今日は久々の西部劇の紹介!
先日、メッセで西部劇のレビューのリクエストがあり、この映画を思いつきました。実は、以前から「西部劇人気投票」の企画を考えておりまして、あえて避けていたジャンルではあります。いつかはやりますのでよろしくお願いします!
この映画を初めて観たのは、確か小学生の時にテレビだったと思います。その後、レンタルで2回、強く印象に残った一本です!
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「怒りの荒野」
1967年/イタリア・ドイツ(111分)
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トニーノ・ヴァレリ監督、ジュリアーノ・ジェンマ主演の「マカロニウエスタン」の傑作!
<監督>
トニーノ・ヴァレリ
<キャスト>
ジュリアーノ・ジェンマ/スコット
「荒野の1ドル銀貨」「南から来た用心棒」などマカロニウエスタンで一躍スターダムに駆け上がり、甘いマスクで日本でもCM出演があり50代以上の映画ファンなら知らない人は居ないのではないのでしょうか?
リー・ヴァン・クリーフ/タルビー
イーストウッドの「夕陽のガンマン」、ゲイリー・クーパーの「真昼の決闘」など、数多くの映画に出演しており悪役で有名です
ウォルター・リラ/マーフ
ルーカス・アマン/クッチャー
エンニオ・バルボ/ターナー
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「マカロニウエスタン」は60年代から70年代に作られたイタリア製西部劇のことで、淀川長治先生が名付けた造語と言われています。本場の正統派ハリウッド西部劇に対して娯楽性のみを追究したチープなつくりが多いですが、最大の違いはその暴力性にあり、正義というよりアウトローや一匹狼を主人公にしたハードボイルドな作風が特徴です
開拓期末期のメキシコ国境近くの小さな町が舞台_
娼婦の子供として生まれたスコット(ジュリアーノ・ジェンマ)は、町の人々から疎まれ生活していたが、ある日、すご腕のガンマンのタルビー(リー・ヴァン・クリーフ)がやって来て・・・
マカロニ・ウエスタンの最高傑作のひとつ!
古さは感じるものの娯楽作品としての完成度は高いです。前半の丁寧さと一転しての後半のバタバタ感が残念で脚本の杜撰さは否めません。わかり易いストーリーであるものの、全体のまとまりがない印象です。ただ、それでも面白いのはジュリアーノ・ジェンマとリー・ヴァン・クリーフの存在です
胡散臭さの中にあるバイタリティがあります
このヴァレリ監督は、マカロニウエスタンの巨匠レオーネ監督の助監督をしており尊敬していたそうで、ストーリーにレオーネ監督を追い抜く構図が見てとれるのは考え過ぎでしょうか?
イタリア製西部劇、通称「マカロニウエスタン」を代表する俳優といえばクリント・イーストウッドやフランコ・ネロ、そしてこの映画の二人ですが、個人的には「マカロニウエスタン」の持つディープな世界としてはジェンマの持つ爽やかさがマイナスなはずですが、彼のおかげで女性ファンが増えたのも事実ですね
西部劇の悪役を演じたら右に出る者がいないと言われるリー・ヴァン・クリーフですが、この映画は彼の映画だと思います!弾を口に咥えての馬上での決闘シーンや、ライフルを構えて迎え撃つシーンは何度見ても惚れ惚れしますね。冷たい瞳にニヒルな笑い・・・汗くさいガンマンの中にあってクリーフのダンディぶりはひときわ目立っています。彼の強烈な個性がこの映画を支えていると言っても過言ではありません
オストラーニの軽快かつ哀切感のあるメロディ!
あのタランティーノ監督が好きな映画として挙げており、映画「キル・ビル」の中でこの音楽が使われています。ジェンマが、教えられた「ガンマン10戒」を唱えながら手下を一人一人倒し、クリーフを追い詰めていくクライマックスの構成も巧みです
比較的マカロニウエスタンお得意の残酷シーンは抑えめですから女性でも見やすいと思います
是非ど~ぞ!