家を建てることになったふたつめの理由は、旦那です。

 

5つ年上の旦那とは、4-5年前に、地元で出会って付き合いはじめました。

イケメンとかじゃないけれど(笑)、とにかく優しいことだけが取り柄みたいな人です。

あんまり旦那について書くのは照れるのですが、とにかく、過去のブログのような自分からは明らかに違っていて、日本の田舎の退屈な日々は、自分を平凡な落ち着いた日本人に変えました。

日々狂ったように酒を飲み歩き、不衛生な生活をし、男をとっかえひっかえし、何人もの男と同時にデートを重ねるような自分を懐かしく、憧れたりもするのですが、今は真面目に仕事をし、帰りにスーパーに寄り夕飯の支度をし、温かい風呂に浸かり、晩酌をしながら旦那と映画を観るような生活に満足しています。

 

区切りをしっかりと付けたいと思ったのは、2年くらい前からです。

「旦那」と呼び、結婚生活を送っているような気になっているけれど、けれども、なんだか世間が自分たちをそうさせてくれていない気がしていました。

どうせ、男同士では法的な結婚はできないし。

本当の結婚生活ではないでしょう。

子供もできないし。

所詮、ゲイ同士だし。

周りはそうはもちろん言わないけれど、けれどそう思われているような気がして。

結局、多分自分で作り上げたコンプレックスなんですね。

 

周りは交際し、当たり前のように結婚をし、周りに祝福され、そして子供ができる。

子供ができなくても、夫婦で協力して行う不妊治療さえも、うらやましく思える。

そういう法的な夫婦としての活動の、ただの真似事を自分と旦那はしているだけなのではないか。

永遠に、夫婦として認められる日は来ないのではないか。

旦那は人の好さからも、自分の家族からも好かれ、ちいさな甥っ子たちは旦那を伯父のように思い遊んでもらい、旦那は携帯の待ち受け画面を甥にしていて、そういう風に家族なのに、どうしていつまでも夫婦の真似事のように思えるのか。

 

乱暴ですが、家を建てるしかないと思ったのです。

うまく言えないですが、家を建てることで夫婦になると思ったのです。

周りや世間に家族として認めてもらおうと、なかろうと、家があることで、胸を張って「ぼくたちは夫婦です。」って言えるようになるのではないか。

だって、ふたりにはふたりだけの家があるんだから。

もう、後戻りのできない、かたちとしての何か。

二人が夫婦である証であり、二人の関係が将来どうなったとしても、確かに夫婦として存在していた証になる、何か。

それが欲しいと強く思ったのです。

 

先日、ある水回り設備の担当の方から、「この度は、おめでとうございます。」と言われ、胸が熱くなりました。

旦那とふたり揃って、「おめでとうございます。」と言われるのは、初めてのことだったのです。

「おめでとうございます。」は誕生日やら正月くらいにしか言ったり言われたりすることなんかなかった。

いままでずっと人に言い続けてきただけだった。

ああ、そうか、これは、ここで、ようやく、「おめでとうございます。」なのか。

初めて、ここにきて、ようやく、他人から、「おめでとうございます。」と、言ってもらえた。

それは、大げさですが、初めて、二人が広い世間から認められたような気がして。

それまで関係がなかった世の中の人に、初めて、ふたりで成し遂げた、若しくは成し遂げようとしていることが、「おめでとうございます。」と認められるという、そういう何か。

ゲイなんだろうが、男同士なのだろうが、法的に認められているのかどうか、そんなことは関係なしに、「おめでとうございます。」と認めさせたい。

ふたりで「おめでとうございます。」と言われる何かを成し遂げたい。

そんなことで、ちいさいというか、せこいような、ひどく乱暴な方法ですが、「家を建てる」という選択しかなかったように、思うのです。

 

ちなみにです。

住宅を建てるのに実際に取り掛かり、改めて、「ゲイが家を建てる」というのは普通のことではないんだなあ、と実感するのです。

それは、住宅ローンのことであったり、人生のファイナンシャルプランだったり、保険のことであったり、自分たち若しくは片方の死後のことであったり、大体根本的に家自体に求めているものが普通の家族と違っていたり。

普通のことではないんですが、デメリットばかりで大変というわけではなく、実はメリットもたくさんあるってことがわかって目から鱗だったりします。

ああ、ゲイでよかった、なんて。

ここから、自分たちが実際にどういう風に事を運んでいって、今どこの段階で大変な、そして楽しい思いをしているのか、記録していきますが、実は、自分がブログで記録しておこうと思いつくきっかけとなった"u_and_o"という方々のブログがあります。

「ゲイの家づくり」というブログなのですが、大変興味深い、面白いブログなので、そちらもよかったら是非読んでみてください。

許可を取ってない為リンクは張りませんので、面倒ですが検索してください。

自分も今現時点でも大変参考にさせて頂いてるブログです。

注文住宅を建てることになったきっかけは、大きく分けて2つあります。

 

ひとつめは、今のアパートのことです。

日本に帰ってきてから、5年以上、今の賃貸アパートに住んでいます。

ちょうど新築で入居しました。

北海道の田舎にしては、まあまあ高額家賃の、いわゆる「デザイナーズ」なんですね。

メゾネットタイプで、ちょうど、なんというか、ラブホみたいな作りで、一階にビルトインガレージ、風呂、トイレ、物置、二階に天井4メートル吹き抜けのリビングキッチン、そこから少し階段があって、寝室、それから物置に使ってるロフト、という感じです。

自慢ですが(笑)、誰かが遊びに来ると、必ず「うわあ、おしゃれな部屋に住んでるね!」って言われます。

欠点は、そう、あえて挙げるなら居心地が良すぎて引っ越す意欲がなくなること。

実は、これまでに何度も引っ越そうとはしたんです。

元々賃貸に住む最大のメリットは、「古くなったら引っ越せる」だと思うんですね。

まあ、他にも人のものだからメンテナンスがいらないだとか、色々な責任を持たなくていいだとか、税金がかからないだとか、細かいことはたくさんあるんでしょうけど、自分にとっては、「引っ越すことで永遠に新築に住み渡ることができる」ことを期待していたんです。

ところが、今のアパートが良すぎて、旦那は絶対に引っ越しなんてしたくないと言い張るし、実際他の新築アパートを探しても、今のところに敵うところはなかったんですね。

じゃあできる限り今のところに住もう、とも思ったんですが、高額家賃を払い続けても自分達のものになるわけでもない。

いつかは引っ越して、手放さなくてはならない。

その時に、今のような部屋に住める保証はない。

大体、長いこと同じ場所に住んでいたら賃貸に住んでいるメリットがない。

 

じゃあ。

いっそのこと、もう引っ越すことを考えなくてもいい、自分たちの理想の家を建ててしまおう。

自分たちが所有する、自分たちだけの家を。

 

こういう発想でした。

しかも、ローンの計算を単純にすると、今の家賃をローンの支払いに置き換えるだけで新築が建つ。

しかもしかも、今の部屋は所詮賃貸。

中はスカスカで、オール電化蓄熱式で冬は寒いし、それを我慢してどんなに電気を節約しても、冬の電気代、¥35000も払ってるんです。

キッチンだって水回りだって所詮賃貸で贅沢なものが付いているわけでもないのに…。

大体、壁も薄いから隣に気を使って、テレビや音楽を聴くスピーカーにも制限があるし、深夜に友達を呼ぶのも気が引けるし。

でっかいテレビを設置して、ホームシアターのサウンドシステムを入れてみたい!

 

家を建てるという計画が持ち上がってから、今まで住み心地が良く天国だと思っていた今の部屋に対して湧き上がる不満。

こんなところに住むなんて、もう、無理!

引っ越す5年前に、家を建てておけばよかった!

家賃を返してほしい!

 

これが、家を建てることになった、ひとつめの理由です。

心変わりが激しく、思いついたら突っ走るのは、昔から変えられない性格なのです。

突然ですが、この度、注文住宅を建てることになりました。

一生に一度の大きな買い物をするにあたり、色々なことを自分の為に書き残しておきたいな、と思っていたのですが。

facebookにいちいち投稿するには長すぎるし、だからってブログを立ち上げるほどのことでもないし…。

と、思ったところで思い出したのです。

このブログの存在を。

そう、すっかりと、忘れていたのです。

ああ、書く場所があるじゃないか!

 

ブログを読み返してみてだの、日本に帰ってきてだの、今の自分の置かれた状況と、自分を取り巻く環境や、そんなことを書いていたら、それこそ途中で挫折しそうなので、一切無視します。

とにかく、今の旦那と注文住宅を建てることになりました。

ここから書くブログは、あくまでも自分の為の記録で、メモです。

大げさかもしれませんが、家を建てると決めてからの数か月は、何年にも相当しそうなくらい凝縮されていて、体力的にも精神的にも疲れ果てます。

「家を建てるって大変よー。」なんていうのは聞いていたのですが、ここまでのものとは。

家を建てた皆さん、本当に偉い!

 

一生に一度。

家を建てるというのは、人生を左右する大きな決断の連続です。

疲れ果てますが、こんな貴重な体験はない。

多分来年の今頃は新居におさまっていることと願っていますが、この二度とない貴重な体験を、今の言葉でしっかり残しておきたいなと思うのです。

実はもう家づくりも半ばに来てますが(最初から書いておけばよかったと後悔してます。)、ここまでの経緯も含めて、記録していきます。