平成29年10月19日(木)の午後、

「まつやま働き方改革交流会」をコムズ(松山市男女共同参画推進センター)にて実施しました。

 

昨年11月2日に、

松山市では、野志市長と121の組織が「イクボス合同宣言式」を開催しました。

 

 

「イクボス宣言後、みなさまの組織ではどうですか」

~イクボスたちを先頭に、

幸せを実感できるまちづくり・職場づくりはできていますか?~

 

という、進捗や「お困りごと」を共有する時間として企画しました。

 

目指すゴールは、

参加企業が、苦労事例を聞くことにより、企業規模や業種を「言い訳」にせず
行動にうつすきっかけとなる。ひいては、働き方改革を具体的に実行する企業が増える!

 

ということです。

 

 

ちまたにあふれる

「好事例」を共有する時間や表彰制度。

 

たしかに、そのほうが、会社もイメージが上がるし、先のメリットを感じられるので、

まあスタートとしてはいいのですが

 

この「働き方改革」については、ちょっと事情が違う。

 

おそらく、いや間違いなく

どこの組織も、いろんな「つまづき」や「悩み」があるはず。

 

スムーズにいってて、「はい成果が出ました!」なんていうところは

少ないはず。

 

だからこそ、

イクボス宣言後、

どんな振り返りがあり、どんな風なことをして、どんな課題を持っているのか、という

 

「ネガティブ事例」をもって、

それぞれの業種や従業員規模のみなさんにのぞんでいただきました。

 

ですので、事例企業の方々は、

「どこまで言うか」というところに最後まで悩まれたと思います(笑)

 

<事例企業>

・有限会社モンド(従業員数18名・水産加工)

・佐川印刷株式会社(従業員数90名・印刷)

・株式会社ファインデックス(従業員数222名・ソフトウェア開発)

・松山市役所 (職員数 3,334名)

 

 

ネガティブ事例なので、端折っての紹介ですが

 

★有限会社モンド様の事例

 イクボスは、経営管理の手法の一つである、ということを繰り返し発言。

 

 法律を守る、という当たり前のことにチャレンジ。

 就業規則が、あったような、なかったような、という状態で、

 口約束などで人を雇用してきたが

 改めて、会社の判断軸となる「ものさし」を改定し、整え、社員に開示。

 そうすると

 正社員、パート問わず、「有給休暇」を付与しなければいけない。

 いままでも付与はしていたが、取りずらく、数日程度という状況。

 実際のところで言うと、人数が少ないこともあり

 休む人がいると、稼働日が下がり、生産性が悪くなる現状。ここが課題でもあるが、

 

 有給を100%取得してもらうことを目標とし、やってみて気づいたことは

 

 有給休暇を取得することと、会社収益には 連動性はない、ということを

はっきりと断言。

 

★佐川印刷株式会社様の事例

 これまでも、両立支援やワークライフバランスを意識した経営はしてきている。

 が

 働き方改革が、両立支援で止まっていてはいけない。という気づき。

 

 部下からのボトムアップをのぞむのであれば

 丸投げではなく、何らかの仕掛けを考える必要がボスにはある。

 

★株式会社ファインデックス様の事例

 イクボス宣言は、まずは管理部からおこなっている。

 正直、気乗りはしなかった。(けっこう笑いのある苦言から発表はスタート)

 

 上場企業ということもあり、法律や制度はしっかりとあり

 その運用についてはこれから考える必要がある。

 上司が、これらの制度を読み込んで理解し、部下と対話する「知識と覚悟」が必要。

 

 制度を使ってもらい、配慮はするけれど、「仕事の質は落とさないで」という

 ともすると厳しいことを伝えている。

 

★松山市役所様の事例

 世代間ギャップ、意識や環境の違い。

 管理職世代は、ほぼほぼ男性ばかりで、専業主婦の妻を持ち

 ともすると滅私奉公で働いてきた世代。

 

 いまの若い職員は、男女半々で、共働きが多く、

 仕事もプライベートも充実させたいという世代。

 

 だからこそ、意識啓発が重要で、人事課を中心に、あの手この手で

 さまざまな工夫を取り入れている。

 

 が、「やってあげる」的なものではない。

 ジブンゴト意識を持ってもらわなければ、とても難しい。

 

 

 

 

深堀のディスカッションタイムで取り上げたのは

 

★「権利の主張」にはどう対応する?

 

 ・「権利の主張」は、当然出てくるものだと想定し、対応をしている。声を出させることが大切。

 ・出てきた意見に、「グループ討論」をして、みんなで考える機会を持っている

 ・上司がしっかりとその制度や活用を理解し、対話できる力をつける

 

★管理職の「意識改革」とは?どういう意識が問題なの?

 

 ・「ボトムアップ」をのぞむ姿勢はいいが、結局「ああしろ」と自分誘導になるなど

  無意識の行動

 ・何のために?誰のために?どうすればいいか?という意識がない

 ・例えば育児休業など、女性には取らせるけど、男性には「なんでお前が?」という意識

 

★具体的な業務改善の事例

 

 ・不明確な仕事の洗い出し。(これ何のためにする仕事なの?と必ず現場に問う姿勢)

 ・しつこいくらいの「早く帰れコール」

 

などなど

 

書ききれませんが、松山では、働き方改革は、まだまだ道半ばです。

 

交流会にご参加いただいた企業のみなさまからは

 

 

・改めて当社が取り組んでいるイクボスはじめ業務改善の指針となった。

・企業の生の声(本音)を聞くことができた点が大変良かった。

 

などのご意見をいただきました。

 

 

これからも、ますます

松山市と協働して、このような機会を持って進めます!