こんにちは
今回は、少し衝撃的な出来事を記事にします。長くなります。
約1年余りが経過して、落ち着きを取り戻しつつあるため、
火事の怖さの教訓として記事に残しておきたいと思います。
全焼した工場兼住居の 隣に お住まいだったAさん の
了承を得ておりますので、写真掲載いたします。
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2014年8月 深夜2時 火災が発生しました。
幸いなことに、通行人が 工場のガラス戸の向こうにちらちら見える
火を見とがめ、声をあげてくれたおかげで、
両隣の住人全員が、早めに煙から脱出でき、避難できました。
火元は夜間は無人だったため、人命の被害はなくそこだけは安堵しました。
消防車は、通報からすぐに到着し、消火活動が行われました。
しかし、火の勢いは早く、1階の出火予想場所から、あっという間に
2階の屋根を突き破り、両隣に火の粉が撒き散らされ、
片方のAさん宅のご主人は、消防の方から、
『類焼を防ぐため、屋根3箇所に穴をあけてよいか』
と確認されたそうです。
自宅が燃えてしまうかもしれない状況下、応じないわけにはいかず、
了承後、程なく放水がが開始され・・・
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深夜から明け方6時まで道路で ずっと待ち続け ようやく家に入ることを許されました。
・・・想像できるでしょうか。
家じゅうの隅から隅まで、黒い灰や土が混じり合った汚水により
家具、衣類、電化製品等、全ての家財道具がどろどろになっていました。
天井、壁はくずれ、床は浸水。
消火活動に使われる水は比較的キレイでも 灰と屋根からの土が混じると、
焦げた臭気とともに泥状になるようです。
想像を絶します。
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むろん その日から、ご一家はその家に住むことができなくなり、
急きょ借り住まいを探すこととなり、
仕事の合間に帰ってきては、使えそうな家財道具や思い出の品など運び出し、失意の中 大変な作業を強いられました。
消防による放水の後、1か月も経過すると、換気しても追い付かず、
カビがあっという間に繁殖していきます。荒廃のスピードが早いです。
たったの1分も家の中にとどまることができないくらい、カビ臭
が空気中に蔓延してしまいました。
その後 雨も多く続き、夏の高温多湿も影響していて
あまりの荒廃ぶりに 一時ご家族も 家を手放すことを考えました。
周囲の方はあまり、火事後の状況はわからなかっただろうと思います。
交通量の多い側からの 外観はあまり変わらなかったからです。
Aさんのお宅は、屋根の3箇所が少し抜けているだけで、燃えたわけではなく、
また 火元の全焼した工場も 通りから見ると 外側だけは残っていたので、内側丸焦げであることは 隣家からしかわかりませんでした。
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1か月後の惨状 ↓
(もらい火になりかけ、消防放水で 延焼を免れたAさん宅)
天井に全面 緑のカビが広がってしまいました。
畳は、被災ごみになるので、はがしてまとめてあります。
床板の下地までが ふにゃふにゃ
2階 階段天井に放水の勢いで穴をあけた跡
天井材がバラバラ落ちています。
細かい土などの汚れが配管奥まで詰まってしまってもう使えません。
実は2階の水廻りは、洗面とトイレを綺麗にリフォームしたばかりでした・・・。
放水後は、時間がたつと、掃除しようとしてもこびりついてしまっており、
陶器やガラスなど比較的落ちやすそうな場所も 固めの器具で
ガリガリと力を入れてこすらないと、汚れが取れません。
自然災害での浸水でもそうですよね。時間がたった泥汚れは、水で流そうと思っても、まったく汚れが落ちないんです。
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延焼で燃えてしまわなくても、放水だけでここまで被害が
このように大きくなることがあります。
あってはいけないけど、もしそんな目にあってしまったときの豆知識をすこーし。
被災しても悲しんでいられません
やることが山ほどあります。行政手続きは自分でしなければなりません。悲しむのは後から。
実は、うちが もう片方の燐家だったので、経験した内容です。
我が家は、3階の燐家に面した窓から、消防士さんが放水してくれて
延焼をギリギリ防いでくれました。壁は焦げましたが、防火住宅になっていたのも幸いしたか、延焼免れました。
でも部屋中、水浸しで鼻をつくキツ~イ燻し臭!
消防、保険会社、役所 から別々に訪問があり、撮影されます。
まず、消防士さんがとても丁寧に被災状況を確認しつつ、撮影していきます。
夜通しずっと朝まで 隊員さん方が 我が家を守っていただいてるので、もう感謝しかありません。神様に見えました。
最初 『あ、写真撮ってくださるんですね。』と 思ってました。
撮影後、『被災した場所をこちらの用紙に書いてください』と渡され、
『書いた内容と、今撮った写真を保険会社などに渡すんですか?』
と無知な私が聞くと、それは消防局での単なる記録で、写真はお渡しできないとのこと。
そうなのか!!
その後、急いで 今まで撮ってもらっていたところを 自分のカメラで撮りました。人任せはダメです。
次、保険会社!
消防士さんが帰った後すぐ連絡すると、その日、数時間後に来てくれました。とても早い対応でした。頼りになる方が来てくれました。
自分で撮影した被災した写真を 保険会社が用意した書面とともに
提出します。
わかったことは、被災したら、掃除や片付けする前にまずカメラでこれでもかっていうほどいろんな箇所を大量に撮影!
片付けたくても!! まず、撮影して細かく惨状を保存してください。
それからバスタオルでも何でも使って急いで水腐れを防ぎましょう。
2日経ってから、あらかた片付けたところに役所の方が被害状況を見に来ます。
水浸しになったソファや家具なども全捨て。
階段や意匠性のあった家具は、消防のホース(意外に硬い)に削られあちこち角がなくなり
大事な書類がすべて再発行手続き。お客様に渡す証明書や契約書諸々。クローゼットや家具の中まで浸水したためです。
消防に行って罹災証明をもらったり、住宅の固定資産の減額申請をしたり。
こんな経験はなかなか経験しないことですが、一度経験するともうスペシャリスト。
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注意するのが火災保険の内容です
『放水による被害』は、支払われないこともあります。
延焼と煙害は、火災保険がすぐおりますが、放水による被害は
要相談でどこまで保険が下りるか微妙です。
補償内容も保険屋さんで差があるので、どんな火災保険に入っているのか把握しておきましょう。
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運よく被災を最小限に免れた我が家ですが、
火元の工場一軒家と繋がっていた、Aさん宅の被害は甚大でした。
次回は、工事風景の解体写真です。
井上工務店 http://inoue-komuten.jp