「逆境の時にも感謝を」と書くと、修行を積んだ僧侶が説く教えのような印象をもつかもしれない。

しかし私にとってそれは、心が折れてしまわないようにするための生活の知恵である。

なかなか仕事がうまく行かない場合、うまくいったと思ったら大失敗をしてしまった場合など挫折感にさいなまれる経験は多くの人がもっているだろう。生まれてから失敗や敗北の経験が全くないという人はひとたびそれを経験することになるとダメージが測り知れないほど大きいので適度な挫折感は味わったほうがよい。

そうは言っても心が完全に折れてしまって再起不能になってはいけない。そのための生活の知恵が冒頭に掲げた考え方だ。

失敗や敗北が続いている場合、それは自分の行動に改善するべきところがあり、それを気付かせてくれるチャンスなのだと思えば、早く気がついてよかったと思うようになる。

病気を治す場合でも症状を和らげる対症療法では根本的な治癒にはならない。病巣が分かればそれを取り除くことができる。

挫折感を克服しようと戦うのではなく、視点を変えることによって状況を打破するキッカケになるチャンスとなる。