12/1の午後6時からNHKBSで放送されていた、外国の人が英語で日本の魅力を紹介するという趣旨の番組で、富士山と山麓にある青木ヶ原樹海について放送していた(調べたら 「cool japan 発掘!かっこいいニッポン」という番組だった )。樹海では参加者の一人であるカナダ人のクリスさんが案内人で、何度も樹海に来ていて、本当にすごく面白い森だと熱く語り、他のメンバーを富士風穴へ案内していた。最近の夢は、「未発見の洞窟をいくつも発見して、その洞窟に自分の名前を付けたい。クリス穴第一から第九とか」などと言い、完全に樹海の洞窟の命名方法を熟知していた。私はすごいと思うと同時に、やられたと思った。「自分と同じように樹海の魅力を分かっている人がいる。しかも現役で今もどんどん探検をしている。おまけにその魅力に、普通の日本人が全然気づいていない」、と。

はっきり言って富士の樹海について、一般人の印象は自殺の森でしかない。これは普通に会話していても、だいたいそんな印象だ。また私は実は2006年10月から2009年ぐらいまで、掲示板2chでの樹海オフ幹事をやっていて、樹海に興味がある人間も何人も見てきたが、死体にしか興味のない人間は少なくはなかった。

「そうだ樹海、行こう」   |←樹海|  ┗(^o^ )┓三


「そうだ樹海、行こう」   |←樹海|  ┗(^o^ )┓三
一方で自然科学の視点から、溶岩や洞窟、生息する動植物といった観点ですばらしい自然であることを分かっている人もいるが、それはまだ決して多くない。

最近私は全然樹海に行けていないが、樹海で大量のご遺体にも遭遇し、貴重な自然環境も理解している自分なりの樹海の魅力は何かと思ったら、やはり冒険の森であることと、すばらしく感動的な景色を見せてくれるという二点だった。

普通に生活していて、ご遺体に遭遇することはまずありえない。しかし隅から隅までGPSを使って丸一日歩けば、だいたい1体には遭遇してしまうのが樹海だ。はっきりいって非日常的な経験である。へまをすると、自分も遭難して死ぬという実感。そういう中でも、「自分は生きている」という強烈な実在感。DEAD or ALIVE.こんな経験を東京から車で約2時間程度で、お手軽(装備や準備は完璧だが)に経験することができるのは、ここしかありえない。


「そうだ樹海、行こう」   |←樹海|  ┗(^o^ )┓三
もう一つは、すばらしく感動的な景色が、時々自然からのごほうびとして与えられること。まだブログではごく一部しか公開していないが、ガチ探検の末に仲間しかいない樹海の奥地で、そういった光景と遭遇すると、「生きていて良かった。これがあるから人生やめられない」と思うような経験を何度も繰り返してきた(写真が下手で、魅力的に撮影できないことは多々あるが)。


「そうだ樹海、行こう」   |←樹海|  ┗(^o^ )┓三
いろいろな見方はあるが、自分にとっての樹海の魅力はこの二つだと今は思っている。
実は樹海探検は、自殺の下見で来たという人もいたのだが、一緒に探検をして樹海の魅力にはまり、すっかりアウトドア系になってしまった人も何人かいる。
こういった樹海の魅力も、「かっこいいニッポン」の一つじゃないかと思い、一部の探検仲間やクリスさんのような外国人以外にも、もう少し知られてもいいんじゃないかと私は思った。
このブログでも、もう少しそういった樹海の魅力発信に貢献できて、少しでも多くの同志が現れてくれたら、もっと世の中面白くなるのにと私は思うのである。

とりあえず、未発見と思われる洞窟をすでにいくつか発見しているので、「クリス穴」と名付けられる前に、しかるべき調査と申請をして、いい名前を付けたいとまずは思っている。