ツィゴイネルワイゼンの欲望のあいまいな対象 | 【WONNDER3】 Time&Space Travelers

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鈴木清順とルイス・ブニュエル

ふたりとも大好きな映画監督です。

ふたりともあたまがピー!です。

ふたりとも変で鯛だとおもいます。



鈴木清順1980年公開『ツィゴイネルワイゼン』

ルイス・ブニュエル1977年公開『欲望のあいまいな対象』



同じような時期にふたりの撮った映画をみていたら、

ふたりとも全開で変で鯛でエロティックで怖い映画を撮っていて

そのテーマを支えているのが“ふたり”。



『ツィゴイネルワイゼン』は原田芳雄が主演で長髪髭づらの和服姿。

藤田敏八がその親友で洋服姿でふたりは大学のドイツ文学?か医者?

だったかで同級だった設定。

冒頭浜辺に打ち上げられた女の溺死体の股の間から真っ赤に染まったカニがはいでてきて音が大音量で鳴り響きます”シャァッ、シャァッ、シャアア” ってたぶんカニの動きに合わせてるからカニの動く音なんだろうけどホントにヤな音。このあと何回もこの音が鳴り響きます。

音といえば最初のほうにでてくる三人とも盲目の旅芸人、初老の男、若い女、弟子の男の唄う歌と三人の関係も淫らで妖しくて最高でした。



『欲望のあいまいな対象』のほうは50代くらいのフェルナンド・レイがブルジョアの独身男でセルビアからパリへの長距離列車に乗り込み、出発まぎわにキャロル・ブーケ扮するコンチータという20歳くらいの女にバケツで水を浴びせかけます。

キャロル・ブーケはシャネルのモデルもしていた美しい女の子です。こんな顔です。

元「遊べる本屋」本店店長の古本屋【wonnder3】のブログ


で、なんで水を浴びせたのか同乗者たちに話してきかせるのが物語のはじまりはじまりなのですが同乗者のひとりはスーツ着た心理学者の小人でした。



この監督ふたりは客をビクッってさせるのがほんとうまいです。



原田芳雄と藤田敏八は寂れた町の宿で芸者?を呼ぶのですが大谷道子の着物姿が綺麗です。

当然のように原田芳雄が自分の女にするのですが、この映画の原田芳雄はほんとやばいくらいカッコ良いです。大谷直子の腕をとってなでまわしながら「うーん骨がいい」みたいなこといいながらイヤがられてもなでまわしてるんですがそのうち腕をもちながら身を引きよせてキスするのですが、した瞬間大谷直子の口から原田芳雄の口になんか吸い取られたような・・。唖然としてたらそれを見ていた藤田敏八がおんなのキモを吸い取ったように見えた、とかいうのですが、キモって・・・。



大谷直子が着物ならキャロル・ブーケはメイド姿でレイのお屋敷で働きます。

一目みて気に入ったレイは執事に媚薬入りの酒を用意しろとかいってキャロル・ブーケを呼び寄せますがレイの堂々とした好色ぶりも通じず逃げられ次の日にはメイドもやめられブーケ扮するコンチータは姿を消します。ふたりはあるところで再会して貧しいコンチータとそのお母さんの住むアパルトマンにレイは通い詰めるのですがコンチータはおもわせぶりだけど身を任せたりはしません。

このへんで僕みたいなボケーっとみてる人でも気づくんですが北欧系?スラッとした美人のコンチータがラテン系で肉感的な美人、アンジェラ・モリナ扮するコンチータに変わってます。うんビックリしたよ。ブニュエルは主役のコンチータ役をこのふたりをつかって撮ってます。二人一役?このあともこのふたりが交互にでてきてレイにおあずけをくらわせます。関係ないけど三池崇史とブニュエルは血がつながってますね。きっと。



原田芳雄のほうは旅から戻って良家の娘を嫁にもらうのですがこの嫁は大谷直子。芸者と良家の子女の一人二役です。藤田を呼んで三人で鍋喰って食い終わって藤田が帰ろうとしてふとみると食べ終わったはずの鍋に山盛りのこんにゃくとそれでもまだ入れようとしてる大谷直子がこんにゃくをちぎっていて・・。

このあとこの新妻は女の子を生んだ後に急死して、藤田は自分の嫁、大楠道代と原田芳雄ができてるんじゃないかと勘ぐってるうちに原田芳雄はあの芸者(大谷道子)を自分の家に住まわせたとおもったら死んじゃって、これでこの話も終わりかとおもっていたら、実はここからが本番の映画なのでした。



フェルナンド・レイのほうは手玉にとられつづけます。コンチータのおかあさんを味方につけたと思ったとたんフラレ、やっと結婚でき、初夜を迎えたとおもったらコンチータのパンツは百か所くらいカタ結びしてある貞操帯パンツでそういうことは今後もしたくない、好きなんだからいいじゃない、なんてはぐらかされ、別々に寝てたらコンチータは何の仲間かわからないけど若い男を部屋に泊まらせて、みつかってついに行方をくらませます。



この映画の原作、内田百閒の『サラサーテの盤』は本当に怖いはなしで、映画でもレコードから聞こえてくる声から亡き夫が貸したはずのドイツの原書、現実なのか妄想なのか夢なのか彼岸なのか目の前にいる女はほんとうは誰なのかわからなくなり最後に藤田敏八が橋を渡るところはゾクゾクしました。“ふたり”と“音”と“扉”にお気をつけください。



フェルナンド・レイのほうはコンチータを忘れられず、ついに友人の警察幹部の力を頼ってこの母娘をフランスから強制退去させてスペイン(セルビア?)へ帰し、自分もスペインに引っ越して偶然ぽく再会します。フラメンコダンサーになったコンチータが裏の部屋で観光客(日本人?)相手に半裸で踊ってんのみて半狂乱で暴れたりしてます。コンチータに家を買ってやり、ついにその家で結ばれるのかといえばコンチータ、例の青年を呼んでレイを家から締め出して目の前で服脱ぎだしてレイが耐えきれなくて出ていくときにはあんたに触られてほんとイヤだった、ざまあみろみたいなこと言って、おお、やっぱ嫌ってたんだなあとおもったら次の日にはレイの屋敷にきて昨日のはお芝居だった、彼は同性愛者で私にはあなただけみたいなことを泣きながら言っても時すでに遅しでレイは2,3発ひっぱたいて屋敷から追い出して冒頭の長距離列車の場面に戻るのですが、そしてまだ物語は続くのですが、



結局レイは金と権力を女口説く為にセッセッと使ってそのためにコンチータは誇りを傷つけられて最後まで貞操を守る、ってなシンプルで美しい話ではもちろんなくて、コンチータは最後までレイのことが好きなのかどうかわからないし、っていうか好きではないっぽいのに最後は腕組んで歩き去るし、去ったと思ったら爆弾が爆発して画面は炎につつまれて映画が終っちゃうし、???最後まであいまいなまま終わるのでした。



こちらも原作が角川文庫から出てましたが絶版です。『僕の中の悪魔』だかってタイトルです。たぶん。



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