韓国の特許(商標と意匠を含む)侵害訴訟(民事事件)は、高等裁判所がある所の地方裁判所、またはソウル中央地方裁判所に第1審の管轄があり、第2審の裁判所は特別裁判所である特許法院に管轄があります。
侵害訴訟(特許、商標、意匠をすべて含む民事事件、以下同じ)に対する特許法院(第2審)の最近5年間の平均処理期間は以下のとおりであります。
判決年度 |
2016年 |
2017年 |
2018年 |
2019年 |
2020年 |
平均処理日数 |
137日 |
209日 |
281日 |
308日 |
320日 |
勝率に関して、2017年から2020年までの民事訴訟の特許法院での判決の統計は以下の通りです。
判決年度 |
総判決数 |
原告勝訴 |
原告一部勝訴 |
原告敗訴 |
却下 |
その他 |
2017 |
139 |
1(0.7%) |
27 |
15(10.8%) |
51 |
45 |
2018 |
148 |
5(3.4%) |
20 |
20(13.5%) |
58 |
45 |
2019 |
130 |
2(1.5%) |
31 |
15(11.5%) |
23 |
59 |
2020 |
119 |
1(0.8%) |
18 |
10(8.4%) |
45 |
45 |
侵害訴訟では却下又はその他(調停、和解、仲裁など)の割合が高いことがわかります。
ちなみに、2019年7月に施行された韓国改正特許法第128条第8項及び第9項によれば、法院は、他人の特許権を故意に侵害する者に損害額の3倍を超えない範囲で拡大された賠償金の支給を命じることができるようになりました(懲罰的損害賠償規定の導入)。
また、損害賠償額の算定において、通常受けることができる金額ではなく、特許発明の実施に対して合理的に受けることができる金額を損害額として損害賠償を請求できるように改正しました(改正特許法第128条第5項 、第65条第2項、第207条第4項)。