寒気団の南下で真冬の気温になって2日目。
母の寝室からの怒鳴り声で目が覚める。
うるさいとかなんとか言っている。
また近所の物音がしたか。
時計を見たら6時半を回っていた。
くわばら。寝たふり~。
そしたらだんだん雲行きが怪しくなった。
クローゼットだか引き出しだかをあけて、「何もない!」「私に出て行けというのか!」と方向性が変化している兆し。
寝たふりしやがって!と言われても、そんなに荒れている人の前にはいはいと起きて行く気にもなれず。布団の中で息を潜める。隣の人が台車で行き来する音に、「なんだあれは!」とかなんとか言う声。いつものごとく、寝間着のまま外に偵察に出た。お隣さんに何か訴えている様子。気の毒だけど、相手してもらおう。幸いにして事情は理解しているはずだし。
しばらくして起きる。母は自分の部屋の飾り棚のものを引っ張り出して「箱はないのか?」と言う。どうやら引っ越しの荷造りのつもりらしい。
「箱は引っ越し屋さんが持って来るよ。」
「ふん、そう?あんたそこにじっと突っ立ってないで、手伝いなさいよ!」
「何をしたらいい?」
「あんた大学出たくせにそんなこともわからないの?」
そんなこと言われたってね。
その後もいろいろおかしな挙動をし、通帳がない、金がない、全部取られたとわめきちらし、リビングに合ったテレビとエアコンのリモコンを自分の部屋に持って行った。
「リモコンはこっちに置いといた方がよくない?」
「わたしが自分の金で買ったものをどうしようと私の勝手!」
そうですか。ではご自由に。
朝食もなかなか食べようとせず、結局10時半になるまで食べられなかった。
葬式ネタはやや下火。父は死んだといいつつまだ生きていて、「アニキ」のところに行ったことになっているようだ。
「親父はなんでアニキのとこに行ったの?」
しるかよ。
「もうあそこに行ってるから何もしなくていいね。帰ってこないでしょ。」
うんうん、帰って来ないよ。
「(父の甥)が私を追い出して、自分がここにきて下に店を開くんだって。馬鹿じゃないの?」
いつもの悪口三昧。
私は昼頃出かけて4時頃戻った。
母がいつもチェーンをかけるので開けてもらわないと入れないのだが、なかなか出てきてくれない。何度か声をかけて、10分後にやっと開けてもらった。
「寝てた?」
「うん。眠り込んでた。」
ちょっと落ち着いている感じ。ほっとする。
割と普通に(普通の人と比べたらぜんぜん普通じゃないけど)夕食を食べる。
テレビを見たかったので、リモコンを部屋から持ってきてくれるように頼むが、母、自分が部屋に持って行ったことを全く覚えていない。
自分の思い込みで興奮状態になった時にやったことは、覚えていないことも多い。
思い込みは、私や父の甥が自分を追い出そうとしている、というのが多い。そして「引っ越し準備の荷造り」を始める。
母の荷造りは、自分の衣類や所有物を袋に詰め込んだり、風呂敷に包んだり、カバンにいれたり、結局「見えなく」してしまう。そして後から不意に「そう言えば私のレインコートはどこ?」と、使いもしないものを探し始めて「誰かが持って行った!」「あんたが捨てた」「盗られた」となる。そしてまた興奮状態に陥り…(以下繰り返し)
今回は怒りはしなかったし、リモコンもすぐに見つかったけど、母の部屋にあるもの以外に被害が及ぶのはちと困る。そのうち私のものがなくなったりしたらどうしよう。
ふと思ったのだが、興奮するのって、気圧や温度の変化と何か関係があるのだろうか。潮の満ち引きとか。わかったところで対応策は何もないんだが…。