コロナ、ロシアのウクライナ侵攻、地震など最近暗い話題や残念な話題が多いですね。今日はそんな気分を吹き飛ばすスカッとする映画紹介!

 

  ちょっといい、映画のセリフ!

 

映画には、多くの”名シーン・名セリフ”がたくさんあります。例えば、ハンフリー・ボガートとイングリット・バーグマンの名作「カサブランカ」の中で語られる”君の瞳に乾杯!”のような、永遠に語り継がれる名セリフも数多くあります。ただ、このコーナーでは、目立たないですが妙に心をくすぐる「ちょっといいセリフ」を紹介しています

 

今日は2018年公開の「オーシャンズ8」からいくつか紹介します

 

 

「1億5千万ドルを8人で割る方が、ゼロを7人で割るよりいいでしょ?」

 

少しネタばれになりますが、グループのリーダーであるデビー・オーシャン(サンドラ・ブロック)が、ターゲットであるダフネ(アン・ハサウェイ)を仲間に引き入れてみんなに紹介するシーン。おバカで騙し易そうに見えたハリウッド女優扮するダフネ(アン・ハサウェイ)が、じつは計算高くキレ者であることがわかる楽しい場面です。何不自由なく暮らす彼女に「なぜ危険を冒してまで仲間になるの?」に対して言ったセリフが「女のトモダチが欲しかったから」というのも笑えます。そういえば彼女をいれて8人、納得です!

 

 

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「オーシャンズ8」

2018年/アメリカ(110分)

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ある男に騙されて5年余りの服役の末、刑務所から出所したデビー・オーシャン(サンドラ・ブロック)。彼女はあの有名な詐欺師ダニー・オーシャンの妹だった。彼女の目的は、メトロポリタン美術館で行われる祭典「メットガラ」で1億5千万ドルのジュエリーを盗み出すことだった。かくしてデビーはさまざまな犯罪プロを集め実行に移すのだが・・・

ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモン、アンディ・ガルシアなどの豪華キャスト「オーシャンズ」シリーズの女性版!

 

▲サンドラ・ブロック

▲ケイト・ブランシェット

▲アン・ハサウェイ

▲リアーナ

▲ミンディ・カリング

▲サラ・ポールソン

▲オークワフィナ

▲ヘレン・ボナム・カーター

 

 監督

ゲイリー・ロス

 

 キャスト

サンドラ・ブロック/デビー・オーシャン

ケイト・ブランシェット/ルー・ミラー

 

アン・ハサウェイ/ダフネ

ミンディ・カリング/アミータ

サラ・ポールソン/タミー

オークワフィナ/コンスタンス

リアーナ/ナインボール

ヘレナ・ボナム・カーター/ローズ

 

リチャード・アーミティッジ/クロード・ベッカー

ジェームズ・コーデン/保険調査員

 

エリオット・グールド/ルーペン

 

監督は「ハンガーゲーム」のゲイリー・ロス。司令塔のデビー・オーシャンには「スピード」「あなたが寝ている間に・・」「デンジャラス・ビューティー」などのサンドラ・ブロック。彼女の片腕には「エリザベス」「リプリー」「アビエイター」のケイト・ブランシェット。ターゲットになる女優役ダフネには「プラダを着た悪魔」「レ・ミゼラブル」「マイ・インターン」などのアン・ハサウェイという豪華版。その他には歌手としても有名なリアーナ、コメディアンヌとして知られるミンディ・カリングなど多彩な面々が顔を揃えます。男性陣では「ホビット」シリーズのリチャード・アーミティッジ、「ワンチャンス」のジェームズ・コーデン、そして「オーシャンズ」シリーズでもお馴染みのエリオット・グールドもちょっとだけ出ています

 

オーシャンズ8の面々

 

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「オーシャンズ」シリーズのスピンオフ作品!

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時系列上では「オーシャンズ13」(07)から続く物語ですが、主人公デビー(サンドラ・ブロック)がダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)の妹である以外繋がりはなく単独の物語です

 

物語はデビーが出所するところから始まります。その時の看守とのセリフもイカしてます

 

「どこか行くアテはあるのかい?」

「45ドルもあるのよ!どこへだって行けるわ」

 

そのあと兄の墓参りに行き、彼が亡くなったことを知ります(一応ダニー・オーシャンは2018年に亡くなっていることになっています)

 

「本当に死んだの?」

 

犯罪モノが得意なハリウッドなら、銃撃やカーチェイスといった派手なアクションが王道ですが、主人公が全員女性ということで頭脳的な連携プレイを楽しむ映画です。スマートでクールな女性犯罪軍団の活躍は小気味よく、ある意味爽快感さえあります。8人という大人数ですがそれぞれキャラも立っており、何よりテンポがいいですね。さらに意外と音楽もキレてます!

 

ファッションも見どころのひとつ

 

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「なぜ盗むのかって?特技だから!」

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デビーの片腕のルー(ケイト・ブランシェット)、ハッカーのナインボール(リアーナ)、崖っぷちデザイナーのローズ(ヘレナ・ボナム・カーター)そして、ぶりっ子全開のダフネ(アン・ハサウェイ)など8人8様の個性的な犯罪集団を束ねるのがダニーの妹のデビー・オーシャン(サンドラ・ブロック)。そんな彼女にルーが尋ねるシーン

 

「なぜ困難な宝石強盗をやろうと思ったの?」

「特技だから」

 

旧知の仲ならではの二人のセリフもいいですが、ほかにも楽しいセリフがたくさんあります。さらに、3キロというゴージャスな宝石をめぐる8人のファッションも見どころのひとつです。ザっと数えただけでもサンドラ・ブロックは衣裳だけでも18着!ケイト・ブランシェットが14着!特にクールなジャケットやスカジャン、レザーなどを着こなすケイト・ブランシェットは惚れ惚れするくらいカッコよかったですね。個人的には彼女の料理人姿が一番の推しです(笑)

 

 

 

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デビーのリストとは?

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本作を観た人は覚えがあるかもしれませんが、主人公のデビー(サンドラ・ブロック)が何度かメモを見るシーンがあります。最初は彼女が出所してからホテルの風呂場で、二番目がタミー(サラ・ポールソン)と話していた時、そして最後が計画通り成功してペンで消していくときです。この時の消した最後の項目が「14・キューピッドの歓び」でした。当初このメモには「作戦」を実行するにあたっての大事なメモだと思っていました。確かに「するべきことのリスト」には違いないのですが、「春休み!」「悪魔?」「楽しく」など抽象的な言葉が書かれています(全部は読み取れませんでした)。しかも、タミーと打ち合わせの時「大事なことだから、あなたのメモに追加してよ」と言われて「これはいいのよ」と返しており、実行リストには違いないのですが彼女なりに、他の言葉に置き換えたリストだと思います。つまり、最後の「14・キューピッドの歓び」はダフネ(アン・ハサウェイ)と自分を裏切ったベッカー(リチャード・アーミティッジ)をくっつけて、犯人に仕立て復讐を遂げるという自分なりの”暗号”だったのではないでしょうか?事実、デビーは二人の仲を取り持つ工作をしており、キューピッド役になりました。だからこそ宝石を強奪して完成ではなく、彼への復讐で完結していたのだろうと思います

 

いざ決行の時に鏡に向かって鼓舞しているデビーのセリフ

 

「これは私のためではない。あなたたちのためでもない。この世界のどこかで犯罪者を夢見る8才の少女、彼女のためにやろう!」

 

仲間をすべて女性にすることにこだわっていたデビー。みんながみんな”お姫様”に憧れているわけじゃない、という彼女なりのメッセージなのでしょうね

 

 

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最初と最後の墓の意味は?

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話しは戻って冒頭のシーン!

兄ダニーの墓の前でルーベン(オーシャンズシリーズで出て来るダニーの友人の金持ち)が、「仕事というのは、成功の確信があればそれで十分な場合がある。実行しなくてもいいんだ」という言葉を口にします。デビーが多分計画しているであろう困難な計画を遠まわしにやめさせようとします。実はこのセリフを含めて、映画終盤までは、兄ダニーは死んでいないと思ってました。ところがラストシーンで兄の墓へ成功を報告したセリフでやはり亡くなったと思うようになりました

 

「You'd have loved it!」

 

「どうだった?」という訳もありますが「気に入ってくれたよね」という訳が言い当てている気がします。完璧な「仕事」を終え、伝説の詐欺師の兄の墓に向い同意を求めてつぶやいて物語は終わります

 

是非続編を作ってほしいです。今度はダニーの奥さんジュリア・ロバーツを加えての「オーシャンズ9」ってどうでしょう?