日本にも根づくかショッピング・モール文化。 | 街マーケティング

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「住まい探しや出店は、まず街を選べ。」と言われます。エリアマーケティングの専門家が
街選びに役立つ、「元気な街、話題の施設」を紹介します。


ららぽーと横浜

 ショッピング・モールというとウディアレンとベッドミドラーが主演した映画「結婚記念日」を思い出します。この映画は、その舞台のほとんどがショッピング・モールで、しかもこの二人の会話が延々と続くユニークな作品でした。

ゆったりと快適で、長時間ショッピングや、食事や映画が見られるといったショッピング・モールが、映画が公開された1990年頃には、日本では、まだ一般化していなかったように思います。

●ららぽーと横浜は、都市型ブランド揃えと郊外型アメニティの融合。

先日、車で休日出勤した帰りに、自宅から比較的近いオープンしたばかりの「ららぽーと横浜」に立ち寄ってみました。私は、ショッピング・モールというと、この映画のようにまず、快適な環境というイメージがあります。

まず驚いたのが、その駐車場台数。4500台で平日は無料です。同じエリアにあるモザイクモールが1500台で地区最大規模とうたっていたのが遠い過去のようです。アクセス的には、快適と言えるでしょう。

ララポート横浜は、エンクローズド(屋根付き)モールで、中央が大きな吹き抜けになって、各階のショップが見渡せるギャレリア形式。この辺は、モールの王道を行っているようです。吹き抜けをつなぐブリッジ上に、おしゃれなソファーが設置されていて、くつろいでいる人ともども、なかなか絵になっています。

ショップ構成もザラ、バナナリパブリックとか、コーチといった従来は比較的都市型のブランドも出店していたり、ショッピングモール定番のユニクロ、無印良品、HMV、TOHOシネマズなどもしっかり押さえている。ABCクッキングスクールとかカルチャープラスなどサービス領域も加えて、なかなか成功しそうなモールでした。

従来、日本のショッピング・モールは、GMSが核だったのが、専門店がその個性を競い合う構成が中心となってきています。ららぽーと横浜にもイトーヨーカドーが入っていますが、核的な存在感はありません。ショッピングにもコモデティからスペシャリティへの大きな流れがありそうです。

各ショップも、1店舗の面積が比較的広く、ゆっくりショッピングするには快適な環境です。最近こういった、都市型ブランドを郊外的なゆったりとしたショッピング環境で構成するショッピング・モールが増えているようです。

●都心周辺に、ニュータイプのショッピングモールが増える

その意味で、日本でも特に都心周辺で、映画「結婚記念日」の舞台になったような巨大で快適な、そして楽しめるショッピング・モールが根付いて行きそうな予感がしました。

皆さんの周辺では、いかがでしょうか。