北海道積丹半島の神威岬を歩いた時のこと。訪れたのは2015年8月12日のことだった。積丹半島は北海道の西側に位置して日本海に突き出ている大きな丸い半島だが、神威岬はその中でもさらにとんがっている場所だ。神威(カムイ)とはもちろんアイヌ語で神のことだが、文化の背景が異なるため厳密にはニュアンスも少し違う。そのあたりは各自調査で。

 

積丹半島は人が立ち入るには厳しい地形が続くので、自然が丸ごと残されている場所の一つだ。

 

上記の「立岩」にもこんな伝説が残されている。

 

 

 

リンドウの仲間っぽいけど、これがエゾリンドウの花なのかというとちょっとわからない。紫色できれいなお花。

 

清掃協力金として100円を支払う。事実上の入山料。

 

 

ウドの仲間のお花。正確な種類はわからない。

 

門をくぐってスタート。神威岬の上を行く道は「チャレンカの小道」というらしい。

 

「女人禁制の地 神威岬」と門にかいてあった。もちろん今は女人禁制ではない。

 

歩き始めるとすぐに私が好きそうな遺構が出てきた。

 

上部は風雨で欠けている。高さは3mくらいのキノコ型。

 

 

コンクリートに丸い小石と鉄筋も入っているのがわかる。

 

中はもちろん立ち入り禁止。

 

これは何かというと。昭和15年(1940)に計画、昭和17年(1942)に完成した電磁台(電波探知塔)。ようはこのコンクリは土台だけで、ここから棒のように無線塔や電波探知機(レーダー)が出ていて、ソビエト連邦(ロシア)軍の動向を日本軍が調査していたのだ。ということは他にも何か所かこうした土台があったのかも。何かの資料で読んだんだけど(たしか北海道新聞の記事)、アメリカとソ連の通信をやりとりを傍受して原爆が投下されたことを翌日には把握していたとか。最初からそんなにソ連を信用していなかったんだったら、当時の日本政府首脳はソ連の仲介でアメリカ、イギリス等と講和を結ぼうとかぬるい考えを抱くなよと思う。なお原爆投下後の8月9日からどさくさで日ソ中立条約を破棄してソ連の対日参戦。

 

お花畑は外交ではなく、自然だけにしてほしい。

 

 

交通の要衝なので、北海道の沿岸を航行する船はここの沖合で方向を変える。

 

またウドの仲間。

 

少しふりかえって。

 

海浸食の洞窟もあちこちに見かけた。ここでは二つある。地層も玄武岩溶岩っぽいのに、火山噴出物のような赤い地層があって、また溶岩っぽいのがある。

 

たぶん海浸食でできた海蝕洞。でも険しい崖にかこまれていて、海からのアクセスしかできなさそう。

 

急な斜面もよく見ると、火山噴出物っぽい岩や土でできている。時間が経つにつれて、だんだん崩れていきそうな印象。

 

ふりかえって。万里の長城のように道が続いている。

 

日本海。天気がもっと良ければ。

 

最後の頃に、典型的な地層が丸出しで風化した山が。

 

 

砂岩っぽいけど、時々礫も入っている。古い時代には海の砂浜だったのだろうか。下の地層とは全然違っていて面白い。

 

 

岬の突端近くには現役の灯台。

 

 

明治21年(1888)8月25日に初点灯。建設は大変だったろう。

 

周囲を囲う石垣も強い風波から守るため。

 

 

神威岬灯台の詳しい歴史。有人で管理していた時代は大変だっただろう。

 

「昭和8年8月発(?)足」のコンクリ台。これも壁だったような。

 

岬の一番先は少しだけ広場になっている。

 

上からは見事な絶景が。

 

小さい島に立っているのが神威岩。昔の人が、ここには神様がいると思うのもわかる。自然だけでよくこんな造形ができたと思う。

 

立地。

 

 

それから

 

海がものすごくきれいで、この青色を「シャコタンブルー」と呼ぶのだとか。

 

山が好きな自分としては、この連なる山々もすごく素敵だ。

 

 

 

これは分かる。ハマナス。

 

 

 

道にいたアオダイショウの子供。マムシにちょっと似ている。