介護保険拡大 議論再開、早くも賛否 同じ顔触れ、平行線濃厚
≪今回こそ…≫
現行の対象年齢は保険料徴収が四十歳以上、受給が原則六十五歳以上。対象年齢の拡大をめぐる議論は、平成十六年十二月に厚生労働相の諮問機関「社会保障審議会」が意見書をまとめて以来だ。議論を再開したのは、十七年に成立した改正介護保険法に「平成二十一年度をめどに所要の措置を講ずる」との付則が盛り込まれ、国会で、検討機関を新設して十八年度末までに結論を得るとしたのを受けたものだ。
介護利用者数は伸び続けている。サービスの総費用は毎年約10%増加し、制度が発足した十二年度は三・六兆円だったものが、十七年度には六・八兆円にまで膨らんでいる。厚労省は十六年の議論で、保険料の徴収対象年齢を「二十歳以上」に拡大したうえで、障害者施策との統合を図り、ゼロ歳から制度を利用できる案を提示した。今回もこれを基本に、「二十五歳以上」や「三十歳以上」とする案を中心に議論を進める方針だ。
厚労省は、介護財政の安定のためには支え手を増やすことが不可避だとの認識でおり、年内に有識者会議が結論をまとめれば、早ければ十九年の通常国会に改正法案を提出する考えだ。
≪医療に続き…≫
だが、議論は難航しそうだ。サラリーマンの保険料は会社が半分を負担するため、前回十六年の社会保障審議会の議論では、経済界が「企業経営への影響が大きい」と反発。介護保険を運営する市町村からも「若者世代の理解を得ないままの導入は保険料未納につながる」との慎重論が相次ぎ、障害者団体の意見にもバラつきがみられた。
今回の有識者会議の顔ぶれは、日本経団連や連合、全国市長会の代表、大学教授など、前回のメンバーと大きな違いはない。こうした構成を反映し、六日の初会合では「税制改正や、年金保険料の引き上げなど現役世代に追加負担の余地はない」(日本経団連)といった批判意見が相次いだ。今後の議論が再び平行線をたどる可能性は大きい。
十八年四月に施行される障害者自立支援法により、障害者福祉サービスは利用者の一割負担となるなど、介護保険と似た仕組みに改められ、「介護保険制度と障害者施策の統合環境は整った」(自民党中堅)ともされる。しかし、障害者施策が頻繁に変更されることに対する批判もある。
参院選を来年に控え、与党内には「医療で負担増を求めたばかり。介護もとなれば国民の理解は簡単には得られない」との懸念もある。
介護保険の対象拡大、賛否両論で有識者会議スタート
厚生労働省は6日、介護保険制度の保険料負担者とサービス受給者の範囲見直しに関する有識者会議(座長=京極高宣・国立社会保障・人口問題研究所長)の初会合を開いた。 対象者の範囲拡大は昨年6月に成立した改正介護保険法で実施が見送られたが、引き続き検討することを明記した同法の付則に基づき、同会議が設置された。約1年間議論し、来年度末に意見集約する予定。 同会議は老健局長などの私的検討会で、福祉、自治体、経済団体の代表など14人で構成。初会合では、「介護ニーズは年齢に関係ない。何歳でも使える制度にすべきだ」(連合)、「保険料を新たに支払うことになる現役層は、税制改革などで既に負担が重い」(経団連)など、賛否両論が飛び交った。 厚労省は昨年の介護保険法改正で、40歳以上となっている現行の保険料負担者とサービス受給者を40歳未満に拡大し、急増する介護費用の財源を確保をするとともに、若い障害者の介護も充実させる方針だった。しかし、保険料の半分を負担する企業の反発や、介護保険や障害者福祉の給付の無駄を省くことが先決といった意見が根強く、実現しなかった。 改正介護保険法の付則では、「社会保障の一体的見直しと併せて検討し、その結果に基づき、09年度をめどに所要の措置を講じる」と規定されている。(読売新聞) - 3月6日20時4分更新
介護保険の拡大で初会合 賛成の一方、消極論も
厚生労働省は6日、介護保険の保険料を負担する年齢を現在の40歳以上から引き下げ、サービス給付も65歳未満の障害者などに広げることを検討する「介護保険制度の被保険者・受給者範囲に関する有識者会議」の初会合を開いた。2006年度中に論点を整理し、09年度の次期改正に反映させたい考えだ。
初会合では、「介護を受けるリスクに年齢は関係ない」として、範囲拡大に賛成する意見が出される一方で、「年金や税制改正など現役世代の負担が増える中、余力があるかどうか疑問」などの慎重意見も出された。
範囲拡大については、昨年成立した改正介護保険法の付則で「社会保障制度の一体的な見直しと併せて検討し、2009年度をめどに所要の措置を講じる」とされた。