映画には、ハンフリー・ボガートとイングリット・バーグマンの「カサブランカ」のような永遠に語り継がれる名セリフ満載の名作も数多くありますが、今日は、野にひっそりと咲く花のように目立たないですが妙に心をくすぐるセリフをひとつ。映画「今夜、ロマンス劇場で」から!

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「男が簡単に下を向くな!

男はいつも未来を見ろ!

下を向いていたら今しか見えないぜ!」

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▲スター龍之介(北村一輝)

 

物語の終盤に、北村一輝演じるスター龍之介が、落ち込んでいる助監督の牧野(坂口健太郎)に言うセリフ!この映画での北村一輝の弾けっぷりは相当なもので、大仰な演技が、少し真面目でおとなしいこの映画にインパクトを与えています。この映画と同様、映画愛に溢れた「蒲田行進曲」(82年)でいう「銀ちゃん」のような存在で、このセリフは妙にキマッテました!

 

▲助監督の牧野(坂口健太郎)とお嬢様(綾瀬はるか)

 

「今夜、ロマンス劇場で」
2018年/日本

 

映画監督を目指す青年(坂口健太郎)と、スクリーンから飛び出した彼の憧れだったお姫様(綾瀬はるか)との不思議な恋模様を描くファンタジーロマンス!

 

●監督  武内英樹

●脚本  宇山佳佑

●音楽  住友紀人

 

●CAST

綾瀬はるか/美雪(お姫様・美雪)

坂口健太郎/牧野健司(映画助監督)

 

本田翼/塔子(撮影所長の娘)

北村一輝/俊藤龍之介(撮影所のスター)

中尾明慶/山中伸太郎(助監督)

石橋杏奈/吉川天音

 

西岡徳馬/撮影所長(塔子の父)

柄本明/本多正(ロマンス劇場支配人)

 

加藤剛/病室の老人

 

▲柄本明/本多正(ロマンス劇場支配人)

▲加藤剛/病室の老人

 

栄華をきわめた映画界にテレビの出現によって陰りが見え始めた昭和30年代の半ばの映画撮影所が舞台_

映画監督志望の健司(坂口健太郎)は、毎夜、映画館「ロマンス劇場」に通い詰めていた。彼はそこで一人の女性と出会うが、彼女こそ健司がずっと恋い焦がれてきたスクリーンの中のお姫さま・美雪(綾瀬はるか)だった。ある日、美雪はモノクロのスクリーンの中から抜け出して、色にあふれた現実の世界を満喫するが・・・。

 

ノスタルジックな風情溢れる映画の撮影所や映画館、田園風景など見ているだけで安心できる心地よさが何とも言えません。それでいて妙に洗練されていて、よくありがちな猥雑さがなく、上品なアンバランスさと気軽さがいい!多分、主演の綾瀬はるかのせいなのでしょうが、彼女だけ映画の中では別次元の印象でした。実は観る前は「ローマの休日」をパロッたコメディ映画と思っていたのですが意外にイケます!

 

個人的な印象としては、多部未華子の「あやしい彼女」(16年)に近いですが、物語としてちょっと弱いのが気になります。ただ、ノスタルジックな画像は好感が持てますし、随所に楽しい場面があります。綾瀬はるかのファッションも見どころの一つで、彼女のファンなら堪らないでしょうね。電話BOX越しのキスなど見どころも多いですし、やはりラストが印象的でした。加藤剛と姫(綾瀬はるか)の連想ゲームをするくだりは泣けます。ネタバレはなるべく避けたいので是非本編をどうぞ!

 

 

劇中で、姫(綾瀬はるか)がひとりで観て泣いていた映画が、あの名作「カサブランカ」でした

 

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