2025年7月22日から故意に商標権やデザイン権を侵害した場合、懲罰的損害賠償の限度額が従来の3倍から5倍に引き上げられます。特許・営業秘密侵害及びアイデア奪取行為に続き、商標・デザイン分野にも5倍の懲罰賠償制度が適用されることで、知的財産権全般の保護水準が強化されることが期待されます。

 

  このような内容の改正商標法とデザイン保護法は2025年1月21日公布されており、その6ヵ月後の7月22日(火)から施行されることになります。

 

  今回の改正により、故意に商標権やデザイン権を侵害した場合、損害として認められた金額の「最大3倍」まで賠償するように定められていたものが、「最大5倍」まで引き上げられることになります。2024年に特許法と不正競争防止法に導入(2024年8月21日)された特許・営業秘密侵害及びアイデア奪取行為に対する5倍の懲罰的損害賠償制度を商標とデザイン分野まで拡大するものであります。

 

  今回の懲罰的損害賠償限度の拡大は、悪意ある商標権・デザイン権侵害を防止し、被害救済の実効性を確保するための措置であります。

 

  5倍の懲罰賠償は主要国と比較しても最も高い水準であります。海外主要国の場合、日本は商標権・デザイン権侵害に対する懲罰的損害賠償の制度がなく、米国はデザイン権侵害は最大3倍までのみ懲罰賠償をしており、商標権侵害に対する懲罰的損害賠償の制度はありません。

 

  今回の改正により、韓国における商標権やデザイン権の保護が一層強化されるものと予想されます。