『マダガスカルの悲劇・⑪』 | 新・旅亀の世界一周冒険活劇

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旅亀の冒険・最終章。流れる雲のようにフワフワと。明日の行き先は明日決める。そんな旅をしよう。

絶望から復活した僕は、次に向かって走り出していた。

まず、次の国南アフリカ・ヨハネスブルグに耳鼻科があるかどうかの確認。

そして日本人スタッフの有無。

それらを、マダガスカル最終日の午前、ネットカフェで調べていた。

今日の昼の便でヨハネスブルグに向かうので、限られた時間内での調査だった。

だが残念な事に、ヨハネスブルグでは日本人の医者は皆無らしく、
通訳を雇わなければならないという事が判明した。

その事を教えてくれた人は、
保険に入っていなければ、
延長手続きをして再入会した方がいいと奨めてきた。

通訳代より保険代の方が安い、というのだ。

またしても行き詰まりそうになった。

だが。

僕はもう後ろは振り返らないと誓っていた。

高橋さんと会話をして、立ち向かう勇気をもらったのだ。

そりゃ、またとんでもない事態に陥ったら、
その時はその時で狼狽するかもしれないけどさ。

と、その時。

ふと脳裏に、社会人の時に作成した『ゴールドカード』の事が蘇った。

僕はある方法によって年会費無料でそれを所持出来る事になっていた。

確か無期限・・・だったと思う。

だから、金がない僕でも今なお解約せずに手元に持つ事が出来ている。

そして、そのカードには海外保険がついているのだ。

だが、出発前に、僕はそのカードについている保険内容を読んでいた。

そこには確かに、
旅行代金をクレジットで支払った場合、
保険が適用されるというような事が記載されてあった。

僕は旅行代金も何も、そのゴールドカードはほとんどと言っていい程使用していない。

だから今回の旅は、その記載内容によると、保険適用外という事になる。

そう思いながらも、スカイプのダイヤルはカード会社の番号を入力していた。

駄目もとで、確認だけはしようと思ったのだ。

暫くしてコンピューター音声による案内が始まった。

僕は慎重に目的の番号を入力し、無事オペレーターまで辿りつく事が出来た。

『僕のゴールドカードについて、保険内容について確認したいのですが』

そう尋ねるとオペレーターは、
いくつか質問をした後、
速やかに無条件で保険がついていますと続けた。








僕は歓喜した。

医療代はおろか、携行品の保障までついてくるのだ。

この時ほど、一時帰国した事を喜んだ事はなかった。

何故ならカードの保険は日本出国後3ヶ月という制限付きだからだ。

その後はスムーズに事が運び、ヨハネスブルグ滞在先の確保。

そこから通える病院の有無。

その他もろもろ滞在に必要な手続きを済ませた。

そして僕は、マダガスカルの空港へと向かった。














『マダガスカル。本当に大変だったな。』

搭乗手続きをして、
南アフリカ航空の旅客機に乗り込み、
今まさに上空へ飛び立とうとする時。

僕は今回のマダガスカルを振り返った。

最後に高橋さんと出会った事は、本当に良かった。

あの出会いがなければ、
嫌な気持ちのまま、
マダガスカルを出る所だった。

確かに、固有種との楽しい思い出もなければ、
夢と希望を打ち砕かれそうになった。

だけど。

まだ僕は前に進める。

いつか。

またマダガスカルに挑戦しようと思う自分がいる。

その時まで待ってろよ。

キツネザル共!!







飛行機は南アフリカへと飛んでいく。

奇しくも、世界で最も治安の悪いと云われている都市で、
療養生活が始まるんだなと考えると、
人生、何がどうなるか分からないもんだと思った。

マダガスカルの悲劇・完

長々とすみません。

あとちょっと番外編として、マダガスカルのお話は続きます・・・。





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