明治政府の正統性 | 愛しき日々

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大河ドラマ「青天を衝け」は明治維新以降の渋沢栄一の活躍を描く時代に入りつつある。

 

徳川慶喜が朝廷に大政を奉還し、王政復古の大号令を発して新政府軍と旧幕府側の戦、いわゆる戊辰戦争により新政府軍が国内で国家としての道を確立していく過程は教科書にも載っているので頭では理解できていたが、どのように国家を運営していくかをドラマで見ると、初期明治政府のどうなっていったか危うい部分も考えさせられた。

 

 現在、アフガニスタンではタリバンによる政権を確立していこうとする過程にあるが、世界がその正統性に注目している。あまりに人民を抑圧するような国家運営は国際的非難にさらされ、国家として認めてもらえるかは見通せていない。

 

 明治政府も何をもって国際的に正統とするか、ということになれば、長く続く朝廷を国家元首に据えたことは必然だったのだろう。パリ万国博覧会にて幕府側とは別に薩摩藩側の「日本薩摩琉球国太守政府」という名での参加もドラマで描かれたが、薩摩がより国際的正統性を意識していたことを示す一例だった。

 

 中央集権国家として統治機構や経済・財政制度を確立していくのは今後の展開で、いよいよ渋沢栄一がこれまで蓄積してきた人間力を発揮することになる。外交的努力で日本を認めてもらう他に貨幣や銀行を整備し、「円」を国際的に信用してもらうなど明治の近代国家の確立の道は非常に外国を意識して進めざるを得なかったことが浮き彫りになってくる。本当に明治維新というのはてーへんなことだったのだ。