久々の「思い出の映画音楽」から

 

この曲を初めて聴いたのは、はっきりと覚えておりませんが東京FMのラジオ番組で、映画音楽のリクエストだったと思います

 

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「愛と青春の旅だち」 

-Up Where We Belong-

/ジョー・コッカー&ジェニファー・ウォーンズ

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アカデミー歌曲賞を受賞した名曲!

枯れた声のジョー・コッカーと甘い声のジェニファー・ウォーンズのデュエットが見事にマッチしています。サビも部分は何度聴いてもしびれます!

 

♪♪

人生の道は長い

山々も僕らの前にそびえたつ

でも僕らは毎日一歩づつ登るんだ

 

「いい映画には、いい音楽がある!」

 

全米で大ヒットしたバラードナンバーで、この後、結婚式に使われることが増えたのも頷けます。そして、ラストシーンでの「お姫様だっこ」に憧れた女性も多いのではないでしょうか。この曲は、実は最終の試写段階でエンディングシーンを盛り上げるために後から作られたそうです。しかも、当初はジェニファー・ウォーンズが一人で歌う予定が、彼女の声だけでは甘すぎるというので急きょ、たまたまアメリカツアー中だったジョー・コッカーが参加となったそうです。どこかでちょっとでも歯車が違っていたら、この曲は生まれていなかったワケで、そう思うとこの名曲が生まれたのも、この名作が生まれたのも「偶然」というより「必然」だった気がします。結果的に最高の組み合わせになり印象的なラストを演出した名曲となりました

 

 

この映画は、レギュラーで紹介するか「思い出の映画音楽」で紹介するか迷っておりましたが、あまりにも印象深い音楽でしたのでこちらのコーナーにしました

 

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「愛と青春の旅だち」

1982年/アメリカ(124分)

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海軍士官学校の新入生と、町工場の娘とのロマンスを軸に人間としての成長物語で、日本で音楽と共に爆発的にヒットした青春映画の傑作!

 

監督/テイラー・ハックフォード

 

リチャード・ギア

デブラ・ウィンガー

 

デヴィッド・キース

リサ・ブロント

ルイス・ゴセット・Jr.

 

 

原題は「An Officer and a Gentleman」

(士官と紳士)

 

リチャード・ギアの名を一躍有名にした映画!

 

リチャード・ギアが若い、若い!原題は主人公が「士官になるには紳士としても成長する必要がある」という意味で、確かにこの原題ではヒットしなかったでしょうね(笑)。いろいろ言われましたが「愛と青春の旅だち」の邦題は少し仰々しい気はしますが良かったと思います。ただし、やはり音楽の影響は大きかったですね

 

冒頭の無声シーン!

実は父親と二人の裸の女性がベッドに寝ているだけなんですが、その後の少年時代のフラッシュバックで自堕落な生活がわかる上手いシーンでした

 

「行くところがない!」

 

映画半ばで教官のウォーリーに退学されそうなときに叫んだ言葉にホンネが隠されており、冒頭のシーンが伏線になっています。これからメイヨ(リチャード・ギア)が変わり映画も俄然面白くなります。海軍士官候補生の友情、愛、そして人間としての成長物語で、単なる甘い恋愛モノにしなかったことが作品に幅がでましたね

 

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この映画は対比が面白い!

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落ちこぼれの士官候補生とエリート士官候補生

恋に憧れる女性と玉の輿を夢見る女性

恵まれた家庭とそうでない家庭

新入生と教官

エゴイズムとアルトイズム

 

例えば、光を際立たせたかったら光を強く描くより影を強調した方が効果があるように、さまざまな対比から、友情、恋愛、そして人間としての在り方を描いています。比較的わかり易い物語で、ベタで青臭い分、妙に安心感があります

 

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女性を迎えに行かせたら・・・

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以前、雑誌かなにかで読んだ記憶があるのですが、リチャード・ギアは「女性を迎えに行くシーンを演じたらピカイチ」なんだそうです!「プリティ・ウーマン」もそうでした(笑)甘いマスクにあの笑顔ですからねえ~それにしても「トップガン」のトム・クルーズもそうですがバイクシーンのカッコいいこと!

 

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因縁?のジョン・トラボルタ

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もともと、この役は当時人気だったジョン・トラボルタで撮る予定だったところ、断られたために当時「アメリカン・ジゴロ」(80年)で注目されたリチャード・ギアが演じて大ヒットとなりました。さらに02年の話題のミュージカル映画「シカゴ」でもトラボルタにオファーがあったものの、断られたためリチャード・ギアが出演しています。因縁めいた話ですがハリウッドでは、こういう話しは山のようにあるようです。ちなみに、トラボルタは、後のインタビューで「”愛と青春の旅だち”を断ったことは後悔していないが”シカゴ”のオファーを断ったのは失敗だった」と述べています

 

 

 

この映画は、ザック(リチャード・ギア)とポーラ(デブラ・ウィンガー)の恋愛より、軍曹のウォーリー(デヴィッド・キース)とのシーンにグッときますね。鬼教官との厳しくとも人間としてのふれあい、友情、そして、教官ウォーリーが最敬礼で教え子たちを見送るシーンが印象に残ります

 

友人のひとりが「生涯一」と絶賛した映画で、間違いなく青春映画の代表格のひとつ!

 

今宵はじっくり聴いてください