スマクリ落語。 ~クバーノ怖い。~ | ベルギー酒場 スマークリック!『やれんのか!? 武蔵小山 つれづれ日記』

ベルギー酒場 スマークリック!『やれんのか!? 武蔵小山 つれづれ日記』

麻布十番にオフィスを構える輸入商社の「ネットショップ」の店長から、ベルギービールのBAR』をOPENし、はや6年。
日々の事などブログでも書きつつ・・・、
街でウワサのあのお店、、、になるまでの長い道のりを綴ります。

毎度バカバカしいお話を。

 

「ご隠居!ねぇねぇ、ご隠居ぉ! ちょっと教えてくださいよ」

「なんだい 熊さん、騒々しい。。。」

 

「この世で一番怖いものって、なんなんすかね?

あっしはね、今年の猛暑なんて、怖いなぁ~って思うんですよ!

なんたって、命に係わる気温ですよ!40度。怖いねぇ~~~!」

 

「猛暑ね。 …うん、怖くない。」

 

「えっ、怖くないの?」  「そう。怖くない。」  「どして?」

 

「昔っからね、猛暑にはうなぎって相場が決まってるから。

怖くないの。うん、怖くない。」

 

「猛暑には?」  「うん。」  「うなぎ?」  「そう。うなぎ。」

 

「あそう。。。それでいいんだ。何だか簡単すぎだけど、

じゃ、ご隠居。なにが一番怖いんですかい?」

 

「怖いもの?」  「そう、一番怖いもの。」

「そうだねぇ。。。 あたしが知る限り、品川はスマクリ屋の

キューバサンドが一番怖いね」

 

「何です、その急場で三度って?」

 

「キューバのホットサンド! クバーノ!!」

 

「怒鳴んなくても聞こえてマッスル! じゃ、教えてください。

キューバサンドって何です?」

「こう、キューっと細長いパンだからキューパン。

ホッとしながら三度焼くから、ホットサンド。だからキューバサンド。」

 

「細長いのを ホッとしながら 三度焼く、、って俳句みたいでよくわかんねぇけど、なんだか怖そうだ。」

 

「あ~~見たい。見たいねぇ。一度でいいから見てみたいねぇ。。。

持ち帰りもできるしねぇ。。。」

「よっし! ご隠居の最後の望みをあたしが叶えましょ! 

で、品川のどこにアンデス。そのスマクリ屋って?」

 

「五反田から中原街道をまっすぐ子安方面に。」

「五反田から中原街道をギューンと子安方面ね。」

 

「26号線にぶつかったら、右折して武蔵小山方向に。」

「26号線にガーンで、ズバッァーと武蔵小山方向。」

 

「それから5個目の信号を右に曲がって、突き当り手前がスマクリ屋!」

「5個目の信号までプップーっと行って、ドンの手前ね!

よっしゃ!じゃちょっくら行ってきやす!!」

 

中原街道ギューン。26号ガーン。右折ズバッァー。信号プップー。

 

ドンの手前。  店長、焼き上げ中。 ¥880-。

 

ドンの手前。 プップー。 ズバッァー。 ガーン。 ギューン。

 

「ただいまぁ!」

「お~早いね熊さん。今度から犬さんって名前に変えようか。

お~! これが噂の≪スマクリ屋のキューバサンド!!≫」

 

「ご隠居、初めて見たっすか?怖そうっすか?」

「もうね、十分に。 

ニンニクとビールで二種類のお肉を1週間漬け込んでる。怖いねぇ…。

火入れは燻製7時間。この燻製の香しいかおり。おそロシア!」

 

「はぁ…。キューバじゃないんっすか。。。深いっすねぇ。」

 

「それに合わせた特注パン! 外カリカリで中ふわっふわ! 

しかもこの香り!お~怖い!

キャベツとキューリの自家製ピクルスの酸味も絶妙な怖さ! 

こんなね、こ~んな恐ろしいものは食べて無くしてしまったほうが良い!」

 

「熊さん!」 「はいぃぃぃ!! ご隠居ぉ~(涙)!」

             

             モグモグ カリッ 

 

「ご隠居。」 「何です、熊さん」 

「こいつはね。想像以上の怖さですな。」

「怖すぎ。」 

「でもね、あっし、思いついちゃったんです。今一番怖いもの。」

 

「今? サゲ、熊さんが言っちゃうの?」

「そう。言っちゃうの。今一番怖いもの。」

「今一番怖いものは…」

 

「キンキンに冷えた、ステラが怖い。」

 

お後がよろしいようで。