ワールドウォッチャーの『世界に喝!』 -144ページ目

ワールドウォッチャーの『世界に喝!』

現中国在住、全世界を飛び回ってきた元商社マンが酔った勢いで物申す。偏屈斎!

  日曜に東風日産の巨大工場正門の真ん前にある賃貸マンションに引っ越した。引越しは土曜日の午後二時半から始まった。当日は暴風雨、なんだってこんな日に雨が降るんだ、しかも風交じり。

ベランダから黒雲が風で流れているのを見ながら思案しているとスマホの呼び出し音がした。会社の総務からすでにワーカーたちが外で待っていると、馬鹿な、いまにも雨が降ろうとしているのにナゼもっと早く知らせないんだ、予定の二時より20分も経過しているではないかと文句は言ってみたが、一刻の猶予もできない。




荷物はすでにと云うか、もう一か月前にはほぼ完了している。先週の木曜に会社の科長から部屋が見つかったとのご注進があったので、早速マンションが群立している団地の不動産屋に出かけた。部屋のサイズはいままでの部屋とほぼ同じで寝室が二つにリビングとキッチンにトイレ・バス(シャワーのみ)。一人住まいであれば十分だろう。金曜にラオバンと総務の三人で同行し契約完了。なんとこの不動産屋で働いている女性三名は会社の科長連中のカミさんたちだった。





ワーカーたち四人が荷物を会社の小型トラックに積み込んでいると突然大雨が降ってきた。吾輩の蔵書は大丈夫だろうか、ダンボール箱で二十数箱ある。ベランダでタバコを吸っていたが、気になって階下におりた。ワーカーたちはトラックにシートを被せて玄関に屯して雨宿りし、本の入ったダンボールは玄関内にあった。なかなか気が利いていると感心し、持って降りた飲料水とタバコの入ったビニール袋を渡した。躊躇しながら遠慮がちに袋を受け取ったのを見て、可愛いじゃないかと苦笑い。

雨が少し小降りになったので作業を開始、部屋の中から荷物を全て階下に降ろした頃には四時を過ぎていた。後は三人に任せて、ワーカー(班長)の一人とタクシーで新居に向かった。通勤路の途中にある鉄橋の工事で迂回するのだが渋滞で引越し先の団地に着いたのが五時すぎ。クルマが進入する地下駐車場の位置が分からないので、開店していない店舗の軒下で班長と雨宿りし、班長はケータイで問い合わせし、吾輩はぼんやりタバコを吸っていた。雨は益々激しくなり、班長が斥候よろしく様子を見てくると雨の中を飛び出していった。

十分ほどして班長は戻り、こちらで待機していてくださいと数軒先のSPAに案内し、再び雨の中を飛び出していった。店の女性がどうぞと椅子を出し、お茶も持ってきた。再び感心。SPAで三十分ほど待っていると班長が戻り、トラックが来た旨知らせた。トラックに乗り移り、地下駐車場をようやく見つけ、地下に下りる途中の入り口で大きな音がした。荷台に立てかけた本棚が入り口の天井にぶつかったのだ。運転していたワーカー(設備部)が本棚を寝かせ、ようやく部屋のある地下エレベータにたどり着いた。荷台のシートを取ると、案の定荷物は全て、ダンボール箱もぐっしょり濡れていた。

吾輩はとりあえず部屋の様子を見にエレベータで上がり、部屋を確認して戻ると運転手も班長もいなくなっていた。


つづく