どもです!
今日(25日)まで、横浜元町は「チャーミングセール」忙しい日々でしたが、9日間のうち6日も雨に降られ、少しも「チャーミング」ではなかったですねえ~
今日は、久々の日本映画の紹介!
最近はテレビで放映される時代劇が少なくなりましたね。自分が子供の頃は、テレビドラマや東映の時代劇をよく見た記憶があります。時流と言われればそれまでですが少し寂しい気がします。今日の映画は、公開してすぐ海老名の映画館で観ております。その後、レンタルで数回!余韻の残る素晴らしい映画でした
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「たそがれ清兵衛」
2002年/日本(129分)
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藤沢周平原作の時代小説を、山田洋次監督が映画化!妻に先立たれた寡黙な下級武士の生きざまを描いた時代劇
<監督>
山田洋次
<キャスト>
井口清兵衛/真田広之
井口萱野/伊藤未希
井口以登/橋口江莉奈
井口きぬ/草村礼子
井口藤左衛門/丹波哲郎
直太/神戸浩
晩年の以登(兼ナレーション)/岸恵子
飯沼朋江/宮沢りえ
飯沼倫之丞/吹越満
飯沼八重/深浦加奈子
甲田豊太郎/大杉漣
余吾善右衛門/田中民
久坂長兵衛/小林稔侍
寺内権兵衛/中村梅雀
その他、そうそうたる面々が出演しています
この映画は、藤沢周平氏の「たそがれ清兵衛」「竹光始末」「祝い人助八」の三つの短編を土台に作られており、ストーリーは原作とは違います
物語は、岸恵子扮する壮年になった清兵衛の娘「以登」が述懐するところからはじまります
幕末の庄内地方が舞台_
主人公の井口清兵衛は、夕刻の終業の太鼓の音を聞くと、同僚との付き合いなどはせず、まっすぐ自宅へ帰ることから「たそがれ清兵衛」と呼ばれています!
「おのおの方、ご苦労さんでがんした。だは本日はこれで」
五十石の下級藩士で、妻を亡くし二人の幼い娘と痴呆の母との暮らしを淡々と描いています。全編を通じて感じるのが、画面の暗さや暮らしぶりですが、これは山田洋次監督の徹底したリアリズムにこだわった作品であることが読み取れます。したがって、ダイナミックな時代劇を期待した方にはもの足りなさを感じるかもしれません!
しかし、山田監督の画面へのこだわり、作品への想いがヒシヒシと伝わる映画です!
「娘が日々成長していくのを見るのは、畑の野菜が日々育っていくのを見るのと同じで、とても楽しいものでがんす」
貧しいけれど暖かな暮らしで、娘が父親を心底慕う姿がけなげです!
山田監督の人柄がにじみ出た優しい映画です!
ゆったりとした、時の流れをかみしめるような描写がいいです。前半の貧しいけれどほのぼのとした雰囲気から、藩命を受けてからガラリと緊張感が加わります!
宮沢りえの立ち居振る舞いが美しいです
特に、朋江が清兵衛のために対決の身支度をするためにたすき掛けをするシーンは惚れ惚れします。お互いのさまざまな葛藤を押し隠し、黙々と支度を手伝う朋江や清兵衛の姿に、勇ましさや派手な演出がない分、ゆっくりと心に染み入ってくる感動があります!
「もし、生きて帰ってきたら、嫁にきてもらえないか?」
この映画を、起伏がなくつまらないと言う人もいますが、面白いか面白くないかは、個人的な見解でもありなんとも言えません。でも自分はこういう映画は好きです。ストーリーや画面のダイナミックさを語る映画ではありません。ただ、沁みる映画ではあります!
いろんな想いをこめて、対決前の小太刀を手入れすシーンが美しいですね
余吾との対決シーンは見物です
長いカットでの二人のコトバのやり取りが、逆に緊迫感がありました。豪快な時代劇の殺陣ではなく、泥臭い死闘、疲れ果てた姿が「生きること」をリアルに描いていたと思います
真田広之がよかったですが、それに負けないくらい宮沢りえが素晴らしかったです
実は、この女優さんあまり好きでなかったんですが、いつの頃からでしょうか、肩の力がフッと抜けて自然体になりましたねえ~
呆けた母親が朋江に言います・・・
「どなたでしたかしら?」
泣きながら朋江は言います
「幼なじみです!」
泣けましたねえ~本当は「妻です!」と言いたいが言えない哀しい場面です!
山田洋次監督が、徹底してリアリズムにこだわった作品です!日本人の本質的な心や、日本の風景美を表現する数少ない監督さんだと思います
「父は不運な男だという人もいますが、私はそう思わない。私たち娘を愛し、美しい朋江さんに愛され、充足した思いで短い人生を過ごしたに違いありません!」
ラストのナレーションで淡々と語りかけます
どんな環境でも、家族を愛して生きること!
のメッセージをしっかり受け止めたいですね
是非、ご覧ください