日本史・日本の歴史を学ぶとき、一番最初に登場する

日本人の名前は女王・卑弥呼だ。

そして、彼女が弟といっしょに治めていた「邪馬台国」という名前の地名が続く。

 

邪馬台国がどこにあるかというのは、証拠の品が発掘されるか

新しい文献らしきものが出て来ない限り、

永遠のロマンでいいのかもしれない。

多くはみんな、自分の愛する地元や、ゆかりがあるところを邪馬台国だと学説を唱えるだろうから。

 

今日は以前から、「卑弥呼」という謎に包まれた女性の名について

いつも通り、勝手に考えていきたい。

 

彼女の名前は日本の歴史書には出てきていない。

「女王」が統治していた過去を「古事記」「日本書紀」は伝えていない。

 

歴史上、彼女は中国の歴史書に登場する。

何故、国内の歴史書に名前が無いのにかかわらず、大国である中国に登場しているのかというと、

中国の当時の「魏」(三国志に出てくるひとつですよ)に使いを出していたからである。

中国の習わしとして、朝貢は公式記録としてつけられていたから、名が残っているわけだ。

 

日本では「魏志倭人伝」とこの書物を言うが、本当の名前ではない。

『魏書』巻三十「烏丸鮮卑東夷伝」の一部・・・だそうだ。

 

卑弥呼はいきなり、魏の皇帝に使いを出せたわけではない。

朝鮮半島の帯方郡(南エリア)の太守に願い出る。

つまり、韓国にある出先機関に

「うちも国として挨拶したいから、取り次いでくれませんかー」とお願いしたわけだ。

(飛行機も高速フェリーもない時代に行動力あるよなぁ。)

 

 

卑弥呼という名の女王がいる 鬼道を事とし、民をよく惑わす

 

この文章は、文化も軍事も政治も経済も、

当時の日本の2000年先を行っていた中国で官僚として仕事をしているひとの文章であり、

上からにも思えるが、寛大な誉め言葉でもあったとおもう。

 

以下、私がこの文章を書いた人の気持ちになって解釈をしているだけなのだが、

書いた人は、倭の国の使者が

おそらく、モゴモゴとした発音でなんか言っている内容を通訳が出来る人によって

「彼はこんなことを言っていますよー」と伝え聞いた内容をわかりやすい内容の言葉で残したのかもしれない。

 

だから、卑弥呼=ひみこ に近い発音をしたので、当て字、しかも、彼女の人となりをあらわすかのような

名前を付けたのかと思うのだ。

音と意味を合わせるというとても教養が高く文章レベルも高い人が書き残してくれていると私は思えてならないが。

 

ここで、今日のタイトルになっている『「卑弥呼」の名前について』というこだ。

 

昔、勝手な解釈をしていた。

邪馬台国は邪魔大国 卑弥呼も卑怯者の巫女

 

もしかしたら、ちょっとした意地悪も込めて書かれたのだろうか。と考えていた。

 

だが、「卑弥呼」の卑はそもそも、卑怯者という、いやしい心を持つ者を指す字ではなかったことを知った。

「卑」の元の意味は「柄杓」の意味であったのだ。

卑しいではなく、道具の柄杓である。

 

男尊女卑→という言葉にも、使われている「尊」は酒を入れている「樽」をさす。

「卑」は樽とセットで中身の酒をすくう「柄杓」である。

なぜ、いつから、尊/卑 に真反対の意味をつけるようになったかは不明だ。

男性を表す「樽」には尊敬を。

女性を表す「卑(柄杓)」には卑しさを。

 

さて、古代において「酒」が飲めるのは特別な時だったと言われている。

今のように飲酒は晩酌という行為とは違う特別な事柄だった。

ある種、神聖な儀式のときに用いられていた。

 

それが、いつなのか。

「鬼道」を用いるときなのだ。

 

この時の「鬼」は我らが大好きなデーモンとしての鬼とはちょっと意味が異なる。

精霊・幽霊・別次元の力を指している。

占い・予言はもちろん、超能力も入るかもしれない。

 

卑弥呼が使いを出した当時の中国「魏」では政治にもう、鬼道はつかっていない頃となっている。

且つ、政治には儒教が浸透している。

だから、著者は今更、鬼道を使って国を治めている倭を揶揄したのかもしれない。

(今だったら「おまえのところ、まだネットも通じてないの?リモートワークを知らないの?」的な感じだろうか)

 

鬼道が政治の中で、一番、ふるっていたのは「殷」とそれより前の時代だろう。

実際、「殷」では青銅器がじゃんじゃん製造された。

それは、儀式で使う「酒」入れる器だった。

また、その酒には幻術が見られる「キノコ」も入れられ、ますます、

儀式は「鬼道」の名のもと、みんなトリップして、とんでもないものを脳内に見ていたかもしれない。

そして、強くなったと思い込ませて、肉弾戦ともいえるような戦争に臨ませるのだ。

 

卑弥呼は当時の中国からしたら古臭い政治手法を使っていたが、

当時の日本では、それがよい効果をもたらしたのだった。

だから、「良く民を惑わし」だ。

 

 

↓こちらは時代は異なるが重要文化財の埴輪 柄杓を持つ女性 

 

埴輪の女性だが、写真だとちょっとわからないかもしれないが、

耳輪(イヤリング)はわざわざ、揺れるように別で作られている。

ネックレスも大きな石のデザイン。

腕輪も二本している。

これは、かなり財力もある権力者の姿かもしれない。

 

そして、「柄杓」もっているのは、彼女は「特別な仕事」をしているのではなかろうか。

例の「鬼道」の係だ。

 

ちなみに、この埴輪。

頭の形も変わっているのだ。後姿が映ってないけれど。。。

頭の後ろで扇を広げたように結っている。

イメージとしては、彼女の髪型に似ていると思うんだ。

 

↓モデルはスターウォーズのアミダラ女王ね。

 

 

次に、卑弥呼の「弥」についてだが、これは「いっぱいに広がる」

「呼」は息をふーっと吹くということから、情報伝達をあらわしている。

 

 

まとめよう。

卑弥呼とは、柄杓を持った女性。

つまり、鬼道の神官で神のお告げを皆に伝える巫女

神の声を女王として国中に伝えていった女性

 

という、彼女の役割を「魏書」に書き残した人は表したかったのではなかろうかと思った次第です。