ども^^
相変わらず忙しい(笑)

今日は久々の邦画です!決して邦画が嫌いでも苦手でもありません。そのうちバンバン書きます!この映画は封切りで観ておりまして、その後レンタルで何度も!実はインフルエンザで寝込んだ時に、20本ほど映画を観た中の一本で、大好きな和田誠さんの映画監督としてのデビュー作品!

~~~~~~~~~~~~~~~~
「麻雀放浪記」
1984年/日本
~~~~~~~~~~~~~~~~

終戦後間もない東京上野界隈を舞台に、博徒たちの生きざまを赤裸々に描いた阿佐田哲也の原作を映画化した話題作品!

  

<監督>

和田誠

イラストレーター、エッセストでも有名で、本作が第1回監督作品となります!小泉今日子の「怪盗ルビイ」など好きな作品が多いです。原作は、「麻雀の神様」と呼ばれた阿佐田哲也で、昭和40年代の麻雀ブームの火付け役となった雀士のバイブルと言われるほどの鬼本です!

実は、自分も中学時代にマージャンを覚え、昼間は野球、夜はマージャン三昧の生活で、20代の頃は某団体の全国大会などで打ちまくっていた時期もありました(笑)今はきっぱりやめましたが、洞察力、判断力、対応力のほかに、流れや勝負勘など役にたったことが多いですねえ~今でも、最高に面白いと思いますよ!



<キャスト>

今回は、過去の出演作などの詳細はやめておきましょう!お馴染みの方々の役どころを少し・・

真田広之/坊や哲
鹿賀丈史/ドサ健

加藤健一/女衒の達
名古屋章/上州虎
高品格/出目徳
加賀まりこ/ママ
大竹しのぶ/まゆみ

このほかにも、個性派俳優さんがずらり!原作も当然読んでますが、雰囲気はいいです・・ただ、主演は真田広之ではないです。彼は大好きですが、坊や哲役ではいい男過ぎます(笑)

この映画のキャッチフレーズ

「本物のろくでなし!あんたに惚れた。」






物語は、戦後復興期のドヤ街を舞台に始まります・・・薄汚い掘っ立て小屋に、胡散臭い連中がドンブリを囲んでやっていたのが「チンチロリン」

三つのサイコロとドンブリさえあれば、何処でもできる博打です(今ではゲームですかねえ)

このオープニングが決まってます!
この映画のスタンスというか、心構え、肝の据わり方がいいですねえ~

揺れる裸電球、淀んだ空気感・・


モノクロで撮影されていることで、時代の寂れ感や味わいがありますね。さらに、オープニングの「東京の花売り娘」以外いっさい音楽を使わないことで、より物語をリアルに仕上げていると思います


ストーリーがとにかく面白いです

学校を自主退学した主人公(坊や哲)が博打の道にのめりこんでいくのですが、ひとコマひとコマに凄さがあります!麻雀を知らなくても(知っていればなおさら)極上の緊迫感っを味わえる完成度の高い映画です。勝負の世界の映画ですから、一般社会からみれば、あまり「いい人」は出てきません。どいつもこいつも「ろくでなし」です。だから、魅力があります!

登場人物がおもしろい

「二の二の天和」の出目徳こと高品格さん

鬼気迫るドサ健の鹿賀丈史

切れ味鋭い女衒の達こと加藤健一

ひょうひょうとした上州虎の名古屋章

明日をも知れない勝負師たちの熱い戦いが匂い立つようで、それでいて少しコミカルさが逆にハリウッド映画を観ている気軽さがあります。真剣勝負なんだけど、どこかそれを楽しんでいる余裕を感じる映画です!



この映画はドサ健(鹿賀丈史)の映画ですね!

もともと、この役は、あの松田優作がする予定だったらしいのですが、彼ならもっと鬼気迫る演技を見せていたと思いますよ・・ただ、こんな風に「ろくでなし」ではなかったでしょうねえ~

「オメエ達みたいにマジメに仕事して何になる?」
「オメエ達ができるのは、長生きだけだ!」

とことん「ろくでなし」でしょ?

「ゼニが大事に見えてきたか?」
「負けて無くすのが怖くなってきたろ?」

直球勝負のドサ健にしびれますねえ~

この映画は、バクチ打ちの生きざまを描くとともに、坊や哲の青春物語さらには、ドサ健とマユミとの愛の物語です!麻雀で負けて身も心もボロボロになり、それでも勝負の為にマユミを女郎に売り飛ばそうとし、周りから意見されるのをドサ健が一喝するセリフがすごい!


「あいつはオレの女だ!この世でたった一人のオレの女だ!」
「死んだオフクロと、この女だけは迷惑かけたってかまわねえんだ!」

自己中心のどうしようもない「ろくでなし」のたわ言ですが、深い愛を感じます



最近の麻雀は上品です!

ゲームとしての麻雀は楽しく、もちろん否定はしません!ただ「打つ」(麻雀を)ことを知らない人には、この映画の良さは理解できても、ドサ健の愛については理解できないかもしれませんね!

この映画の麻雀指導は、その道では名人と呼ばれた桜井章一氏があたっております。さすがに、実践経験もあるのでしょうが皆さんなかなかの牌さばきでしたが、若干数名ぎこちなかったのはご愛敬でしょう(笑)

加賀まり子さんと大竹しのぶさんの女性陣の二人の存在が光ってました!
殺伐とした風景の中で、唯一の救いでした(笑)



ドサ健とマユミのセリフ・・・

「なんで俺みたいなクズから離れないんだ?」

「私がアンタに惚れてるからじゃないの、アンタが私を好きだから離れないの」


ろくでなし達に乾杯!
そして、イカした映画に乾杯!