改正介護保険法/正念場の在宅福祉事業 | WORK-LINK
| [2006年02月16日付] |
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改正介護保険法が4月1日に施行される。改正では制度見直しと併せ、事業者に支払われる報酬額も変更された。介護保険は発足以来、利用者が増え続けており、限られた財源を有効に使うシステムにすることが課題だった。このため、報酬額を全体で2.4%引き下げた上で、軽度者向けサービスの報酬を低く設定し、中重度者向けを手厚く配分した。保険料上昇を抑えつつ、介護保険制度を維持するには妥当な対応といえるが、在宅系事業者の経営が厳しくなることが予想されるなど、問題点を含んでいる。
改正の柱は▽中重度者の支援を強化、施設から在宅介護への誘導▽軽度者向けの介護予防サービス▽サービスの質向上▽医療と介護の連携――など。特別養護老人ホームなどの施設サービスは一人当たりの給付費が高いので、在宅介護が進めば介護給付費の抑制につながる。施設利用者は中重度者が多く、医療と介護の連携も必要になる。
裏返せば、JAや生協など介護度の低い利用者を多く抱え、医療手段を持たない在宅系サービスの事業者にとっては、厳しい内容といえる。JA全中は、一JA当たり2割程度減収になるとみている。日本生協連、日本在宅介護協会などの民間事業者も、ほぼ同様に減収すると試算する。
介護計画を作るケアマネジャーの報酬にも課題がある。現行は一律で一件当たり8500円。改正後は一件の単価は上がり、要介護1、2でさえ1万円になる場合もある。ところが、現実は総収入が減る恐れもある。全中によると、JAが抱えるケアマネジャーは平均で40人分を受け持つ。このうち6割が、介護予防サービスの対象者となる。介護予防は報酬が1件4000円で、しかも8人が限度となる。大まかな試算だが、現行の月額34万円が、改正後は23万円と大幅ダウンになってしまう。
家庭的なサービスが魅力の「小規模多機能型居宅介護」や、認知症対応型の在宅サービスもできた。事業者にとってビジネスチャンスではある。しかし、1月に長崎県のグループホームで、お年寄りが死亡した火災が起きたように、中重度者の受け入れはリスクが大きい。基準以上に人員を配置しても万全とは言い切れない。
事業者が健全な経営ができなければサービスの質が低下し、利用者が不利益を被る。今回の改正はこうした危険性をはらんでいる。ただ、サービスの質向上の取り組みに加算する項目などもあり、かじ取り次第で経営が上向く要素もある。介護保険制度開始から6年、事業者の淘汰(とうた)時代に入った。だからこそ、農村部で協同組合精神を土台とするJAの福祉事業の役割は一層高まる。JAにとって次回報酬改定までの3年間、福祉事業が地域住民に欠かせない存在として定着するかどうかが試される。
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| (2月16日論説) |

