これ以上読むのが辛い・・・、もう読みたくない・・・。
始まったばかりの2人を引き裂く残酷な瞬間を、そしてそれを実施した1人の人間のなんとも人間らしい葛藤を目にした時、
これから起こるであろう悲劇を確かめるのがとても憂鬱になり、次のページをめくるほんの少しの動作すら、耐え難くなりました。
物語の中にも関わらず、この2人の幸せを壊したくなくて、もうここで読むのを止めてしまおうかと思いました。そうすれば少なくとも、ぼくの記憶の中では、理解しあった幸せな2人の物語で終わるから・・・。
お互いにとって、お互いが最高の理解者であることを、ほんの数回しか会っていないにも関わらず感じ取っている2人なのに、どうしてこんなことになってしまうのか。
ともすれば自分自身もまだ、言語化できていないような曖昧で繊細なもの、
なかなか人には共感してもらえなくても、でも確かに自分の心の中にあって大切にしている感覚、
そしてそれこをそ本当は理解して欲しいと願いつつも、その難しさや面倒くささゆえに半ば諦めているような、
そういうものを一瞬で理解し、共感し、解き放ってくれるようなパートナーとの出会いが、いかに得難いものか!
そういう2人の暖かな未来を、一瞬で消し飛ばしてしまう展開に、すごく苦しくなりました。
それほど登場人物に感情移入していたことが、むしろこの2人がどうなるのかを早く知りたいという気持ちにつながり、本を置くことを許してくれませんでした。こんなにも、ずっとこの世界の中に浸っていたいと思った本は稀有です。
作者の平野さんの日本語の表現力、音楽や世界情勢についての知識の深さ、そうしたものも合間って、「この話を理解したい!!」という欲求が止まらなかった一冊でした。そして、様々な問いが頭の中に浮かんで、未だに消えません。
この本に出会えたことで、ぼくの世界はより豊かになったと感じています。
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相内 洋輔
