鬱病 人間ドックで早期発見 問診に共通質問
日本人間ドック学会は、全国の約六百のドック施設に協力を呼びかけ、鬱(うつ)病(びよう)に関する共通質問を受診者への問診に盛り込む方針を固めた。新年度から三年間かけ全施設で毎年約三百万人の受診者を対象に行い、ドックでの鬱病早期発見につなげるとともに、問診結果と他の検査項目との相関関係なども調査する。
厚生労働省によると、鬱病は約十五人に一人が生涯に一度は経験する「心のかぜ」ともいわれ、早期の対策で早く回復する。だが自分自身でも異常に気づかないことが多く、気づいても医療機関の受診をためらうことなどから、鬱病経験者のうち四分の一しか医療機関で受診していないとの報告がある。
人間ドックは問診に加え、胸部エックス線、心電図、血液、尿などの検査で異常の有無を調べ、早期治療につなげる。
同学会が今回、計画するのはこの問診の際に行う鬱病に関する共通質問の実施。(1)鬱病の兆候(2)ストレッサー(ストレスの原因)(3)仕事へのストレス-の有無などを見分ける内容。
具体的には、「気分が沈んでいるか」「何事にも興味がない状態か」などの質問を行い、鬱の判断材料にする。ストレスについては、家庭・職場の人間関係が良好かや仕事が処理できているか-などを担当医が質問をしながら点検する。
受診者に鬱病が疑われる場合は医療機関での治療を勧める。強いストレスは鬱病の原因になるため、受診者に気分転換や休養を促すことになる。
回答は施設ごとにまとめ、学会が全国分を集計。鬱病の実態をみるほか、他の検査結果と鬱病の科学的な関連を分析。鬱病の人の身体にどんな異常が現れやすいかを明らかにする疫学調査にしていく考えだ。同学会は、病気の診断や予防に効果的な問診のあり方を探るため、問診作成委員会を設置して論議。鬱病の共通質問を問診に盛り込む方針を打ち出した。
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【用語解説】鬱病
気分が落ち込んだり何事にも興味を持てなくなったりして日常生活に支障が出る状態。症状は食欲の減退、睡眠障害、疲労感、集中力低下、身体の不定愁訴などだが、自覚に乏しいケースが少なくない。自殺者の多くが鬱病を発症しているとされ、自殺予防の面からも対処が必要。抗鬱薬の投与などで治療が行われる。