漫画家にして妖怪の大研究者である水木しげる先生が亡くなった。
そこで私が実際に「妖怪」を体験したときのことを書いてみたい。
前回書いた「とある半島の謎の池と水道遺構」の直後に、この山のすこし開けた場所で昼食休憩を取っていた時のこと。





ここには、すぐ近くにキツツキが作ったのか、どこか不気味な穴だらけの木が生えていた。

特に気にすることもなく休憩していたら、突然「ドガーン!」と大音響と衝撃が襲った。てっきり、不気味な木が倒れたと思ったが、実際には何も起きていなかった。生まれて初めての経験で、どこか気味が悪かったので別の場所へと移動することにした。

帰宅後、あの体験が気になったので、調べてみるとそれが「朽木倒し」という妖怪現象だったことが判明した。
古い文献や、昔の人の体験談でも、比較的よくある現象のようだった。現在でも山で生活を送る、猟師や樵(林業)の人などは時々遭遇しているようだ。科学的には対角線上の山の斜面で実際に木が倒れたとか、合理的な説明が付く現象かもしれない。

しかし人がよりつけない自然だらけの山奥で、日常生活を歩んでいては思いもしない不思議な現象に遭遇できて、驚いたけどこんなことが今でも残っていることにとても興味深く思った。この山では、他にもこういう現象がたびたび起きている。水木先生が実際に経験している「何か」が今でも残っていることにうれしく思った。