国立歴史民俗博物館 続きです。
第1展示室(先史・古代)の中にある独立した小部屋の「沖ノ島」コーナーの脇に
細長い小さな展示コーナーがありました。
第1展示室のミニ企画「北の大地が育んだ古代」です。
有名なアイヌ文化の前に、アムール河河口から千島列島にいたる「オホーツク文化」というのがあるんですよ。縄文文化とはやっぱりちょっと違う。
この辺は面白いと思います。言語学と共に研究が必要だと思われるのだけど
この150年でのグローバル世界によって、滅ぼされつつある「人」と「文化」ってことも同時にわかります。
まぁ、ここの展示はもっとはるか昔の「オホーツク文化」ですよ。
骨で作られたクマちゃんの像がかわいい。
そうそう、今もクマの害っていうか(まぁ、クマだけじゃないんだけど)
獣害といえばよいのかな。
そもそも、自然との共存ってどちらの生存も認めるっていうよりは
どちらも痛み分けってのがあったんじゃないかな。
自然を放っておくのではなく、介入すること。
介入したらしたで、痛い目にもあうわけで。
オホーツク文化にもあるように熊は神であり、イケニエでもあった。
そして、戦う相手でもあったわけだ。
住居跡の写真がありましたが、隣同士が寄り添うような住まいですよ。
厳しい自然をどんなふうに乗り越えた人たちなのか、
こういう学び無しで理想像は描けないと思う。
そういう目で次の第4展示室(民俗)ですよ。
いや、いきなり目に飛び込んできたのは「デパートおせち」です。
え?出張販売ですか?? みたいな。ここでのテーマは「民俗」なので、
日本の四季折々の行事→暮らし→生業と技と続きます。
現代からどんどん過去に帰っていく気分になります。
マタギなんかもね今の猟師さんより、マタギという信仰にも似た職業だったり、
そう、企画展示の「陰陽師とは何か」にも通じるけれど、
日本の暮らしには「恐れと祈り」があったと。
つまり、命を粗末にしない(ようにしようとする)文化が絶対的にあった。
で、妖術/妖怪なんかも展示があってね。
宇宙人がないのはここが日本だからか?!
アメリカの第4展示室だったら、河童ではなく、👽宇宙人👾だろう。。。
第4展示室のミニ企画「四国遍路・文化遺産へのみちゆき」がありました。
お遍路もフランス→スペインの巡礼の道(サンティアゴ・デ・コンポステーラ)
ホタテ貝の道のように世界遺産になるといいね!
そのためには宿泊場所を間隔狭めてあると良いのだが。。。。
展示を見て思ったのはなかなか四国四県の諸事情もあるようで。。。
御接待という地元の方のボランティアに頼るばかりではいかんと思うのだよ。
まぁ、そのへんどうなんだろう。
空海さまがおわす高野山も和歌山県にあるわけで、口出しはできないのだろうから、
地元の人中心でマナーと信仰とちょっぴり楽しいレジャーとして
お遍路という「道」を整備していくのはどうだろう。。。
最後に、碑の小通(ひのこみち)である。
10の碑文の復元された石がおいてあるのだが、
そのうちの一つが悲劇の井上内親王への後世の人が建てただであろう
「お願いだから、祟らないで欲しい」っていうもので、読んでいてぞっとした。
いやはや、長くなってしまいました。
面白い博物館です。
ぜひ、1日かけて、もしくは小分けで行ってみてください。
そうそう、その1書き忘れちゃったけど、
「陰陽師とは何か」の図録は読みごたえがあります!!
2790円だったかな。
ちょっと高いけれど、買って損はないと思いました。