IGP訓練競技会 10倍興味深く見る方法 | 世界を旅する求犬道人 大真面目だ‼

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FMBB 2019 🇨🇿チェコ選手の防衛課目です。

IGP 訓練、一般的には、馴染みの無い訓練です。

日本の、犬訓練と言えば、警察犬、訓練=警察犬となりますね(^^;

欧州では、訓練=IGP  なんです。

この訓練無くして、訓練とは呼ばない、呼べない、そう言っても過言ではありません。

日本は、犬の訓練においては、残念ながら、後進国になります。

ヨーロッパ、アメリカには、遠く及ばないのであります。

批判ではなく、事実なんですね(^^;

足跡追及、服従、防衛、この三つを組み合わせたのがIGP訓練、昨年までは、IPOと呼ばれていましたが、今年から、IGPと呼び方が変わりました。

3課目、と、一口に言っても、それぞれ細かくルールが決められています。

では、IGPの興味深い見方を書いていきましょう(*^^*)

足跡追及は、一般は、現場への同行は出来ないので、結果を知るのは後程です。

服従課目、[オビィディエンス] 日本人は、オビィと呼びます。

オビィディエンスは、このIGP訓練では、非常に見所の多い課目になります。

犬が指導手の左側に付き歩く、脚側歩行、この脚側、単に犬がキチンと左側につくのは当たり前、出来れば、犬の右肩が指導手の脚に密着している事が望ましく、脇腹密着でもダメ、右耳密着でもダメ、当然、右後脚密着でもダメなんですね(^^;

歩く時のリズムは、指導手が犬にリズムを合わせるのではなく、あくまでも、犬が指導手にリズムを合わす、そして犬の歩くリズムも重要で、脚をタッタッタン、タッタッタンと、左右の脚を必要以上にリズムを刻むとこのFMBBでは、減点になります。

自然体かつリズムかるに、歩ける必要が求められます。

これ、難しいですね(^^;

(^○^)普通に歩け!

と言っても、服従意欲の高い犬、エネルギーの高い犬になればなるほど、リズム感が激しくなり、ビートを刻む様に歩きだします。
それを抑えて、自然体でリズムかるに、と犬に仕込むのは酷ですよね(^^;

いわば真逆の事をやれ、と、ルールは決められているんですね(^^;

静かなる闘志とでも言いましょうか、意欲もエネルギーも満ち溢れているのに、バンバンに犬自身が我を抑えて脚側する、
これぞ、服従ですね!

早く行きたい、進みたい、勇み足になるのを抑えて指導手に合わせて歩く、指導手の顔を見上げ歩調を合わせて歩く、指導手と犬にしかわからない空間がそこには、有るんですね(^^;

早く行きすぎるな、離れるな、前脚を必要以上にリズム刻むな、等、脚側だけでも、見所は満載です(^^;

休止、[ロングダウン] 約10数分間伏せた状態で約20メートル放れたパトロールテントに指導手は入ります。

犬は伏せた状態から動かずに、じっと待機、優秀な犬は、指導手が隠れているテントから目線が外れる時間がほとんどありません。

これも、服従性を非常に表します。
モチベーション [期待]が大きいほど犬は次なるモノを待ちます。そのモノが何かは、それぞれの指導手のテクニックの域です。

休止の間中、キョロキョロする犬、伏せから脚を崩す犬、動ける範囲で鼻を地面に付けクンクンする犬、この休止中の姿勢も当然ジャッジされていきます。

この時に、坊んさんが屁をこいた!

動いたらアウト! 的な遊びが有りますが、犬が気が付いたらテントにズンズン近付いていく、または、匍匐前進ばりに進む、等、地方大会や、日本のIGP選考会ではちょいちょい見掛けます。

さすがに、FMBBのワールド大会では、見かけませんが、友人が競技している時の休止時は、動くなよ、動くなよ、と、ハラハラしながら見ているのが心境です(^^;

笑いを取るなら、坊さんが屁をこいた!と、指導手が覗き犬を見る、犬動かない、坊さんが屁をこいた!と発している途中にテントの直ぐ直ぐ側にまで来る、こんなやり取りが有れば爆笑ですが、本番でそんな事やられたら真っ青です(・・;)
動く? 動かない? まさか、匍匐前進する?
なんて、思いながら観ていると、犬の仕草や行動が可愛いなぁ、と思える瞬間です(*^^*)

次に、ダンベルの持来、普通に投てきしての持来、ハードル飛越、三角板飛越、と、三つの作業があります。
この作業の注意点は、いかにスムーズに早くダンベルを持来出来るか、そして、そのダンベルを指導手正面に持来し、座る、指導手に渡す、この時、指導手が取りにいく動作が大きければ減点です。
指導手が犬の口に加えているダンベルを挟む様に受けます。
それを、犬が口を開け頭を引き渡す、要するに、無駄な動作をせずに、静かに一連の作業をこなす。この持来作業を見ていると、指導手と犬の呼吸が合ってこそ、初めて美しい流れ作業がされている事が分かります。
命令での声掛けは、ダンベルを投てき後、行け、持って来い、だけが許されます。
持来中は、声を掛けません。

ダメな例は、ハードルを越えず横を抜ける、三角板を越えず、横をすり抜ける、持来後、指導手にダンベルを渡すのを嫌がる、スムーズに渡さない、等です。


次に、前進 目標物の無い前に走り出し、約40メートルから50メートル進んだ辺りで伏せの命令を掛けます。

素早く伏せる、これが実に難しい‼️

横道それる犬、のんびり走る犬、脚側行進、休止、ダンベル持来、上手くこなしていたのに、前進で失敗、実に多いパターンです。

当然ですよね(^^;

目標物が無いのに、前に全速力で走り、伏せの命令で素早く伏せる、

真っ直ぐ直線に全速力で走らなければいけません。

難しいですね(^^;

どのように仕込むのでしょうか?

それもまた、人それぞれの工夫やテクニックが有るのでしょうね(^^;

こうして、服従課目が形成されていますが、全てに通じるのは、やはり、期待、犬がいかに期待を持ち作業に没頭しているか、また、いかに、その期待を犬にインプットさせているか、

この、期待という名のモチベーションがどの様に維持され、作業に集中しているか、服従課目の醍醐味は、静と動の組み合わせなるものが、いかに、マッチングしているか、このマッチングが上手く出来てこそ、高得点へと結びつけるのだと、強く感じます。

服従課目、10倍興味深く見る方法は、なんと言っても、静と動、この真逆を自分なりに分析しながら観てみて下さい(*^^*)

そうすると、犬の能力、犬の心理、指導手の心理、まで、見えて来ます(*^^*)

そして、何よりも、自分が、犬になった気持ちで観ると、必ず、10倍興味深く見る事が出来るはずですので(^^;(*^^*)(^^;

では、続く…

次は、防衛課目です。

おやすみなさい…