診療報酬改定案を答申 4月1日から実施
中央社会保険医療協議会(中医協)は15日開いた総会で、在宅医療の推進、小児科や救急医療の強化、病院と診療所の初診料統一などを柱とする2006年度の診療報酬改定案を川崎二郎厚生労働相に答申した。改定は告示を経て、一部を除き4月1日から実施される。
一定の条件下で喫煙者に禁煙指導を行う「ニコチン依存症管理料」を、公的医療保険の給付対象とするかどうかについては、同日の総会でも賛否が分かれた。結果として保険適用とされたが、「導入後の検証作業を通じ、さらなる国民的なコンセンサスの形成に努める」などの付帯意見も盛り込まれた。
厚生労働省は15日午前、中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)に、06年度診療報酬改定案の全体像を示した。初診料を病院(ベッド数20以上)と診療所(同20未満)で統一することや、小児医療の重点化などが柱で、禁煙希望者への治療に保険を適用し「ニコチン依存症管理料」(初回2300円)を新設する。同日午後、了承の見通し。4月1日から原則実施となる。
06年度改定は、医師の技術料などの「本体」を過去最大の1.36%引き下げることが既に決まっている。全体像はこれを受けたもので、医師不足や偏在が目立つ小児、産科、救急医療や、在宅医療などの重点項目を引き上げる(0.44%増、医療費ベースで1475億円増)一方、慢性病での入院、検査、初診・再診料などの項目を引き下げる(1.8%減、同5990億円減)ことで、メリハリをつけたと厚労省は説明している。
現行の初診料は、病院2550円、診療所2740円。この「格差」は92年度、病院が外来患者を受け入れた際の利幅を薄くし、大病院への患者集中を是正する目的で設けられた。当時は患者の窓口負担がこの1割と低く、初診料が高くても診療所に一定の患者を誘導できたが、その後窓口負担が2割や3割へアップし、逆に患者が初診料の安い病院に集中する傾向が定着した。
そこで同省は初診料の格差をなくして2700円で統一する一方、再診料も病院570円(現行580円)、診療所710円(同730円)と差を縮め、大病院の「3時間待ち3分診療」の是正を図る。これにより、診療所での患者の窓口負担は基本的に軽くなる。
また、小児を24時間診療できる体制を敷き、夜間診療に4500円の加算を設け、心臓移植手術など高度先進医療8技術に保険を適用する。手術などで1食しか食べなくとも一日単位(1920円など)となっている入院時の食事費を一食単位で640円とするなど、入院関連費のカットも並べた。医療機関に医療費の内容が分かる領収書発行義務付けなども盛り込んだ。【吉田啓志】
■06年度診療報酬改定のポイント■
▽病院と診療所の初診料を統一し、再診料の差を縮小
▽禁煙治療にニコチン依存症管理料新設(初回2300円、2~4回目1840円など)
▽24時間体制の在宅療養支援診療所に報酬加算
▽乳幼児深夜加算など小児医療への評価
▽リスクの高い分娩妊産婦の入院基本料への加算新設(1日1万円)
▽臓器移植への保険適用
心臓移植104万1000円/死体肺移植91万8000円/死体肝移植108万6000円/死体すい臓移植88万6000円
▽透析医療の見直し(外来管理料を2万4600円から2万3050円へなど)
▽コンタクトレンズ利用者の眼科検査料見直し
▽入院時食費を1日単位(1920円など)から1食単位(640円など)へ
▽後発医薬品普及に向け、処方せん様式を変更
▽医療費の内容が分かる領収書の無償交付を医療機関に義務付け
▽診療報酬明細書の電算化システム導入などIT化加算新設(30円)06年度診療報酬改定案を答申=中医協
中央社会保険医療協議会(中医協)は15日午後、2006年度診療報酬改定案を川崎二郎厚生労働相に答申した。厚労省は改定内容を告示した上、一部を除き4月から実施する。引き下げ幅は過去最大の3.16%で、病院と診療所の再診料やコンタクトレンズの過剰検査防止に向けた検査料の引き下げなどで対応する。
調整が難航していたニコチン依存症の患者に対する禁煙指導への保険適用については、「保険導入効果の検証作業を通じ、さらなる国民的なコンセンサス形成に努める」との意見を付けた上で認めた。
一定の条件下で喫煙者に禁煙指導を行う「ニコチン依存症管理料」を、公的医療保険の給付対象とするかどうかについては、同日の総会でも賛否が分かれた。結果として保険適用とされたが、「導入後の検証作業を通じ、さらなる国民的なコンセンサスの形成に努める」などの付帯意見も盛り込まれた。
(共同通信) - 2月15日20時33分更新
<診療報酬改定案>初診料統一、小児医療の重点化など柱に厚生労働省は15日午前、中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)に、06年度診療報酬改定案の全体像を示した。初診料を病院(ベッド数20以上)と診療所(同20未満)で統一することや、小児医療の重点化などが柱で、禁煙希望者への治療に保険を適用し「ニコチン依存症管理料」(初回2300円)を新設する。同日午後、了承の見通し。4月1日から原則実施となる。
06年度改定は、医師の技術料などの「本体」を過去最大の1.36%引き下げることが既に決まっている。全体像はこれを受けたもので、医師不足や偏在が目立つ小児、産科、救急医療や、在宅医療などの重点項目を引き上げる(0.44%増、医療費ベースで1475億円増)一方、慢性病での入院、検査、初診・再診料などの項目を引き下げる(1.8%減、同5990億円減)ことで、メリハリをつけたと厚労省は説明している。
現行の初診料は、病院2550円、診療所2740円。この「格差」は92年度、病院が外来患者を受け入れた際の利幅を薄くし、大病院への患者集中を是正する目的で設けられた。当時は患者の窓口負担がこの1割と低く、初診料が高くても診療所に一定の患者を誘導できたが、その後窓口負担が2割や3割へアップし、逆に患者が初診料の安い病院に集中する傾向が定着した。
そこで同省は初診料の格差をなくして2700円で統一する一方、再診料も病院570円(現行580円)、診療所710円(同730円)と差を縮め、大病院の「3時間待ち3分診療」の是正を図る。これにより、診療所での患者の窓口負担は基本的に軽くなる。
また、小児を24時間診療できる体制を敷き、夜間診療に4500円の加算を設け、心臓移植手術など高度先進医療8技術に保険を適用する。手術などで1食しか食べなくとも一日単位(1920円など)となっている入院時の食事費を一食単位で640円とするなど、入院関連費のカットも並べた。医療機関に医療費の内容が分かる領収書発行義務付けなども盛り込んだ。【吉田啓志】
■06年度診療報酬改定のポイント■
▽病院と診療所の初診料を統一し、再診料の差を縮小
▽禁煙治療にニコチン依存症管理料新設(初回2300円、2~4回目1840円など)
▽24時間体制の在宅療養支援診療所に報酬加算
▽乳幼児深夜加算など小児医療への評価
▽リスクの高い分娩妊産婦の入院基本料への加算新設(1日1万円)
▽臓器移植への保険適用
心臓移植104万1000円/死体肺移植91万8000円/死体肝移植108万6000円/死体すい臓移植88万6000円
▽透析医療の見直し(外来管理料を2万4600円から2万3050円へなど)
▽コンタクトレンズ利用者の眼科検査料見直し
▽入院時食費を1日単位(1920円など)から1食単位(640円など)へ
▽後発医薬品普及に向け、処方せん様式を変更
▽医療費の内容が分かる領収書の無償交付を医療機関に義務付け
▽診療報酬明細書の電算化システム導入などIT化加算新設(30円)
(毎日新聞) - 2月15日12時8分更新
在宅療養の支援を新設 06年度診療報酬改定
中央社会保険医療協議会(中医協)は15日、2006年度の診療報酬改定案を公表した。昨年の政府、与党の医療制度改革大綱に沿って在宅医療を推進するため、在宅療養支援の制度を新設した。診療報酬全体は昨年末の予算編成で3・16%の引き下げが決まったが、改定案では救急医療や小児医療など、改革大綱が重視した分野は引き上げた。
同日中に川崎二郎厚生労働相に改定案を答申、一部を除き4月1日から実施される。改定はほぼ2年ごとに行われ、前回は04年度。
改定案では、病院(ベッド数20床以上)と医院など診療所(20床未満)の初、再診料の格差を是正。初診料は、現在病院の2550円を引き上げ、診療所の2740円を引き下げて2700円に統一した。
患者は1-3割を窓口で支払うため、診療報酬引き上げは支払い増、引き下げは支払い減につながる。病院を引き上げることで、比較的症状の軽い患者が診療所に向かうよう促し、病院と診療所の役割分担を明確にする。
中央社会保険医療協議会(中医協)は15日、2006年度の診療報酬改定案を公表した。昨年の政府、与党の医療制度改革大綱に沿って在宅医療を推進するため、在宅療養支援の制度を新設した。診療報酬全体は昨年末の予算編成で3・16%の引き下げが決まったが、改定案では救急医療や小児医療など、改革大綱が重視した分野は引き上げた。
同日中に川崎二郎厚生労働相に改定案を答申、一部を除き4月1日から実施される。改定はほぼ2年ごとに行われ、前回は04年度。
改定案では、病院(ベッド数20床以上)と医院など診療所(20床未満)の初、再診料の格差を是正。初診料は、現在病院の2550円を引き上げ、診療所の2740円を引き下げて2700円に統一した。
患者は1-3割を窓口で支払うため、診療報酬引き上げは支払い増、引き下げは支払い減につながる。病院を引き上げることで、比較的症状の軽い患者が診療所に向かうよう促し、病院と診療所の役割分担を明確にする。
(共同通信) - 2月15日13時15分更新
再診料下げ、初診2700円統一 「3分診療」是正へ 診療報酬改定案
中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関、中医協)は十五日、平成十八年度の診療報酬改定案の原案をまとめた。政府の医療費伸び率抑制方針を受けて、再診料を引き下げる。診療所では初診料も下げ、外来患者にとって窓口で支払う負担額が軽くなる。中医協は同日、禁煙指導の保険適用など結論が出ていない項目の最終調整を行ったうえで午後にも答申する予定。改定案は四月から実施される。
診療報酬は、診察行為や投薬などの一つ一つの公定価格。政府が予算編成で全体で3・16%の引き下げを決めており、中医協は個々の報酬の見直しを進めてきた。
改定案では、病院(ベッド数二十床以上)と診療所の初診料格差を見直し、病院の現行二千五百五十円と診療所の同二千七百四十円を二千七百円に統一。再診料は病院の現行五百八十円を五百七十円に、診療所の同七百三十円を七百十円(患者の窓口負担は原則三割)に下げる。病院との差を縮めることで、外来患者の病院集中を防ぎ、大病院の「三時間待ち三分診療」を改める狙いがある。
一方、慢性的な医師不足に悩む小児科医療では深夜加算などをアップ。産科についても危険度の高い患者の入院基本料の加算を新設。救急入院料も上げるなど重点分野には手厚く配分する。在宅医療推進に向け、新設する在宅療養支援診療所では往診、訪問看護の報酬を上乗せし、医療の必要性の低い長期入院患者の入院費の報酬は下げる。
また、意見が分かれていた禁煙指導は原案では初回指導料二千三百円、二回目以降は千八百四十円などと明記。医療内容が詳細にわかる領収書の無料発行は義務付けたが、一部委員が求めていた診療報酬明細書(レセプト)並みの詳細な記載の義務付けは見送った。
≪「患者の視点」積極採用≫
平成十八年度の診療報酬改定案では、医療内容の分かる領収書の発行義務付けなど、「患者の視点」に立ったサービスが積極的に取り入れられた。
患者向けサービスの目玉は、医療内容の分かる領収書。日本医師会など診療側委員は難色を示していたが、患者の利便性に配慮し無料で交付することにした。
患者に自分が受けた医療内容を理解させることで、医療費に対するチェック意識を持ってもらい、無駄や不正な診療報酬請求を防ぎ医療費の抑制につなげていくのが狙い。
患者にとっても病気への関心が高まることで、その後の健康管理や病状の進行予防に向けた意識が高まるきっかけになりそうだ。
ただ、診療報酬明細書(レセプト)並みの詳細な領収書は、患者から要望があった場合の努力目標とされ、事実上先送りされた。真の情報開示にはさらに時間がかかりそうだ。
患者の選択の幅を広げるためのセカンドオピニオン(主治医以外の医師の助言)も普及させる。患者の希望によるカルテや検査データといった診療情報提供料を新たに報酬に加えることで、医師側から積極的にセカンドオピニオンを提案する環境を整える。
さらに、比較的価格が安い後発医薬品を普及させるため、処方箋(せん)に後発医薬品への変更が可能かどうかを記す欄を設け、患者が選択できる仕組みに改める。
中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関、中医協)は十五日、平成十八年度の診療報酬改定案の原案をまとめた。政府の医療費伸び率抑制方針を受けて、再診料を引き下げる。診療所では初診料も下げ、外来患者にとって窓口で支払う負担額が軽くなる。中医協は同日、禁煙指導の保険適用など結論が出ていない項目の最終調整を行ったうえで午後にも答申する予定。改定案は四月から実施される。
診療報酬は、診察行為や投薬などの一つ一つの公定価格。政府が予算編成で全体で3・16%の引き下げを決めており、中医協は個々の報酬の見直しを進めてきた。
改定案では、病院(ベッド数二十床以上)と診療所の初診料格差を見直し、病院の現行二千五百五十円と診療所の同二千七百四十円を二千七百円に統一。再診料は病院の現行五百八十円を五百七十円に、診療所の同七百三十円を七百十円(患者の窓口負担は原則三割)に下げる。病院との差を縮めることで、外来患者の病院集中を防ぎ、大病院の「三時間待ち三分診療」を改める狙いがある。
一方、慢性的な医師不足に悩む小児科医療では深夜加算などをアップ。産科についても危険度の高い患者の入院基本料の加算を新設。救急入院料も上げるなど重点分野には手厚く配分する。在宅医療推進に向け、新設する在宅療養支援診療所では往診、訪問看護の報酬を上乗せし、医療の必要性の低い長期入院患者の入院費の報酬は下げる。
また、意見が分かれていた禁煙指導は原案では初回指導料二千三百円、二回目以降は千八百四十円などと明記。医療内容が詳細にわかる領収書の無料発行は義務付けたが、一部委員が求めていた診療報酬明細書(レセプト)並みの詳細な記載の義務付けは見送った。
≪「患者の視点」積極採用≫
平成十八年度の診療報酬改定案では、医療内容の分かる領収書の発行義務付けなど、「患者の視点」に立ったサービスが積極的に取り入れられた。
患者向けサービスの目玉は、医療内容の分かる領収書。日本医師会など診療側委員は難色を示していたが、患者の利便性に配慮し無料で交付することにした。
患者に自分が受けた医療内容を理解させることで、医療費に対するチェック意識を持ってもらい、無駄や不正な診療報酬請求を防ぎ医療費の抑制につなげていくのが狙い。
患者にとっても病気への関心が高まることで、その後の健康管理や病状の進行予防に向けた意識が高まるきっかけになりそうだ。
ただ、診療報酬明細書(レセプト)並みの詳細な領収書は、患者から要望があった場合の努力目標とされ、事実上先送りされた。真の情報開示にはさらに時間がかかりそうだ。
患者の選択の幅を広げるためのセカンドオピニオン(主治医以外の医師の助言)も普及させる。患者の希望によるカルテや検査データといった診療情報提供料を新たに報酬に加えることで、医師側から積極的にセカンドオピニオンを提案する環境を整える。
さらに、比較的価格が安い後発医薬品を普及させるため、処方箋(せん)に後発医薬品への変更が可能かどうかを記す欄を設け、患者が選択できる仕組みに改める。
(産経新聞) - 2月15日16時12分更新
中央社会保険医療協議会(中医協)は15日午後、2006年度診療報酬改定案を川崎二郎厚生労働相に答申した。厚労省は改定内容を告示した上、一部を除き4月から実施する。引き下げ幅は過去最大の3.16%で、病院と診療所の再診料やコンタクトレンズの過剰検査防止に向けた検査料の引き下げなどで対応する。
調整が難航していたニコチン依存症の患者に対する禁煙指導への保険適用については、「保険導入効果の検証作業を通じ、さらなる国民的なコンセンサス形成に努める」との意見を付けた上で認めた。
(時事通信) - 2月15日17時1分更新
<医療領収書>「薬剤名などの明細」義務付け見送る 中医協
中央社会保険医療協議会(中医協)は15日、医療機関に対する領収書発行の義務付けを見送った。検査内容などの記載は、医療機関側の努力義務にとどまり、「薬害防止に」との患者側の期待は、先送りされた。患者代表の中医協委員、勝村久司さんは「残念だが、『努力義務』で第一歩を踏み出したと考えたい」と話している。
中央社会保険医療協議会(中医協)は15日、医療機関に対する領収書発行の義務付けを見送った。検査内容などの記載は、医療機関側の努力義務にとどまり、「薬害防止に」との患者側の期待は、先送りされた。患者代表の中医協委員、勝村久司さんは「残念だが、『努力義務』で第一歩を踏み出したと考えたい」と話している。
(毎日新聞) - 2月15日22時12分更