街マーケティング

街マーケティング

「住まい探しや出店は、まず街を選べ。」と言われます。エリアマーケティングの専門家が
街選びに役立つ、「元気な街、話題の施設」を紹介します。

エリア分析や店舗開発のマーケティング・スタッフが見た地域(県民)性、街、話題の施設をコメントしています。

―気質・性格で街を見るー

●目に見えない街の要素

 梅雨の真っただ中、TVで天気予報を見ていたら、興味深い言葉を使っていました。予報の「信頼度」という言葉です。梅雨前線の変化が激しい状況では、正確に予報できない、その信頼度はこの程度という意味です。
 
 当社は、出店のリスクヘッジや可能性を高める目的で、売上や集客予測を行なっている会社です。日常的に統計手法を使って、様々な予測をする訳ですが、同様に説明力という指標で、この信頼度を表しています。
 
 データサイエンスが発達してくると、このような確からしさまで数値で表現出来るようになります。
データで街や商圏を見るということは、目に見えない街の実態を把握することでもあります。身近な例でいうと、人口規模や世代構成、居住者が多いのか来街者が多いのかということは、実際に目では見ることは出来ません。
 
 このような目に見えない街の要素として、一つは、規模の潜在性などデータで見る要素と、もう一つ、街の気質・性格と呼べるものも、また、目には見えません。今回は、定量的なAI、ビッグデータが注目される中、あえて、定性的な街の気質・性格といったものに焦点を当ててみようと思います。
 


●一面的なデータだけでは把握しきれない

 出店戦略の相談を受けていて、
 「商圏ポテンシャルは十分なのに、出店して上手く行かない。」
といった相談を受けることもあります。
 
 例えば、エステやヘアサロンなど、専門的サービス業が目立ちます。ブランドが認知されており、オペレーションのマニュアル化も進んでいるチェーン展開のサービス業で、このような相談がありました。
ブランド認知は高いのに、なかなか集客に結びつかない店舗がある、エリアによって店舗集客にばらつきがあるということです。
 
 これは、街の気質・性格と出店業態が合っていない問題があると推測されます。人的対応が業績に大きなウェイトを占めるサービス業なので、個々の店舗の、問い合わせ、店舗認知の仕方、接客方法、リピート回数、顧客満足度など様々な店舗の内部要因データを分析してみることにしました。
 
 店舗ごとの集客数とそれに関連すると思われる店舗運営要素との相関分析をしました。結果は、目立った相関がありませんでした。そこで、商圏・運営要素での違いをハッキリさせるため、クラスター分析で類型化してみましました。

↑クラスター分析例
 


●チェーン店は店舗を類型化して見ると様々なことが分かる

 全店での相関分析では、目立った相関要素が見つかりませんでした。そこで店舗を、類型化してみると明確な要素が見つかったのです。集客に寄与する要因が、一つのクラスターでは、ブランドだったのに対し、もう一つのクラスターは、人の対応力だったのです。
 
 ブランドが効くのは、濃い人間関係を望まない郊外の新興住宅地です。逆に、下町的な、人と人とのつながりが重視されるエリアでは、あまり効果が無いことが分かりました。つまり、ブランドアピールして、店全体で人の役割分担で対応することに適した街と、人と人との個々のつながりを生かした方がよい街があるということです。
 
 店舗の内外要因を類型化すると自ずと成功要因が見えてきます。その要因さえ明確になれば、業態を変え業績拡大につながるチャンスになります。しかも、相関係数という指標でその信頼度も検証できる訳です。
 
↑相関分析例


●経済的ポテンシャルだけに注目するだけでなく、街の気質・性格にも目を向ける

 こういった街の気質・性格の把握は、大型店やレジャー施設、街の再開発にも当てはまります。特に、再開発の場合は、竣工してから50~100年というスパンで街が続くわけですから、街の歴史的DNAや50年後の未来予測も必要になってきます。
 
 規模の潜在性は、出店戦略として最も重要な要素の一つですが、これだけにとらわれていると、こういった定性的なミスマッチを起こしがちです。特に街の感性的な気質・性格が影響する専門的サービス業は、このような点が今後、大きな要素となりそうです。
 
 冒頭で説明した、天気予報の信頼度のように、こういった街の気質・性格はデータで検証することがなかなか難しいことが現実です。そのため、県民性のように、経験則や占い的にとらえられたりしがちです。ただ、例で紹介した相関係数などで、信頼度や説明力を検証する方法もあります。今後、特にサービス業の出店戦略の大きなポイントとなっていきそうです。
 
 規模の潜在性にプラスして、街の気質・性格を明らかにすることが、出店エリア選定や店舗業態づくりに役立つということです。
 
 さて、あなたの業種は、どのようなエリア気質・性格に左右されるのでしょうか。
 
 
 
 このような出店マーケティングに関心のある方は、当社webサイト「エリア&ストアマーケティング」へもお立ち寄りください。