映画には、永遠に語り継がれる名セリフ満載の名作も数多くありますが、このコーナーでは目立たないですが「ちょっとだけいいセリフや面白いセリフ」を取り上げています

 

~「映画のちょっといいセリフ」~

 

イギリスの社会保障の非人間的な制度と貧困の現実を、リアリティで鋭く描いた名匠ケン・ローチ監督作品わたしは、ダニエル・ブレイク」から

 

「私は依頼人でも、顧客でも、ユーザーでも、怠け者でも詐欺師でもない。きちんと税金を収めるまっとうな市民だ。身分の高いものには媚びないが、弱い者には手を貸す。私はダニエル・ブレイク。人間だ。犬ではない」

 

▲デイヴ・ジョーンズ/ダニエル・ブレイク

 

正確にいうと、これはセリフではありません。主人公のダニエル・ブレイクが、雇用支援の手続きの煩雑さ、役所の非人道的な扱いに対しついに支援団体の弁護士のところへ行き、役所に対して言いたい事を述べる寸前に持病の心臓病で倒れ帰らぬ人となります。同じような境遇のシングル・マザーのケイティが彼の葬式で、交渉の場で彼が読み上げるつもりで書いていた文章を読み上げます。それがこの言葉です。正確にはセリフではありませんが、これは彼の心の声です!

 

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「わたしは、ダニエル・ブレイク」

2016年/イギリス・フランス

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仕事に就けない老齢の男性とシングルマザー家族の交流を軸に、社会から取りこぼされ人々が、非人間的かつ非効率的な国の制度によって人間としての尊厳を奪われ、押し潰される様を鋭く物語です

 

 監督

ケン・ローチ

 キャスト

デイヴ・ジョーンズ

ヘイリー・スクワイアーズ

ディラン・フィリップ・マキアナン

老齢を迎えたベテランの大工であったダニエル(デイヴ・ジョーンズ)は、あるとき心臓発作が原因で倒れてしまう。職を失い医師からは休職を命じられたため、役所に行き、失業給付金申請の為カウンセラーと面談をするものの、職務可能と判断されてしまい、給付金は下りずにいた。そんな時、ロンドンから引っ越して来たばかりのシングルマザーのケイティ(ヘイリー・スクワイアーズ)達と出会う。彼女たち家族も道に迷って面会時間に遅れたために、融通の利かない公務員たちによって給付金が遅れることになった。二人は国の制度に疑問を感じながらも正直に生きていくのだが・・・

 

 

イギリスの複雑な社会システムや非人間的な対応に呆れるというより怒りを感じます。似たような対応はわたしも何度も経験したことがあります。それは怒りを通り越して悲しみに近いです。規則という名のもとに弱者を切り捨て、人間の尊厳をも踏みにじる現代社会の在り方を強く非難し、同時に貧困問題も描かれています

 

ダニエル・ブレイクを演じるのは、本作映画初主演のデイヴ・ジョーンズ。彼の穏やかな顔と茶目っ気のある表情が作品に温かみと勇気を与えています

 

 

第69回カンヌ国際映画祭、最高賞バルムドール受賞作品!

 

重く苦しい社会派ドラマですが、主人公のダニエル・ブレイクと2人の幼児を抱えるシングルのマザーのケイティ一家との交流が救いでしょうか。BGMほとんどなく出来事を淡々と描いているところにリアリティを感じます
 

前触れなく急に倒れたダニエルと残された手紙

 

「わたしは、ダニエル・ブレイク!」

 

これを聞いた時、不覚にも涙がこぼれました。彼に対して拍手喝采する人々の姿は、ダニエルへの励ましでもあり未来への希望でもあります

 

重い映画ですが是非ご覧ください!

 

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もうひとつの拙ブログ「ワンダの公募三昧」でも少し紹介させていただきましたが、今週(11日~15日)毎年恒例の公募旅行(1年間の公募の賞金で行く旅行)で東京の湾岸エリアに遊びにいってました。ゆりかもめでめぐる東京もなかなかいいもんです。ホテルに3泊し食べ歩きのほか、ショッピングや映画のほかにも美術館や博物館、イルミネーションなどを満喫してきました。横浜からは電車で1時間ほどですが、たまには時間を気にせずのんびり歩くのもいいものです。一年間の公募(川柳、ネーミング、標語など)のご褒美なのですが来年への励みになります

 

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自然の中の夕陽はもちろん素晴らしいですが、東京だってすばらしい夕陽は見られます。ビル街に沈む夕陽は、働く人たちへの労いのようで遠く富士山も見えます。何も言わず(言う必要がない)30分くらいずっと眺めてました

 

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お台場からのレインボーブリッジ

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ホテルからの夜景

 
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ホテルの正面玄関

 

横浜の夜景が個人的には一番だと思ってますが、湾岸の夜景も素晴らしい。美しい夜景を見ながら右手には少し甘めのホットココア、知らず知らずカミさんと手を繋いでおりました(笑)

 

 

 

横浜山下埠頭の動くガンダムもいいですが、お台場のダイバーシティのユニコーンガンダムもかっこいい!さまざまな角度から撮りましたが斜め後ろ姿が一番凛々しい。寒さのせいか驚くほど空いていました

 

「来年も、わたしを旅行に連れてって!」

 

任せなさい!来年はさらにグレードアップした旅行にカミさんを連れて行きたいです。そのためにも公募がんばりますよ