今回は銘木の中の銘木「黒松」のお話。。。

 

↑(山陰黒松2.0m×180×1140mm)

 

先日市場で惚れ込んで、また仕入れてしまいました(笑)

 

黒松とは日本に自生する主だった6種ある松の一つですが、ネット検索すれば海岸べりに防風林としてよく見かけると書いてありますが実際には木材としての流通量は極端に少なく理由として海岸べりの傾斜地に育つ事が多く、赤松に比べ通直(すんなりと)育つ木が少なく今回の様な大木でなければ用途が工芸品などに限定されてしまう事や、昭和40~50年代に線虫による松枯れ病で全国の松林が大きなダメージを受けもう良い松の木が残っていないのが現状で、運良く生き残った幹の太い木は当然のごとく地域のシンボルツリーである為よほどの事が無ければなければ伐採されません、それゆえ黒松の大きな材は希少となっています。

 

↑(大きさを物語るチェーンソー痕)

 

現状で巾1140mmも有ります、そうRに加え黒松は根張の強い木が多ことも相まってこの材の製材がいかに大変だったかを物語るチェーンソー痕(製材機からはみ出した部位をそぎ落とした)が見て取れます。

 

↑(光明杢)

 

また、この材には屋久杉など脂の濃くゴツゴツとした高樹齢の材に現れる光明杢が随所に現れています。

 

高樹齢の黒松には透き通るような鼈甲色の脂とこの様な杢の美しさが重なり合い最高級銘木である事は間違いないと思います。

しかしながら肥えた部位で幅の広い板などを取ることは難しくせいぜい茶箪笥か座卓の天板サイズが限界だと思います。

 

↑(別の部位の杢)

 

しかしながらこの材は赤身幅も広く全体に素晴らしい杢がでているので、厚みを活かして框兼用の床板に用いれば素晴らしい和室ができる事でしょう!!

 

今回話が長くなりましたが最後に・・・

黒松の葉は神様降臨の道しるべとも言われ、入学式など大事な式典の壇上には黒松の盆栽が飾られ、門松にも松葉の飾りがなされるなど繁栄と長寿をつかさどる縁起樹でもあり別名「雄松」ともいわれるキングオブ銘木、如何でしたか?

 

今回は玄人向けの銘木話でした。

 

ではでは。。。