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時は流れ、小学5年生になった頃、神戸のいとこの家に長女の姉が結婚するという事で、親に連れられ行った時の事、飼っていたヨークシャテリア、メスを連れて行けなくなるから、飼うか?
と、叔母から言われ、私は二つ返事で、飼いたい、横にいた母は、あかん、と大阪弁ですぐ様駄目だと言う、叔母は犬好きの私の事はよく理解しており、なんでや、面倒ちゃんとみるって言うとおで!!
私の名前を呼び、なぁ、と言う、うん、ちゃんとみる、小さい犬やから、大丈夫や、これぐらい飼わしてやり、その勢いに負けた母が、みれるんか?
みいひんかったら直ぐに返すで!
私、みる、ちゃんとみる、
そこから、初めて、ヨークシャテリアという犬を飼いだす事になったんです。
初めての犬、念願の犬、飼える事の喜びは、まさに、正月も遠足も夏休みもいっぺんに来たほどの喜びです。
帰りの車の中、抱っこしているミッキー、ヨークシャテリアの名前、が、顔をペロペロペロペロ舐めてくれる、小学低学年の時に初めて感じた愛しいという気持ちが、身体全身を包む様に
愛しさと喜びが駆け巡る
大阪の自宅に着く頃、喜びから不安に変わる…
理由は、父、返せ!と、言うんちがうかな…
ただいま、と、不安げな母の顔、親戚の叔父も一緒にいましたが、犬を抱く私を見て、父の一声は、なんしに連れて帰ってきたんや!と、母に言い出す
連れて来たんやからもう返されへんわ
と母が言う
いらん言うたらいらん、返してこい、
動物嫌いの昭和一桁人間の父、犬や猫に情など持たない典型的な昔の人間…
犬は家の外、家に上げるなんぞけしからん、と言う考えの人、
私が初めて、父親を軽蔑した出来事が、この時でした。
返せへん、返すんやったらボクも出て行く、本気で、ミッキーを連れて、近くの布施公園で寝る覚悟でした。
なんとかこの日は親戚の叔父の説得もあり、しばらく様子をみてやれば良い、ダメならワシが飼うと言ってくれ、父もしぶしぶ了承することに…
一緒に寝る事は許されず、玄関の中ではあるが、コンクリートの上に段ボールの箱にタオルを入れて寝かす事に、
部屋の中で暮らして来たミッキーの、初めての段ボール箱寝、
おとなしく寝る訳がないミッキーに、父の容赦ないうるさい、と、怒鳴る声と脅す態度、
ミッキーが可哀想、もう怒らんといて!!
玄関に行き、静かにして、寝て、と言いながらしばらく身体を触りなぜてやっていた事、
未だに鮮明に覚えています。
これが初めて抱く、心底からの父親に対する怒りと、ミッキーを想う気持ちから湧いてきた、小学生ではどうする事も出来ない哀しみの現実でした。
11歳、犬から与えられた喜怒哀楽の、怒哀です。