第二言語習得の方法を研究しています。



ところで、言葉を勉強する上で、語彙(ごい)の獲得は、必ず通らなければなりません。

例えば、文法の勉強は、文章道(もんじょうどう)的な、いわゆる、量子物理学の視点を用いることで、計算式を成り立たせるのと同じで、文章の組み立ての実験を繰り返し行えば、省くことができます。

しかし、それには、途方の時間がかかることから、私は学者がその言語全体を整理した文法の勉強は、第二言語習得においては、覚えてしまえばその言語の話者の構文を身につけることが出来るため、あるいは上の方法で発見した文章が文法的に正しくても、その言語の持つ文化的背景として使用されることが少なく、その言語の話者に対しても十分に表現が通じないことがあるので、私は文法の勉強は賛成の立場です。

それを、踏まえた上で、今までの歴代の素晴らしい英単語集と英熟語集と、また、その上で、私が薦める英単語集と英熟語集をご紹介したいと思います。







●赤尾好夫 著『英語基本単語集』旺文社

●赤尾好夫 著『英語基本単語集』旺文社



この二つの英単語熟語集(以下、語彙帳)は、日本初の英語の語彙帳と言われています。80年の歴史のある著名な英和辞典の『コンサイス英和辞典』を、大学受験をする生徒さんが、それを全て覚えようとしている姿を英語の先生が見ていて、「それは幾らなんでも可哀想だろう。」ということで、重要語彙を集めた語彙帳として、この二つが誕生しました。今はコンサイス英和辞典をはじめとした多くの英和辞典で、それを使って大学受験のための語彙を習得できるように考慮されていますが(当時のはみたことがない。すみません。)、当時としては、画期的な英語の教材でした。







●森一郎 著『試験にでる英単語』青春出版社

●森一郎 著『試験にでる英熟語』青春出版社



この本は、森一郎先生の熟達した目により、大学入試の英語試験問題に出る順番で書かれた初の語彙帳です。今までは、辞書と同じ ABC 順でしたが、この語彙帳は出る順番に並んでいることから、覚えようと頑張った時点から成果が現れるという、画期的な語彙帳で、1980 年代の受験競争と呼ばれた時代に、最も売れた語彙帳です。重要な語彙ほど、最初の方に載っているのが特徴です。







●ターゲット編集部 著『英単語ターゲット1900』旺文社

●ターゲット編集部 著『英熟語ターゲット1000』旺文社



●ターゲット編集部 著『英単語ターゲット1400』旺文社

●ターゲット編集部 著『英単語ターゲット1200』旺文社



●宮川幸久 著『基本英単語・熟語ターゲット1100』旺文社



今度は、前と同じ頻出順(ひんしゅつじゅん《出る順》)ではありますが、人間の目で選んだものではなく、コンピューターを用いて、データ解析して、頻出順に並べた、まさに、現代の語彙帳です。また、前とは違い、例文が豊富であるというのも、素晴らしい点です。現代は語彙帳がたくさんある時代ですが、その基礎になっているのが、『英単語ターゲット1900』と『英熟語ターゲット1000』です。『基本英単語・熟語ターゲット1100』は英語の発音にカタカナもふってあり、非常に使いやすかったです。







◎安河内哲也 著『英単語 FORMULA 1700』ナガセ

◎安河内哲也 著『英熟語 FORMULA 1000』ナガセ



私が使った語彙帳です。私のオススメです。今回は単語ですが、単語にカタカナで発音が表記されている点が最も良かったです。発音記号の読み方を知らなかった私ですが、この本のお陰で、こんな私でも英語を勉強させてもらえる機会を頂けました。ありがとうございます。(追記)それから、この、シリーズの語彙帳は、一語一訳という、英語の意味の要になる訳を選んでいます。英熟語集の方は残念ながら、カタカナ表記はありませんが、英単語集の方を先にスタートすると、スムーズに出来ると思います。