ご飯 | ちょっと言わせて

ちょっと言わせて

一つ屋根の下の動物たち。
顔を見ていると何やら言いたげ…。
それならこの場で自由に話してもらおう!

さぁ、どんな話がとびだすことやら…。

ちょっと言わせてね。

 

僕はオオウミウマだよ。タツノオトシゴとも言われているよ。

毎日のんびりと泳いでいる様に見えるけど、

僕だって流されないように一生懸命泳いでいるんだよ。

 

昨年の大晦日に

僕たちが住んでいる部屋でちょっとした事件が起こったんだ。

 

それはお母さんがくれたご飯が原因だったんだ。

今まで貰っていたのはブラインシュリンプの形になる前の小さな小さなご飯。

でも、お母さんが間違って買ってきたのは、もう少し成長したブラインシュリンプ。

気づかないお母さんはご飯を部屋に入れてくれたんだ。

もちろん目の前に落ちてきたご飯に僕たちもアレンズダムセル君もヤドカリ君も食べたよ。

ただ、ヨウジウオ君は口が小さくて食べれなかったんだけど…。

 

異変が起きたのはそれからしばらくして。

僕の彼女が突然苦しみだして、潮に流されてくるくる回りながら漂っていたんだ。

必死にもがきながら深いところに潜ろうとしているんだけどプッカリ水面に浮いてしまうんだ。

彼女の容態に気づいたお母さんが、

水流のない部屋を用意してくれて様子をみることになったんだ。

 

結果的にはお腹につまっていたご飯が体外に排出されて

次の日の朝、つまり元旦には彼女は元気を取り戻したんだ。

今は尻尾を繋ぎ合って一緒に泳いでいるよ。

 

僕たちは部屋に入れてくれるご飯しか食べるものがなくて、

それが体にとっていいものか悪いものかの判断ができないこともあるんだよ。

だから…ご飯をくれる時はご飯の種類を見るだけじゃなくて、

体のサイズにちゃんと合っているかどうか、鮮度は大丈夫かどうかなども

ちゃんと確認してほしいな。

 

僕からのお願いだよ。