マルホンに続いて奥村も倒産と。負債総額は70億円もまだまだ膨らむ可能性もなどとある。パチンコ台の液晶開発を請け負った制作会社、部品調達会社など、倒産のの余波で連鎖倒産する会社も出てくるのではないか。
しかし名古屋の中堅メーカーがバタバタと逝くところをみるにつけ、残っているメーカーとは、ほんと紙一重の差だなとは思う。たとえばサンセイ。数年前まで規模や売り上げ的には奥村なんかと変わらないレベルだったはずだ。ただガロというコンテンツを一発当てたから、それを財産に生き延びられている。藤商事なんかもリングの財産が大きいだろう。いっぽう奥村やマルホンはそういったキラーコンテンツを生み出すことができなかった。
ところで、パチンコ産業の縮小は今年想像以上に進むかもしれない。というか内部的にはかなり進行しているのかもと予想する。2006年のレジャー白書のレジャー別将来の参加人口予想では、2015年1270万人だった。予想は見事にはずれた。昨年度のレジャー白書ではその数字を優に下回る970万人になっているのだ。10年前といえばパチスロの5号機移行期で、業界が相当縮小した時期である。その当時の予想からしても、現在のパチンコ業界の縮小率は予想できなかったということだ。それほどの落ち込みなのである。
この急激な業界の縮小は……数年前に似たケースがあった。貸金業である。法外な金利を取って荒稼ぎをして、そのカネの力を背景にして我が世の春を謳歌していた貸金業界。いまでは単独で生き残っているところなど皆無。ほとんどが銀行系に組み入れられてしまっている。パチンコ業界も、いま同じような道程にいる。
どちらの業界も転落の軌跡が似ているのは、当然と言えば当然だ。国(高級官僚と政治家)がそうした設計図を描いたのだから。いや、これはそうした情報があるわけではないが、常識から考えても、ここ数年の流れから考えてもそうした力が働いていることは想像に難くない。たとえば、4号機時代、霞が関にほど近い秋葉原で開店前に数千人並ぶようなことがあった。三千人とも言われていたか。それは街の一角をジャックしてしまうような事態だ。道交法のうえでも問題があるだろう。そうした事態がたびたび起きたら……そうした情報は所轄から伝わり、警察庁にまで届いたはずだ。いや、もしかしたらそこをハイヤーで通ったキャリアが直接目にして、これはなんだ? となった可能性もある。調べてみれば、一日数十万円も勝つ可能性があり、年収数百万円の稼ぎも難しくなく、無職の若者を生む要因ともなっているなどとなれば、労働という国の根幹にかかわる問題になるではないか。すぐに生安の担当者が呼び出され規制となった、というのが個人的に想像する絵だ。
話がそれた。貸金業との類似に戻そう。
まず前提として、どちらも法のスキマをついて勃興してしまった業界ということがある。放置すれば個人ひいては社会の安全性を脅かしかねない。それでいてカネがあるし、法律違反をしているわけではないから簡単には手を出せない。雇用の問題もあるだろう。
貸金業の場合は法律改正から一気に業界崩壊へと進んだが、パチンコ業界に関していえば警察庁はもう少しソフトランディングさせるような画を描いているはずだ。でなけりゃ国会で換金について問われてとぼけるようなこともないし、とっくにパチンコ業法を作って本格規制をしているはずだ。
冒頭に戻ると、いまのパチンコの凋落ぶりは警察庁の予想をも超えていると思う。では、どうしてそうなったかといえば、客の財布が持たなくなったということに尽きる。等価ばかりにして、MAXばかりにして、ホールは客から巻き上げるだけ巻き上げ、メーカーもそうしたホールの需要を是として、自ら首を絞めたと。
警察庁はおそらくほくそえんでいるだろう。業界が自滅してくれているのだから。業界が縮小すれば、手を突っ込んでも影響の波及するところは少なくなる。そのタイミングを待って、パチンコ業法を作り経営をガンジガラメにして、限りなく業界を縮小させていく。それが青写真ではないか。
自らの天下り先になっている業界を縮小させるはずない、なんていう意見は2ちゃんをはじめとしたネットでは散見できるが、キャリアにとってパチンコ業界なんて天下り先にもっとも選びたくないポストなんだから(彼らは名誉にふさわしいポストを選ぶもの)、潰すことに躊躇なんてないだろう。それよりも、国にとってはたして必要な業種なのだろうかという命題から考えれば、その答えは明白なのである。
その命題に応えるとするならば「レジャーとして必要です」以外にないのだが、ギャンブル化推進が業界の総意であるいま、それは自ら社会に不要な業種と、害悪を与える存在と宣言しているようなもので、もはや警察が描いた青写真に抗弁すらできないだろう。
奥村は破産申請したとある。数年前なら資金に窮したところで買い手もあったのではないだろうか。誰も手を上げないところが、現在パチンコ業界が置かれている厳しい状況を物語る。