聞こえます。


振り向くと、アジア系の男性が笑顔で立っていました。


彼はポケットから財布を出すと、私の空港税を支払おうとしてくれたのです!


「(あなたは、天使・・・(涙))天使


本当に救われた思いでした。


すると、あれだけ現金しかダメと言っていた係の人が、「クレジットカードもOKだから、いいよ」と言って、カードの読み取り機を出してきたのです!!目


「(何よ、カードで支払えるじゃん!!!)」と思いながらも、怒っている場合でも暇でもなかったので、


「ありがとう!」と何度も行って、帰路につきました。


全てが済んで冷静になってみると、泣き出した私は空港中の注目の的になっていましたあせる


「(恥ずかしい・・・)」と思いながらも、先程のアジア人男性天使にお礼を言いに行くと、「どういたしまして」とまたまた笑顔で言ってくれましたラブラブ


死海で浮き、空港でも(泣きだして)浮き、


浮きっぱなしのヨルダン旅行でした(笑)

まだニュージーランドに行ったことはないのですが、


「人の数よりも羊の数の方が多い」といわれるのどかなイメージのニュージーランドは、


いつか訪れてみたい国の一つでした。


そのニュージーランドで起きた地震は、私にとってもかなりの衝撃でした。


友人のご親戚が被災されたのもあり、祈るような思いでニュースを見ていました。


私自身、大学時代の夏休みに、英語を学びにアメリカに短期留学を重ねていました。


大きな夢を持ち、世界で羽ばたく自分の姿を想像し、少しでも人の役に立つ人間になれることを願って、


一生懸命に英語を勉強していました。


地震に巻き込まれた日本人の方々の多くが、その時の私と同じ留学生だったということで、


その方たちとご家族のことを思うと、無念で胸が締め付けられるようです。


海外に旅立つ方も送り出す家族や友人も、


「元気でまた会える」と信じて手を振り、それぞれの道を歩いてきたのに、


また交差するはずの道が目の前で突然切れ、


身が裂けるほどの苦しみだと思います。


私も海外で知り合った友人や知人を事故や病気で亡くしてきました。


悲しい思いをしてきましたが、その度に、


「彼らは心の架け橋になった」と思っています。


言葉、国籍、人種、肌の色、文化、風習など全てを超えて世界をつなげる「心の架け橋」になって、


ずっと生き続けているのだと思います。


私たちは、彼らがかけてくれた心の架け橋をさらに強くするように、


世界の人々と協力して、生きていきたいと思います。








いつもニコニコ笑顔の優しいアブド。


そんな彼が一度だけ、とても怒ったことがありました。


その日、私は母よりも年上の女性とランチの約束をしていました。


礼儀に大変厳しい方で、若かった私はかなり緊張していました。


レストランのあるホテルに到着すると、


私は彼女の後をすごすごとついて行きました。


ランチが無事に終わり、ホッとして車に乗り込むと、


アブドに、「買い物をするからスーパーに行って」と言いました。


すると、いつも優しいアブドがとても険しい顔で、


「マダム!僕は昼ごはんも食べずにあなたを待っていたんですよ!」と、


声を荒げました。


私は驚いて、慌てて何が起こったのか理解しようとしました。


私は緊張で、年上の女性のことばかりに意識がいっていました。


いつもなら、必ずアブドに「休憩してきて」と声をかけるのに、


その日は全く忘れていました。


私から支持されなければ、アブドはずっとその場で待っています。


しかも季節は真夏。


摂氏40度以上になる炎天下で、アブドはずっと私を待っていました。


「マダム!分かっていますか?」


アブドにこう言われて、やっと正気に戻りました。


階級社会では、主従関係の中でメイドのラハマ のようにひどい扱いを受けることもあれば、


お互いが尊重し合う、素晴らしい人間関係を築くこともできます。


アブドと私は後者の関係を作っていたのに、


それが崩れそうになったので、アブドは怒ったのです。


どんな状況でもきちんと配慮ができてはじめて、


深い絆で結ばれた人間関係が出来上がります。


アブドに謝って、すぐにランチに行ってもらいましたが、


私はどっぷり落ち込み、意気消沈してしまいました。


1時間ほどして帰ってきたアブドに、


泣きそうになりながら、もう一度謝ると、


アブドは、「あなたは世界一すばらしいマダムです」と言ってくれました。


顔を上げると、バックミラーに優しいアブドの笑顔が映っていました。


世界一優しい笑顔でした。