一般社団法人の基金は、株式会社の資本のような位置づけと考えられております。ただ、基金拠出をしたからといって、議決権があるわけではなく、理事や社員になる権利や義務があるわけでもありません。
一般社団法人法131条では、基金について、「拠出者に対してこの法律及び当該一般社団法人と当該拠出者との間の合意の定めるところに従い返還義務(金銭以外の財産については、拠出時の当該財産の価額に相当する金銭の返還義務)を負うもの」と定められています。
つまりは、債権(一般社団法人から見た場合は、債務)なんですね。
ただ、一般社団法人施行規則31条では、「基金の総額及び代替基金は、貸借対照表の純資産の部に計上しなければならない」と規定されており、「基金の返還に係る債務の額は、貸借対照表の負債の部に計上することができない」とされています。 法律上は債権と言いながら、良く分からんですね。
基金の返還債権には、利息を付すことができません(一般社団法人法143条)し、代替基金を計上しなければ返還できません(一般社団法人法144条)。破産手続きにおいては、約定劣後破産債権に後れるとなっており、いわゆる最劣後の債権となります(一般社団法人法145条)。
清算手続きにおいても、他の債務の弁済がされた後でなければ、基金の返還に係る債務の弁済はできないとされてます(一般社団法人法236条)
では、一般社団法人が負担している債務を弁済し、基金の返還に係る債務を全部弁済できれば良いのですが、基金全額を弁済できない場合、基金の拠出者から債務免除(債権放棄)を受ける必要があるのでしょうか。
実務上は、基金拠出者が拠出した基金により、一般社団法人の運営は行われます。特に営利を目的としない場合、当然に収益は期待できません(仮に収益があがっても、金商法の関係で拠出した基金を超えて返還することはありません)。そのため、清算時に基金拠出者から債務免除などの明確な意思表示をしてもらうことは、ちょっと考えにくいところです。
基金の返還額を通知して清算結了することを基金拠出者に報告することで、黙示の承諾を得ていると考えることは可能でしょうかねぇ。