中小の技能工、産学で育成──「団塊」大量退職に備え、金型や鋳造で実習交え講座(1月13日)
【写真】大阪産業大学が昨年実験的に開いた工場実習(大阪府大東市の明星金属工業)
団塊の世代が大量に退職し、製造現場の技能が引き継がれなくなる「2007年問題」対策として、大阪府内の大手製造業、大学が協力し、中小製造業の技能工を育てる講座を相次いで開く。自動車部品の金型製造、家電製品組み立て、鋳造など特色のある現場実習を組み込み、府内に多い中小の機械金属加工業の技能継承を支援する。
大阪産業大学(本部大東市)は18日、「デジタルものづくり講座」を開く。松下電器産業、自動車の車体金型を製造する明星(めいせい)金属工業(同市、上田幸司社長)などが協力する。
コンピューターによる設計・製造・エンジニアリング(CAD・CAM・CAE)を教え、中堅・中小製造業の納期短縮や品質向上を図る。松下、明星はCAD活用例を紹介し、工場で金型製作もする。15日間で受講費は1社30万円。
事務局のオーエスユーテクノロジー(同市)の大橋江利架社長は「最終日に受講生が成果を発表するので経営者に見てほしい」と話している。
関西生産性本部は7月、大阪工業大学(本部大阪市)と「“ものづくり改革プロ”育成コース」を開く。松下、油圧シリンダー製造の堀内機械(堺市、堀内昭正社長)などが協力する。
工場や製造現場の無駄を見つけ、即座に解決できる人材を育てる。このため受講生は模擬生産ラインや実習先工場で作業を実際に改善する。
模擬生産ラインは同大の「ものづくりマネジメントセンター」に設け、松下が掃除機の吸い込み口(床ノズル)を提供する。演習として受講生10人程度が1チームを組み、床ノズルを1時間に120個組み立てる。
「通常は60個程度しか組み立てられず、作業を改善しないと演習は終わらない」(関西生産性本部)という。コースは14日間で一般の受講費59万8500円。2月から募集し、定員24人。
日本鋳造協会(東京)は全国4地域で鋳造現場を統括・管理できる技術者を養成している。近畿では07年度、近畿大学鋳造中核人材育成ナショナルセンター(東大阪市)に拠点を設け、クボタが協力する。6月から研修を始める計画だ。
堺・泉北臨海工業地帯で操業する三井化学など9社と自治体が組織する堺・泉北ベイエリア新産業創生協議会は大阪府立大学(本部堺市)と連携し、技能工を育てる。
