ものづくり技術、維持・継承へ 熟練技能者集団「あいちの匠」創設
愛知県は産業経済を支えるものづくり技術の継承のため、県内の「現代の名工」らでつくる高度な熟練技能者集団「あいちの匠(たくみ)」を創設する。全国でもトップレベルの人材を活用し、企業や教育現場での技術指導力を向上させる。
あいちの匠は、2007年度に新設する「愛知版マイスター(巨匠)」と、06年度に始めた「OB熟練技能士」を合わせた総称。マイスターは「高度技能の伝道師」、熟練技能士は「実践的な技能指導者」の役割をそれぞれ担う。団塊世代の熟練技能者が大量退職期を迎え、若者のものづくり離れが進む中で、県は産業経済の根幹である技能の維持・継承を図る。
愛知版マイスターは、現代の名工や全国的な技能大会優勝者の「技能マイスター」▽伝統工芸士の「技の匠」▽中小企業経営者らの「人づくりの匠」-の3種類で、計10数人を知事が認証する。
中小企業を中心に全国的な技能大会のメダリストの養成や、工業高校などでの講義、教師向けの指導方法伝授、イベントでの講演活動などに当たってもらう。県は自己研さんなどに充てる活動費の支給も検討している。
同様のマイスター制度は、静岡など4県と3政令市が導入しているが、大半は1級技能士の資格が条件。愛知県内には1級技能士が全国最多の9万7000人余もいる層の厚さがあるため、県は厚生労働大臣表彰の「現代の名工」などを認証の条件とし、ハイレベルの技術指導を目指す。
06年度から始まったOB熟練技能士には現在、100人の目標に対し、大手企業などを退職した現代の名工や1級技能士ら39人が登録。中小企業の現場などで指導しているが、県は07年度からは小中学校に出向き、課外授業でものづくりの体験指導にもあたってもらう方針だ。
中日新聞 2007.4.1