デパート(百貨店)の屋上には、ミニ遊園地が元々あったことが多く、アラサー以上の人は子供のころ親に連れられて遊んだ記憶を持つ人も多いのではないだろうか。私自身がそうなのだが。
しかしライフスタイルの変化なのか屋上遊園地は一つまた一つと消えていき、現在関東地方に残る屋上遊園地は、埼玉県川越市の「まるひろ百貨店川越店」のみとなってしまった。と、思ったのだが、なんと東京都大田区蒲田にある東急プラザ蒲田店の屋上にある「かまたえん」が最近復活したらしいので、関東地方では2つに増えたとか。屋上遊園地の観覧車も、全国で残るのは、ここ川越と蒲田のみ。

川越にある屋上遊園地の正式名称は「わんぱくランド」で、運営はゲーム会社のナムコ。雑誌やネット媒体などで前から気になっていたのだが、ある夏の日曜日、長男を連れてついに訪れることができた。正式名称は「かんらんしゃ わんぱくホイール」。


さて、まるひろ(丸広)百貨店は、埼玉県を中心に展開するデパート。川越店はJR川越駅と西武線本川越駅の中間ぐらいに位置する繁華街の中にある。




念願の屋上遊園地は本館の7階に。観覧車の乗車料は300円なのだが、館内のレストランで配られている割引きっぷを使うと、たったの100円で乗ることができる。さらに子供が小さければ無料。レストランではデパートの定番「おこさまランチ」もあるので、お子さんがいたら親御さんはぜひ食べさせてほしい。ちなみに昼過ぎに訪れたら観覧車が止まっていて、遊園地のお姉さんがわざわざ機械をスタートさせてくれた。自分が乗って以降は、お客さんがまばらに訪れたためずっと回っていた。私はあまりにも安いのと、これからも屋上遊園地が残ってほしいので定価でも乗車した。



ゴンドラの中。丸いので椅子も丸い。


上から屋上遊園地を一望できる。高いから当然か。


東側の大宮方面を一望。さいたま市に統合されてから、名実ともに埼玉県の中心となった。鉄塔と重なっているのは、格闘技の聖地さいたまスーパーアリーナか。


一方西側には、田園地帯と奥武蔵や秩父の山々。近くにあるマンションをベランダ側から見ることもできるが、そこはプライバシーの侵害になるのであまり気にしない方がいいと思う。



観覧車の駆動部。古いなりに管理は良さそう。


次は園内をぐるりと一周するモノレール。「ものれーる わんぱくビート」。



こんな感じで、てんとう虫型の二人乗り遊具がモノレールの上をゆっくり走る。モノレールは塗装が剥げ、錆がうき、ちょっとした廃線テイストをかもしだしている。姫路モノレールとか大船モノレールのように、このままだと廃線の憂き目にあうかもしれない。


てんとう虫号の上から。ボタンを押すとお気楽な音楽が流れる。このチープな感じがノスタルジックで、おっさんにはたまらない。子供と残っているうちに体験できて良かった。


もう一つ。「ひこうき わんぱくエアプレーン」。いちいち「わんぱく」が付くのは、この屋上遊園地が「わんぱくパーク」だからだ。正式名称をうっかり忘れても、「わんぱく」の文字を見ると思いだせるぞ。


二人乗り飛行機に搭乗。


塗装の状態が悪い飛行機もいた。墜落の危険はないけど。思った以上にぐるぐる周り、少し消耗した。景色は観覧車程度には良かった。


屋上には神社もある。元々この百貨店の場所にあった神社を屋上に移築したものだ。


「民部稲荷」。お稲荷様だ。由緒書きによると、信心するとお金がたまり、打ち身にも良いそうな。


屋上にはこんな魚系のペットショップもある。池袋のデパートの上にも、昔こういうペットショップがあって好きだったが、今はなくなってしまった。昔はこういうのも定番だった。



さて川越という街は、小江戸とも呼ばれ、こんな風情ある建物がいっぱい残っている。写真は確か木版の印刷屋さん。


「神様はじめました」というアニメの舞台にもなっていたらしく、POPや看板もよく見かけた。秩父における「あの花」や、飯能の「ヤマノススメ」みたいなもんか。見たら面白いのかな?


夏の暑い日だったので、カフェでアイスコーヒーと、ご当地名産のサツマイモを使ったプリンを食べた。美味。

そんなわけで、今ではレアになってしまった屋上遊園地が残る川越は街歩きも楽しいので、訪れてみたらいかがだろうか。レトロな屋上遊園地以外にも、グルメや古い町並みなど魅力も多く、様々な切り口で楽しむことができる街なので、どんな世代でもいろいろと楽しい時間を過ごせると思う。