こんにちわ!マナです。
現在もうとっくに帰国して京都でのんびりまったり暮らしております!
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<3月10日 メキシコシティ@メキシコ>
チリのサンチャゴからたらちゃんに見送られ、飛行機に乗った。
南米から中米、メキシコへ。
旅の終わりへと、また一歩、近付いていく。
南米、楽しかったなぁ…。
飛行機の中から窓の外を覗くと、鬱蒼と広がる緑色の大自然が見える。
…私は、あの場所に行っていない。
行きたかったの行けなかった場所が、国が、まだまだある。
あと3年くらい南米にいてもいいくらいだった。
なのに私は、飛行機に乗ってこの地を後にしている。
そのことに、酷い違和感を感じてならなかった。
自分の為なのに、自分でやっていることなのに、無理矢理移動させられている感じだ。
未練がましく南米の地を眺めながら、心に決めた。
次は絶対、期限のない旅に出よう。
いつになるかは分からないけれど。
絶対にまた南米に戻ってくる。
そうして窓の外から目を離し、次なる目的地へと想いを馳せてみる。
メキシコ……アステカの神々、遺跡、青いカリブ海……
「うっっはぁぁーーーー!!!!!」
と、いきなりガッツポーズをして立ち上がりそうな勢いでテンションが上がってきた。
ほんの1秒前、今の今まで、これまでの地に未練がましく縋っていたくせに、
次の瞬間には、もうさらなる目的地へのワクワクが押さえきれなくなる。
この切り替えの早さは、私独特のものなのか、旅人全てに共通するものなのか分からないけれど。
出会って別れを繰り返す。
別れる悲しさと、これから起こる事への期待と、出会う喜び。
これがあるから旅はやめられないのだ。
さて、
メキシコのことについて下調べをしていないことを思い出し、バッグの中を漁る。
確か、「メキシコ・カンクン」という小さなガイドブックを家から持って来ていたはずだった。
そう、大阪の実家から。馬鹿だと思いながらも11ヶ月ずっと持ち歩いていた。
そう、メキシコは、出国前からかなり気合を入れていた国なのだ。
だって、アステカの神様がいるでしょ、マヤ文明でしょ、カリブの海賊でしょ、うひょひょひょhy
………。
ない。
……。
本がない!!!!!!
ああああああああ!!!!
チリのホテルで一回パラッと見た時だ!あの時に絶対置き忘れたんだ!
今はあんまり見ずにメキシコ行きの飛行機の中でワクワクしながらじっくり読もう、むふふwって思ってた時だ!
ああああせっかく11ヶ月も温めてきたのにここで!?ここで失くすのか!?ええええ嘘ぉぉぉおおおお!!!!
「…まぁ、いっか。」
諦めも早かった。
むしろなんか面白かった。
地図ナシ、情報ナシ、通貨持ってナシ。
もはやそんなことに怯む私ではなくなっていた。
白紙から始まる私のメキシコ旅。むふふ。
チリで出会った旅人に貰ったフライヤーが、一枚あった。
日記帳に挟んでいたものだ。
「ペンション・アミーゴ」
これから向かう首都メキシコシティにある日本人宿らしい。
今晩はここでいい。
ここである程度情報収集すれば、まぁなんとかなるでしょ。
謎の自信に包まれ、
しかしもしかすると今日は野宿になるかもしれないことも考慮し、
少しの眠りについておいた。
* * *
夜8時頃、飛行機は無事にメキシコシティに到着した。
あくびをしながら飛行機のタラップを降りると、
恰幅のいい保安官風のおじさんが近付いてきた。
「YOU、パスポートを見せな。」
飛行機を降りて、まだ一歩しか歩いていなかった。
後ろから出てくる客たちは、止められることなくすいすい私を追い抜いていく。
怪訝には思ったが、まぁ反抗する理由もなし、腹巻ポーチからパスポートを取り出した。
それをおじさんの目の前に掲げる。
「日本人です。ただの観光客。」
そういっておじさんをスルーして歩き出したのだが…
「NO!止まれ!お前はこっちだ。」
おじさんに叫ばれる。
一瞬にして眠気が飛んだ。
周りにいた他の乗客たちがザワザワし始める。
なにかの検問なのかと、パスポートを出す者もいた、が、
そのおじさんは私を指し、「こいつだけだ」という素振りをしている。
そう、まさかの、
マナ初めての別室送り★
しかも飛行機降りてすぐ★
そのおじさんに連れられて、なんだか分からない扉をくぐる。
他の乗客が私を怪訝な目で見ているのを最後に、
扉を越えると薄暗くて冷たい通路しかなかった。
コツコツと、おじさんと私の足音だけが響く。
………。
何事?????
こんないたいけな少女が一体なにをしたっていうの?
純朴な日本人が、こんなまぁまぁ治安悪いイメージの国で一体何が出来ると?
いやいやいや何かしらんがこれ何か、結構ヤバくね?
まさか、もしかしたら、私のバックパックに麻薬とか入ってたんじゃないだろうな。
バックパッカーが知らん間に運び屋やらされていて逮捕って聞いたことある。
そんな、まさか、どこで入れられた?南米のローカルバスか・・・?
ぐるぐるとそんな心配をしている私に気付いたのか、
おじさんが妙に明るい声で、「心配するなアミーゴ!ただのインタビューだ!」という。
…インタビュー?
なんだそれ?
それにおじさんみたいな英語だかスペイン語だか分からないような言語でインタビューされたって、
しっかり答えられる自信ないよ…!
通路の奥にあった螺旋階段を降り、また狭い通路を通って、鉄の扉の部屋に着いた。
コンコンとおじさんがノックし、何事か言って扉を開ける。
中には強面に眼鏡のおじさんがひとり。
何かの書類が山積みになったグレーの机の上で、肘をついて私を見る。
部屋の中は雑然としていた。
書類の部屋って感じ。
あとは白い蛍光灯。
「まぁ座れ。」と、流暢な英語で眼鏡のおじさんに促された。
「身分証明の出来るカードや書類、パスポートも。ああそれからクレジットカードも全て、出せ。」
…く、クレジットカードも?
いやしかしここは空港だ。何もスキャニングされて使われるってことはないだろう…さすがに…?
ここまでくると私は完全にビビっていて、彼らに従うことしか出来なかった。
ユースカードやユースホステル会員証、果てはもう卒業した大学の学生証まで、全て出した。
眼鏡のおじさんは保安官風のおじさんに何事か言う。
保安官風のおじさんは、私が机の上に出したそれらを全て、コピー機にかけた。
眼鏡のおじさんが質問してくる。
「日本人か?」 「はい。」
「観光か?」 「はい。」
「何ヶ月国に帰っていない?」 「11ヶ月…」
「南米にいたのか?」 「はい…」
「よし、終わりだ。行っていい。」
「…は?」
ほんとにいくつかのインタビューを受けただけで、その部屋を後にすることになった。
「カモン、アミーゴ!」と、保安官風のおじさんが、これまた妙に明るい声で先導してくれる。
「だからノー・プロブレマ、ジャスト・インタビューだって言っただろ?」
「…はぁ…そうだね…」
暗い通路を抜け、とびきり明るくて大きな場所に出た。
どうやら入国審査ロビーのようだ。
私の乗ってきた飛行機の乗客たちが、まだぞろぞろと並んでいる。
それにしてもすごい混みようだ。
これに並ぶのか…
「お前はこっちだ。」
保安官風のおじさんは私を連れて、ぐいぐい人の列を追い抜いていく。
入国審査のおばちゃんに何事かいい、私のパスポートを出した。
そういえばおじさんに預けたままだった…。
そのパスポートには、しっかりとメキシコ入国スタンプが押されて返ってきた。
「それじゃアミーゴ!メキシコを楽しめよ!」
保安官風のおじさんは大きく手を振り、私を送り出してくれた。
・・・・・・・。
なんだったんだ?
大勢の入国審査待ちの人たちを軽々しく追い抜き、
VIPさながらの入国を果たした私は、首を傾げながらメキシコ入国のゲートをくぐった。
* * *
せせせせセブンイレブンが!!!!!!!
空港内に!!!!!!!
なんだか妙にテンションが上がって入店。
何を買うでもないのにウロウロして、はたと気付く。
私まだメキシコの通貨持ってないわ…
と、踵を返し隣の銀行でとりあえず適当な金額のメキシコ・ペソを引き出した。
さて、どうやって市内に行こうかな…
電車とかあるのかな~バスかな~タクシー安いかな~
と、空港内を所在無げにうろうろしていると、何だか仕事終わり風のおねーさんが話し掛けて来た。
「一人できたの?」「日本人?」などという会話をしながら2人で歩く。
なんだか明るくて面倒見の良さそうなおねーさんだ。
「この空港から市内へは、タクシーが一番楽チンよ!そんなに高くないわ。
タクシー会社はたくさんあるけど、ここが一番安いわよ。」
そう言って私をタクシーカウンターに連れて行ってくれる。
「どこに行きたいの?」
と聞かれたので、ペンション・アミーゴのフライヤーを渡した。
おねーさんがタクシー会社のおじさんと何やら交渉してくれている。
電卓の中の数字が、どんどん下がっていく。
おねーさんすごい。どんどん値切ってくれてる。
そうして、多分現地人価格で、私はタクシーに乗れることになった。
タクシーの券を貰ったあとは、おねーさんと一緒に煙草休憩して、乗り場まで案内してもらい、お別れした。
「バイバイ、アミーゴ!メキシコは楽しい国よ!」
「グラッシアス!ムチャス・グラッシアス!アミーゴ!」
私はタクシーに乗り込み、発車した。
おねーさんはずっと手を振ってくれていた。
いろんな人に助けられ、思っていたより簡単にペンション・アミーゴに到着してしまった。
なんと感謝したらいいのやら。
無事チェックインすることも出来、部屋に荷物を置いて、空腹を満たす為町に出た。
メキシコと言ったらやっぱりタコスでしょ!
タコス頬張りつつ、今後の進路について想いを馳せる――。
メキシコ、大好きな国になる予感がする。
人は皆明るくて、優しくて、もうすでに、大好きだな。
3月10日、明日からの旅への期待を膨らませ、眠りにつく。
次の日にまさか、母国であんなことが起こるなんて、夢にも見なかった。
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