北海道芦別市の芦別市立図書館の前には、坑内で使われていた専用電車が保存されている。三井芦別炭鉱は1943年(昭和18年)から1992年(平成4年)と結構最近まで三井鉱山によって運営されていた炭鉱だ。フォルダを見ると撮影したのは2012年6月22日で雨の日だった。そのため写真が暗いのはご愛嬌で。


先頭から。電気機関車には「No.7」という番号がふられている。



反対側から。先頭にはデッキがあるので、誘導などの際には、ここに人がのって作業することもあったのかもしれない。


レールの規格は、15kgレールのようだった。



ちょっと錆びが進行してしまっているが、まわりの景色とは調和している。



かつて坑内を照らしたヘッドライトもどこか誇らしげだ。


「三井」のマーク。


低い坑内なのに、パンタグラフで集電していた。電線への接触事故が心配だ。坑車が走る線路は基本的に立ち入り禁止だったのだろうか。そうでないと、自分が働いていたらうっかり電線に接触して、大変な事故をおこしてしまいそうだ。


運転席。円形のハンドルは、ぐるぐる回るハンドブレーキ。左側のレバーはマスコン(アクセル)、その他は電源スイッチ等というシンプルな構造。千葉県にある銚子電鉄の「デキ3」という鉱山由来の現存する小さな機関車が同じ仕組みだった。


正面にあるのはマスコンのレバー。少し開いている扉から、信号は機械的にモーターにつながっていて、加速をおこなっていたようだ。ノッチ(加速の段階)は何段階いれられたのだろうか。


「ノーヒューズブレーカー」。今のブレーカーは、ヒューズを使っているから、逆にそれがないのが新鮮だ。



二両目に連結された「人車」。文字通り、人が乗り込む車。


小さな木製ベンチ。仕事場へ入る時、帰る時、膝をつきあわせて座る座席で、鉱山マンはどんな話をしたのだろう。


低い天井。人は中で立ち上がるには低く、気を付けないと頭をぶつけてしまう。


最後の二両には、それぞれ形の異なる鉄製のトロッコが連結されている。


トロッコの中身。出炭時には、この空間は石炭で満載になり、そういったトロッコを何両も連ねて機関車は走っていた。


トロッコの番号「71048」


同じく番号「78512」


トロッコの足回り。小さくてかわいいが、低い坑内を走るために無駄なスペースを減らすために、あえて小さい車輪を使っている。ただ車輪が小さいと高速進行には向かない。



電車の詳細を記載した看板。九州では有名な三井三池炭鉱がある、三井三池製作所で作られたものだった。